国や地方自治体が、物品購入や、工事請負などの公共事業の発注をする際に、発注先として適当と判断した特定の企業などの事業者と契約する方法。原則は一般競争入札で、その場合は国や地方自治体が仕様などを明示して募集し、応募のあった事業者の中で最も安い価格の事業者と契約する。しかし、競争入札より望ましいと判断した場合は随意契約を結ぶことがあり、競争入札に比べて手続きが迅速で簡単に済むのに加え、中小企業でも受注する機会を得やすいことがメリットとされる。
地方自治体は、随意契約ができる場合を地方自治法施行令で定められており、「工事または製造の請負」は予定価格が都道府県・指定都市が250万円以下、市町村が130万円以下、「(物品などの)財産の買い入れ」は都道府県・指定都市が160万円以下、市町村が80万円以下などとされている。
防衛省の2006年度の装備品調達の契約額は約2兆1000億円に達するが、武器や特殊車両なども多いため、生産するメーカーや扱う商社が限られていることもあって随意契約が目立つ。しかし、昨年1月に発覚した防衛施設庁(現防衛省)の発注工事をめぐる官製談合事件で随意契約の多さが問題視になり、政府は随意契約の約6割を2007年度中に一般競争入札など競争性のある契約に切り替えることを決めた。内閣府によると、所管する公益法人などとの契約分を合わせ、随意契約が総額で約3兆9000億円あるうち、約2兆1000億円が入札に切り替わることになる。
複数の発表内容や報道によると、東京地方検察庁特別捜査部(東京地検特捜部)は今年11月28日、防衛省の装備品納入で便宜を図った見返りに12回にわたりゴルフ旅行の接待を受けたとして、防衛省の官僚トップの事務次官を約4年間務めて「防衛省の天皇」とも呼ばれた前防衛省事務次官、守屋武昌容疑者と妻の幸子容疑者を収賄容疑で逮捕した。幸子容疑者はかつて防衛省に勤務していたものの現在は
公務員の身分ではなく、身分はないものの守屋容疑者の共犯と位置付ける異例の逮捕劇となった。事務次官の在任中をめぐる収賄容疑で逮捕されたのは、1996年に東京地検特捜部に逮捕された旧厚生省(現厚生労働省)の岡光序治元事務次官以来。
同時に東京地検特捜部は、航空・防衛専門商社の山田洋行(東京)の元専務、宮崎元伸容疑者を贈賄容疑で再逮捕し、11月29日に防衛省を捜索した。東京地検特捜部は11月8日、山田洋行の米国子会社「ヤマダインターナショナル」から約1億1700万円を着服したなどとして業務上横領などの容疑で宮崎容疑者らを逮捕していた。守屋容疑者の逮捕を受けて、石破茂防衛相は記者会見で「防衛行政に対する国民の信頼を大きく損ねる極めて深刻な事態と認識している。職員の綱紀粛正を徹底するとともに、防衛省に対する国民の信頼回復に向けて全力で取り組む」と述べた。