社会をよみとくキーワード

共同通信社記者の大塚圭一郎氏執筆、Z会の人気メルマガ「社会をよみとくキーワード」(毎週月曜日配信)より、
キーワードの説明部分を、配信翌日の火曜日に本ブログにて公開していきます。
メルマガでは、筆者の見解・考察も御覧いただけます(右側の「リンク集」より登録できます)。

     
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イナバウアーと品格
[2006年12月26日(火) ]

年間の世相を反映した新語や流行語と、その言葉にかかわった人物や団体に贈るコンテスト「2006ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に「イナバウアー」(3月27日「トリノ五輪」参照)と「品格」が選ばれた。


「イナバウアー」は、2006年の第20回冬季オリンピック・トリノ大会(トリノ五輪)の女子フィギュアスケートで金メダルに輝いた荒川静香選手の得意技で、上半身を後ろに反らした独特のポーズが話題になった。ただイナバウアーとは、両足の爪先を外側に大きく開いて横に滑る技を指す。
 

 「品格」は、数学者の藤原正彦お茶の水女子大学教授の著書『国家の品格』(新潮新書)の大ヒットで一躍広まった。『国家の品格』は、トーハン調べの2006年(集計期間は2005年12月―06年11月)の書籍発行部数で227万部と、書籍の年間トップとなった。ユーキャン新語・流行語大賞は「『論理よりも情緒を』と、日本人が備えていたはずの品格について説き、『儲かれば何でもよい』というマネーゲーム全盛の世の中に一石を投じた」と解説している。
 
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Posted at 17:55 | この記事のURL

グレーゾーン金利
[2006年12月19日(火) ]

貸金業の貸し出しについて、出資法の上限金利である年29・2%と、利息制限法の上限の年15―20%の中間にある金利帯。出資法の上限を超える金利で貸した場合、原則として罰則を科される。これに対し、グレーゾーン金利は貸す側が書類交付などの要件を満たし、借り手が同意して支払えば有効とされていたため、武富士とアコム、プロミス、アイフル、三洋信販の消費者金融連絡会加盟の大手5社をはじめとする消費者金融、ロプロ(旧日栄)などの商工ローン、信販会社が融資に適用してきた。


金融庁の集計によると、消費者向けの無担保融資残高約15兆5800億円のうち7割余りにグレーゾーン金利が適用されていた。消費者金融大手5社の場合、グレーゾーン金利に当たる20%以上29・2%未満の貸付残高は91・1%に上り、そのうち25%以上が71・5%に達する(消費者金融連絡会の昨年3月期のデータ参照)。高利回りのため返済に苦しむ借り手も多く、本人の支払能力を超えてさまざまな貸金業者から借金をしている多重債務者が発生する一因になっている。だが、最高裁判所が今年1月13日にグレーゾーン金利について「特約は事実上の強制で、利息制限法の上限を超える金利分は無効」として事実上認めない判決を下したのがきっかけになり、借り手が消費者金融や信販会社に対して返還請求の訴訟を起こすケースが急増している。
 
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Posted at 17:58 | この記事のURL

法テラス
[2006年12月12日(火) ]

金銭の貸し借りや交通事故といった身近で起きたトラブルを解決するため、弁護士や相談員が市民に助言する「日本司法支援センター」の愛称。今年4月10日に設立され、10月2日に業務を始めた。2004年5月に国会で成立した総合法律支援法に基づいて設立された「独立行政法人に準ずる法人」。法テラスは、「法で社会を照らす」「日当たりのよいテラスのように安心できる場所」との狙いから名付けられた。


国が支出する予算(2006年度は約126億円)などで運営する。本部と電話を受け付けるコールセンターを東京に置き、地方裁判所の所在地など全国50カ所に地方事務所を構える。理事長は金平輝子・元東京都副知事が務めており、理事は法曹界や経済界の出身者4人。常勤弁護士と、契約した業務を行う契約弁護士から構成される「スタッフ弁護士」を抱える。
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Posted at 15:15 | この記事のURL

グラミン銀行
[2006年12月05日(火) ]

無担保でお金を小口融資する「マイクロクレジット」と呼ばれる手法を用いた貧困層救済のための銀行で、バングラデシュの経済学者のムハマド・ユヌス氏(66歳)が1983年に設立した。日本語で「村落銀行」の意味。借り手が連帯責任を負う5人程度のグループを形成し、工芸の生産・販売や畜産といった新たな収入源を考えて借金の返済計画を立てる仕組み。従来の銀行が融資しなかった貧困層や農村の女性らを対象としており、高い返済率を維持して事業を軌道に乗せた。


ノルウェーのノーベル賞委員会は、2006年のノーベル平和賞をユヌス氏とグラミン銀行に贈ることを決めた。授賞式は12月10日にノルウェーの首都オスロで開かれ、賞金1000万クローナ(約1億6000万円)が贈られる。アジア人のノーベル平和賞受賞は、2000年に受けた当時の金大中(キム・デジュン)韓国大統領以来。ノーベル賞委員会は授賞理由として「社会の底辺から経済的、社会的発展をつくり出すことに尽力し、民主主義と人権の発展にも寄与した」「人口の多くを占める貧困層に現状を脱する方法がなければ持続的平和は達成できない。マイクロクレジットはその手段となった」「ユヌス氏とグラミン銀行は世界の貧困撲滅に向けた継続的努力の中で、マイクロクレジットが主要な役割を果たすことを示した」などと指摘している。
 

ユヌス氏は1940年6月、バングラデシュ南東部のチッタゴンに生まれた。米国に留学して経済博士号を取得。72年に帰国してチッタゴン大学で教鞭を執っていたが、飢饉による貧困に苦しむ農民を救済するため、76年に教職を辞してマイクロクレジット事業を始めた。その後、事業を組織化してグラミン銀行を設立。グラミン銀行の利用者は600万人を超え、同様の手法はアジアをはじめとする世界各地に拡大。米国に本拠を置く非政府組織(NGO)「米国リザルツ財団」の報告書によると、2005年にマイクロクレジットの対象となった人は世界で1億1300万人に上ったという。
 
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Posted at 17:51 | この記事のURL