相手先ブランドによる生産。自社製品を、供給先の企業のブランドで製造すること。メーカーから製品のOEMを受けた企業は、自社のブランドでその製品を販売する。工場の生産設備や従業員で余裕のあるメーカーが、ブランド力や販売力があっても生産力が足りない企業から注文を受けることが多い。
OEMを委託する企業は、品切れによる売上高の減少を防いだり、品ぞろえを広げたりできる利点がある。受注したメーカーは、相手先のブランドと販売力を生かして設備の生産稼働率を向上させられる。OEMは製紙業界のほか、自動車や家電製品などの業種で幅広く実施している。
製紙業界2位の日本製紙グループ本社は、首位の王子製紙が6位の北越製紙に仕掛けた敵対的な株式公開買い付け(TOB)の成立を阻止するため北越株の8・9%を取得。日本製紙は、TOBが不成立になったのを受けて北越に提携交渉を申し入れ、両社は印刷用紙のOEMを柱とする業務提携を検討することで9月12日に合意した。両社で具体的な提携交渉を進め、11月30日の提携契約締結を目指す。
△OEMを柱とする業務提携で合意した日本製紙グループ本社の中村雅知社長(右)と北越製紙の三輪正明社長(9月12日、東京都内で筆者撮影)
このOEMは、印刷用紙の最新鋭生産設備を日本製紙が石巻工場(宮城県石巻市)で来年11月、北越が主力の新潟工場(新潟市)で2008年11月にそれぞれ稼働するのを活用。日本製紙が首都圏に納める製品を北越の新潟工場に生産委託し、北越が東北地方などに納入する製品を日本製紙石巻工場で引き受け、工場の稼働率向上や物流費の削減などを目指す。また、北越が西日本地域に納入する製品を日本製紙岩国工場(山口県岩国市)などに生産委託するなど既存設備での協力も検討する。両社は提携による増益効果の目標を年間85億円とし、王子が北越との経営統合で試算した年間75億円を上回る。
このほかのOEMの事例では、2000年から05年にかけて業務・資本提携を結んでいた北越と三菱製紙が紙を相互供給している。また、オリンパスなどはデジタルカメラの一部機種の生産を三洋電機に委託し、日産自動車の軽乗用車「モコ」はスズキから供給を受けて販売している。
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