社会をよみとくキーワード

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金融危機
[2008年11月18日(火) ]

 米国のサブプライム住宅ローン問題を発端とする金融危機は、日本や欧州などを含めた世界の株式市場や経済活動にマイナス影響を及ぼしている。特に今年9月15日の米国証券会社4位リーマン・ブラザーズの破たん後は「リーマンショック」が世界を駆け巡り、世界の証券取引所で同時株安が起きた。9月16日の東京株式市場は、日経平均株価(225種)の終値は前週末比605円04銭安の1万1609円72銭と年初来安値を更新し、3年2カ月ぶりの安値となった。その後も、株式市場は低調に推移している。個人消費の低迷や、企業の設備投資抑制や採用の手控えなどが出ており、世界的な景気悪化が顕在化してきている。

 日本では経済活動の水準を表す景気が2002年2月から拡大してきたが、その背景には米国での需要堅調や、東南アジアなど新興国の経済成長にけん引され、日本企業の輸出や海外での生産、販売が好調だったことが大きい。今年になると、原油価格高騰の影響や個人消費の低迷も鮮明になり、日本政府は今年8月の月例経済報告で景気の基調判断を「弱含み」とし、景気後退が始まったことを事実上認めていた。さらに金融危機の影響で株価の大幅下落に加え、為替の円高傾向や海外需要の落ち込んできており、銀行や証券会社といった金融機関、輸出関連企業などの業績悪化が顕著になっている。

 金融関係者などによると、サブプライム住宅ローンは、クレジットカードによる借金の返済が何度も滞っているような信用力の低い人や、所得の低い人に融資する住宅ローンで、主に米国の中小銀行や住宅ローン専門会社が2004年ごろから融資を拡大した。当初の2年間程度は低金利とするが、返済されないリスクが通常より高いため、その後は一般のローンである「プライムローン」と比べて高い金利を設定している場合が多い。米国では住宅着工件数が伸び、家を持つことで資産価値が高まる“住宅バブル”と呼ぶべき現象が起きていた。

 サブプライム住宅ローンの債権は証券化され、さまざまな金融商品に小口に分けて組み入れられ、世界中の機関投資家などに販売された。米国では過熱していた住宅着工件数の冷え込みや金利上昇を受け、サブプライム住宅ローンの貸し倒れや返済の滞納が増加。ローン債権を証券化した金融商品の価格が値崩れし、投資していた主に米国や欧州の金融機関やファンドなどが多額の損失を抱えた。投資家に不信感が広がったことから、証券化した他の商品にも影響が及び、日本も含めた金融機関の損失が拡大した。
 サブプライム住宅ローンで多額の損失を抱え、経営危機に陥っていたリーマン・ブラザーズは9月15日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請して破たんした。韓国産業銀行によるリーマン・ブラザーズへの出資交渉が決裂後、救済をめぐって官民が協議したものの、米国財務省が公的資金を使った支援に消極的だったとされる。大手シンクタンクは「11月の大統領選挙を控え、財務省はなんでも公的資金を使うというイメージが広がれば、納税者の反感を買うと恐れたのではないか」との見方を示す。

 一方、米国政府と連邦準備制度理事会(FRB)は9月16日、サブプライム住宅ローン関連で多額の損失を抱えた世界最大級の保険会社、米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に対して850億ドルを上限につなぎ融資し、公的資金により救済すると公表した。AIGの日本法人は10月3日、損害保険事業への選択と集中を進めるため、アリコジャパン(東京)を抱える米国生命保険のアリコ、AIGスター生命保険(東京)、AIGエジソン生命保険(東京)の生保三社を売却する方針を明らかにした。AIGスター生命とAIGエジソン生命は来年1月1日の合併を予定していたが、売却の方針を受けて合併の延期を決めた。

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