安倍晋三首相が新政権の最重要テーマと位置付けた「教育再生」を具体化するため首相官邸に設置し、民間の有識者17人の委員らで構成する組織。座長は2001年のノーベル化学賞受賞者の野依良治・理化学研究所理事長、座長代理は資生堂の池田守男相談役、担当室長を「ヤンキー先生」としてテレビドラマ化された横浜市教育委員の義家弘介氏がそれぞれ務めている。官邸主導で、教員免許更新制度や学校評価制などの教育改革を進めるのが狙い。自治体が配布する利用券で親や生徒が学校を選択できるようにし、学校間の競争を促すとされる「教育バウチャー制度」も検討課題になっている。今年1月に第1次報告をまとめ、5月には第2次報告を策定する予定。政府は、教員免許更新制度の導入を含めた教員免許法改正案などの関連法案が国会に提出する方針だ。
教育再生会議のほかの委員は、教育関係者では
東京大学の小宮山宏総長、前
東京外国語大学長の中嶋嶺雄・国際教養大学長、東洋大学の白石真澄教授、「百マス計算」で知られる立命館小学校の陰山英男副校長、国際日本文化研究センターの川勝平太教授、京都市の門川大作教育長、教育ジャーナリストの品川裕香氏、文部科学省OBで元事務次官の小野元之氏。また、経済界からはJR東海の葛西敬之会長、トヨタ自動車の張富士夫会長、居酒屋チェーン「和民」を経営するワタミの渡邉美樹社長が選ばれた。1988年ソウル五輪のシンクロナイスドスイミング銅メダリストでスポーツコメンテーターの小谷実可子氏、劇団四季の浅利慶太代表、エッセイストの海老名香葉子氏も入った。政府からは首相、塩崎長官、伊吹文明文部科学相、事務局長の山谷えり子首相補佐官(教育再生担当)が事務局長が参加。
教育再生会議の初会合は、昨年10月18日に東京・永田町の首相官邸で開かれた。安倍首相はあいさつで、質の高い教育と学力向上を図ることや、規範意識や情操を身に付けること、家庭や地域の教育力を高めることなどの方策について検討するように求めた。今年1月19日の教育再生会議の全体会議では、「ゆとり教育」の見直し、教育委員会制度の抜本改革、教員免許更新制度導入、いじめ問題対応、学校の責任体制の確立などを盛り込んだ第1次報告案を大筋で了承した。1月24日の総会で正式に決め、安倍首相に提出する予定。報告案の提言は「7つの提言」と「4つの緊急対応」で構成し、公立学校の授業時間数の10%増や、いじめたり暴力を振るったりする子供への出席停止制度活用、いじめ問題対応のため「体罰の範囲」に関する法令・政府の通知を今年3月末までに見直し、社会の多様な分野から優れた人材を教員に大量採用、不適格教員の排除につながる教員免許更新制度の導入、学校への第三者機関「教育水準保障機関(仮称)」による外部評価導入と副校長など管理職の複数配置―などを列挙。また、教育再生に向けた今後の検討課題には、9月入学を含めた大学入学制度の在り方、教育バウチャー(利用券)など教育機関や教員が切磋琢磨(せっさたくま)する環境整備を挙げている(新聞報道を参照)。
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