株式会社の株主が集まり、経営者として業務の執行に当たる取締役と、取締役の職務執行や企業業績を監査する監査役の選任、他社との合併などを決議する企業の「最高意思決定機関」。決算発表が終了後に、株主を集めて定時株主総会を年に1回開かれている。日本は会計年度を4月1日から翌年3月末までとしている企業が多く、今年も6月下旬にピークを迎えた。かつら最大手のアデランスホールディングス(アデランスHD)や、流通大手のイオン、セブン&アイホールディングスなどは決算期を3月1日から翌年2月末としており、株主総会を5月に開催している。企業がほかの時期に重要事項を決める必要があると判断した場合は、臨時株主総会を開いて株主の承認を求める。
証券取引所に上場している株式は証券会社を通じて売買でき、株主は保有株式数に応じた議決権を与えられる。持っている議決権が多いほど、株主総会の議案に対する賛成または反対の「意思表示」が強まる仕組み。株主総会時の議案で、取締役や監査役の選任といった「通常決議」は過半数の賛成、他社との合併や会社の定款の変更といった特に重要な議案の賛否を諮る「特別決議」では3分の2以上の賛成が必要となる。全株主が議決権を行使した場合でも、議決権の3分の1超を握れば「特別決議」を否決に追い込むことができ、議決権の過半数を取得すれば「通常決議」への賛否がそのまま反映されるため経営権を事実上握ることができる。
企業は、株主総会の前になると開催を知らせる「株主総会招集通知書」を各株主に発送する。株主総会に出席できない株主は、招集通知書に同封されている「議決権行使書」に議案への賛否を記入し、総会前に返送すれば議決権の行使が可能。株主総会は、議決権行使書を含めて議決権の過半数に当たる株式を持つ株主が出席すれば成立し、議案の承認を求めることができる。
かつて日本企業は企業同士でお互いの株式を持つ「株式持ち合い」が多く、株主総会も会社側の議案がそのまま通って短時間に終了する「シャンシャン総会」が横行していた。しかし、1990年代のバブル崩壊後に銀行や企業が持ち合っていた株式を手放し、株式持ち合いの解消が進んだ。代わって外資系投資ファンドや年金資金などが日本企業の大株主となるケースが増え、それらには大株主としての権利を行使して業績改善に向けた提案や、株主に還元する配当金の増額といった要求を突きつける「もの言う株主」も多い。