社会をよみとくキーワード

共同通信社記者の大塚圭一郎氏執筆、Z会の人気メルマガ「社会をよみとくキーワード」(毎週月曜日配信)より、
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グラミン銀行
[2006年12月05日(火) ]

無担保でお金を小口融資する「マイクロクレジット」と呼ばれる手法を用いた貧困層救済のための銀行で、バングラデシュの経済学者のムハマド・ユヌス氏(66歳)が1983年に設立した。日本語で「村落銀行」の意味。借り手が連帯責任を負う5人程度のグループを形成し、工芸の生産・販売や畜産といった新たな収入源を考えて借金の返済計画を立てる仕組み。従来の銀行が融資しなかった貧困層や農村の女性らを対象としており、高い返済率を維持して事業を軌道に乗せた。


ノルウェーのノーベル賞委員会は、2006年のノーベル平和賞をユヌス氏とグラミン銀行に贈ることを決めた。授賞式は12月10日にノルウェーの首都オスロで開かれ、賞金1000万クローナ(約1億6000万円)が贈られる。アジア人のノーベル平和賞受賞は、2000年に受けた当時の金大中(キム・デジュン)韓国大統領以来。ノーベル賞委員会は授賞理由として「社会の底辺から経済的、社会的発展をつくり出すことに尽力し、民主主義と人権の発展にも寄与した」「人口の多くを占める貧困層に現状を脱する方法がなければ持続的平和は達成できない。マイクロクレジットはその手段となった」「ユヌス氏とグラミン銀行は世界の貧困撲滅に向けた継続的努力の中で、マイクロクレジットが主要な役割を果たすことを示した」などと指摘している。
 

ユヌス氏は1940年6月、バングラデシュ南東部のチッタゴンに生まれた。米国に留学して経済博士号を取得。72年に帰国してチッタゴン大学で教鞭を執っていたが、飢饉による貧困に苦しむ農民を救済するため、76年に教職を辞してマイクロクレジット事業を始めた。その後、事業を組織化してグラミン銀行を設立。グラミン銀行の利用者は600万人を超え、同様の手法はアジアをはじめとする世界各地に拡大。米国に本拠を置く非政府組織(NGO)「米国リザルツ財団」の報告書によると、2005年にマイクロクレジットの対象となった人は世界で1億1300万人に上ったという。
 
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Posted at 17:51 | この記事のURL