公表されていない内部情報を得た上で株式を買い、情報の公表後に株価が上がってから売り抜けて稼ぐといった不公正な取引。証券取引法166条に禁じることを定めている。大きく分けて2種類あり、株式を上場している企業の役員や社員、主要株主らがその地位や職務で知り得た重要情報が公表されていないことを利用し、自分の会社の株式などを売買する「会社関係者による内部者取引」と、株式公開買い付け(TOB)をする人の関係者がTOBを実施することを知り、TOBの発表前に株式を購入する「TOB関係者らによる内部者取引」がある。違反すると3年以下の懲役が、300万円以下の罰金を科せられる。
東京地方検察庁特捜部は6月5日、東京証券取引所2部に上場していたフジサンケイグループのAMラジオ局、ニッポン放送の株式をインサイダー取引したとして、東京地検特捜部は投資ファンド(通称村上ファンド、昨年11月21日号参照)を率いていた元通産官僚、村上世彰容疑者(46歳)を証券取引法違反容疑で逮捕した。村上容疑者は、村上ファンドの投資顧問会社「MAC(現マック)アセットマネジメント」の役員らと共謀し、2004年11月8日ごろに情報技術(IT)関連企業、ライブドア(2月27日号参照)がニッポン放送株を5%以上取得することを決めたとの内部情報をライブドア幹部から聞き、04年11月9日から昨年1月26日にかけてニッポン放送株を大量に購入した疑い。議決権総数の5%以上の株の買い付けは「TOBに準じる行為」と見なされるため、インサイダー取引の「TOB関係者らによる内部者取引」の違反が該当した。
村上容疑者は逮捕直前の記者会見で「罪を認めてあえて(罰を)受けることが私のすべきこと」と語り、インサイダー取引をしたことを認めて謝罪。「証券取引法というルールを犯した以上、この世界から身を引く」とも話し、投資ファンド業から引退することも明らかにした。
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