国内の百貨店業界は、1990年代のバブル経済崩壊後に消費不況の直撃を受け、さらに郊外に相次いで建設された大手スーパー、イオンなどの大型商業施設に客を取られ、売り上げの低迷が続いている。日本百貨店協会によると、2006年の全国の百貨店売上高は、新規出店などの影響を除いた店舗調整後で前年比0・7%減の7兆7700億円となり、1997年から10年連続で前年実績を下回った。96年の店舗調整後の売上高は8兆8406億円のため、丸10年で約1兆700億円も減ったことになる。
さらに少子高齢化と人口減少もあって経営環境が厳しくなる中で、競争力を高めるために業界再編が進んだ。近年の経営統合は持ち株会社を設立し、その傘下に百貨店の事業会社を置き、消費者に親しまれている店名は残す方法が主流。狙いとして、共同での商品仕入れやシステムの統合、ノウハウの共有などで相乗効果や経費削減がある。百貨店の2000年7月に民事再生法の適用を申請して経営破たんした「そごう」と経営再建中だった西武百貨店は、03年6月に共同持ち株会社の「ミレニアムリテイリング」(東京)を発足させて経営統合。ミレニアムリテイリングは2006年、グループで総合スーパー「イトーヨーカドー」やコンビニ「セブン―イレブン」などを展開するセブン&アイ・ホールディングスに買収されて傘下に入った。
今年になって再編の動きが加速し、大阪市に本社を置く大丸と、名古屋市が地盤の松坂屋ホールディングスは今年9月3日に共同持ち株会社「J・フロント リテイリング」を発足させ、経営統合した。両社のグループ会社を含めた2006年3月から1年間の07年2月期連結売上高は1兆1737億円と、高島屋の1兆494億円を抜いて百貨店業界最大手となった。「J・フロント リテイリング」は本社を東京・銀座に置き、首都圏での事業戦略を強化する。経営統合した関西私鉄大手の阪急阪神ホールディングスのグループである阪急百貨店と阪神百貨店も、今年10月1日に共同持ち株会社の「エイチ・ツー・オーリテイリング」を設立して経営統合した。
店舗閉鎖などのリストラ後も業績の低迷が続いていた業界大手の三越も、伊勢丹とともに共同持ち株会社「三越伊勢丹ホールディングス」を来年4月1日に設立し、経営統合することを決めた。両社の07年2月期連結売上高を合算すると1兆5859億円となり、「J・フロント リテイリング」を抜いて国内最大手となる。これで百貨店業界は、連結売上高が1兆円を超える三越伊勢丹ホールディングス、とJ・フロント リテイリング」、高島屋、そして1兆円近いミレニアムリテイリングの4強が主軸となる。
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