社会をよみとくキーワード

共同通信社記者の大塚圭一郎氏執筆、Z会の人気メルマガ「社会をよみとくキーワード」(毎週月曜日配信)より、
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第21回参議院議員選挙
[2007年08月28日(火) ]

 安倍晋三内閣のもとで初めての大掛かりな国政選挙となった第21回参議院議員選挙が7月29日に投開票され、与党の自由民主党は37議席と、改選議席の64を大きく下回り、宇野宗佑首相が退陣に追い込まれた1989年の参院選の36議席に次ぐ歴史的大敗となった。同じく与党の公明党は改選議席より3減って9議席と、過去最低に並ぶ敗北を喫した。

 一方、野党第一党の民主党は過去最高の60議席と、改選議席の32から大幅に増やし、初めて参議院の第一党の座に就いた。共産党は3議席、社会民主党も2議席で改選数を下回った。国民新党は2議席、新党日本は1議席、無所属は7議席でうち野党系が6議席となった。参議院で与党の自民党と公明党の議席は103と、過半数の122を大きく下回った。参院選後の8月7日に召集された臨時国会では、民主党から初めての輩出となる参議院議長に江田五月元科学技術庁長官が就いた。

 自民党が惨敗したのは社会保険庁が管理している国民年金と厚生年金の加入記録での年金記録不備問題に加え、昨年9月の安倍政権発足後に佐田玄一郎行政改革担当相が架空の事務所経費を報告したとの虚偽記載疑惑で辞任し、事務所経費で不透明な光熱水費などの疑惑を抱えた松岡利勝農林水産相の自殺、原爆投下を「しょうがない」と発言した久間章生防衛相が辞任に追い込まれるなどの「政治とカネ問題」と相次ぐ失言があり、それらの対応が後手に回るなど安倍首相の手腕に不信感が広がったのが響いた。松岡氏の後任で農水相になった赤城徳彦氏も政治団体の事務所経費問題などが相次いで発覚し、参院選後の8月1日に事実上更迭され、安倍内閣の閣僚交代は1年足らずで計4人になった。
 安倍首相は歴史的大敗が決まった後も「改革を続行する。約束してきたことを実行することが私の最大の使命」などと続投への強い意志を表明したが、依然として支持率が低迷している。自民党の8月7日の会議では中核議員からも「首相は一度、身を引いて(立て直し策を)全党的問題として根本的に議論し直すべきだ」(中谷元・元防衛庁〈現防衛省〉長官)、「首相は『安倍か小沢(一郎民主党代表)か』で投手(党首)戦を挑み、国民はホームランを打たれ
たピッチャーに交代を求めた。自ら続投を求めるのではなく、監督に意見を聞くべきだ」(小坂憲次前文部科学相)などと続投に疑問が投げかけられ、厳しい政権運営を迫られている。参院選敗北の責任を取って自民党の中川秀直幹事長と青木幹雄参院議員会長は辞任を表明した。

 総務省によると、最終投票率は選挙区で58・64%と、前回の参院選(2004年)を2・07ポイント上回った。参議院の計242議席のうち、改選議席は半分の121議席でうち選挙区の73、比例代表が48。各都道府県の選挙区で選出されるのは1人という1人区は29あったが、その中で民主党の17議席をはじめ野党側が23勝したのが勝敗を分けた。また、比例代表の議席数は民主党が20、自民党が14、公明党が7、共産党が3、社民党が2、国民新党、新党日本がそれぞれ1となった。

 自民党のベテラン議員では、岡山選挙区で総務相などを歴任した片山虎之助・参院幹事長が民主党新人の姫井由美子氏に破れ、「保守王国」とされた愛媛選挙区では関谷勝嗣・元郵政相が元Jリーガーで無所属の友近聡朗氏(民主、社民、国民新党推薦)に敗北し、比例代表で日本医師会などの推薦を受けた武見敬三・厚生労働副大臣が落選した。宝塚歌劇団出身で神奈川選挙区から立候補した公明党の松あきら氏も落選した。

 知名度の高い新人候補は善戦し、東京選挙区では元テレビ朝日アナウンサーの丸川珠代氏(自民党)、元東京HIV訴訟原告の川田龍平氏(無所属)も当選。比例代表で自民党からは拉致問題担当首相補佐官の中山恭子氏、弁護士の丸山和也氏、「ヤンキー先生」の愛称を持つ元教育再生会議担当室長の義家弘介氏、民主党からは女子プロゴルファーの横峯さくら選手の父の横峯良郎氏、新党日本代表で前長野県知事の田中康夫氏らが当選した。

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