介護が必要と認定された65歳以上の高齢者に介護サービスを提供するための公的保険制度で2000年4月に始まり、2006年4月に介護予防に重点を置いた内容に改正された。認定は、寝たきりや痴ほうといった重度によって「要支援1」「要支援2」と「要介護度1」から「要介護度5」までの7区分にしている。
認定されるとホームヘルパーが自宅を訪問して日常生活への支援する訪問介護や、常に介護が必要な人は自宅のほか、特別養護老人ホームなどの施設を利用することもできる。人が受けることができる。日本社会で高齢化が進む中で社会全体で支えるとの狙いがあり、介護サービス利用者が支払うのは1割で、残りは40歳以上の人が支払う保険料と国、都道府県、市町村の負担で賄っている。この介護保険制度が始まったのを機に、高齢化に伴う市場拡大に目を付けた多くの民間企業が介護事業に参入した。
監督官庁の厚生労働省は6月6日、訪問介護最大手のコムスン(東京)が8事業所で退職した職員の名前を使って虚偽申請するなど「不正の手段により指定を受けた」ほか、指定を取り消される直前に廃止届を出して処分を免れようとしたとして、介護保険法に基づいて全国にあるコムスンの介護事業所の約8割に当たる約1600カ所の指定を2008年4月から11年12月7日にかけて順次打ち切り、更新もしないように所管する都道府県に通知した。コムスンは介護保険制度導入後の2000年6月に事業所731カ所でスタートしたが、2001年6月期の売上高は124億円で利用者が低迷したため事業所や職員を大幅に減らすリストラを実施して混乱。その後、再び事業所を増やすなど規模を拡大して2006年6月期の売上高は638億円と、5年間で約5倍になり、営業利益も27億円を計上していた。
指定取り消しに伴ってコムスンの親会社で東京証券取引所1部上場の人材派遣・請負業最大手のグッドウィル・グループは6月6日、7月31日付で別の子会社の日本シルバーサービス(東京)にコムスンの全事業を譲渡する基本方針を決めた。介護保険法で、両社の役員を兼任する人が1人でもいれば新規の事業所指定は認められないことになっているが、コムスンと日本シルバーサービスは役員が全員異なっていた。
これに対し、和歌山県の仁坂吉伸知事が6月7日の記者会見で「脱法行為だと思う。正義に反する」と批判して日本シルバーサービスに事業譲渡して申請しても和歌山県は「断固認めず」との意向を示すなど、自前での事業継続に固執するグッドウィル・グループへの反対意見が相次いだ。当初は容認の構えを見せていた厚労省も6月7日夜になってコムスンに対して「日本シルバーサービスへの事業譲渡は凍結すべきだ」と指導したため、コムスンは日本シルバーサービスへの譲渡を取りやめ、外部企業への売却に切り替えた。
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