社会をよみとくキーワード

共同通信社記者の大塚圭一郎氏執筆、Z会の人気メルマガ「社会をよみとくキーワード」(毎週月曜日配信)より、
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北京五輪
[2008年09月30日(火) ]

 中国の首都・北京市で第29回夏季オリンピック(五輪)北京大会が8月8日から24日まで開催され、柔道や体操、水泳、陸上、野球など28競技、計302種目で熱戦が繰り広げられた。五輪史上最多となる204カ国・地域が参加した。アジアで夏季五輪が開催されたのは、韓国で1988年に開かれたソウル夏季五輪以来20年ぶり。

 開会式と開幕式などが開かれたメーン会場の「国家体育場」は9万1000人を収容し、その形状から「鳥の巣」の愛称を持つ。また、水泳競技の会場となった「国家水泳センター」は「ウォーターキューブ」の愛称を持ち、3つのプールを設けており、1万7000人を収容できる。それらの充実した競技施設は、経済成長を続けてきた中国の発展ぶりを見せつけた。

 中国政府にとって自国での五輪開催は、経済発展を遂げた中国の様子を世界にアピールする好機となった。しかし、五輪開幕前に世界を巡った聖火リレーでは、中国チベット自治区での暴動を鎮圧した中国政府に対する抗議行動が起き、4月7日のフランス・パリでは妨害の激しさから途中で打ち切りになった。また、開会式を控えた8月4日に新疆ウイグル自治区で「五輪妨害テロ」とみられる警察官襲撃事件が発生し、報道によると16人が亡くなった。中国政府の弾圧に対する不満や、人権問題など中国の抱えるさまざまな課題が露呈した。

 前回の夏季五輪である2004年のアテネ五輪を取り上げた「社会をよみとくキーワード」(2004年9月20日号)の「キーワードの解説」で、このようにご説明していた。

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 五輪発祥の地であるギリシャの首都アテネで第28回夏季オリンピック(五輪)アテネ大会が8月13日から29日まで開かれ、28競技、301種目の熱戦で日本は37個とこれまでで最多のメダルを獲得した。1984年の米ロサンゼルス大会の32個を記録更新し、一時は低迷していた日本の復活を印象付けた。

 37個のうち金メダルが16個を占め、64年の東京大会と並んで最も多かった。銀メダルは9個、銅メダルは12個だった。選手の数で初めて男子を上回った日本の女性選手が9個の金メダルを手にし、男子の7個を上回った。銀、銅メダルも4個ずつと「なでしこジャパン」の健闘が目立った。

 それぞれの選手で見ると、柔道では野村忠宏選手は日本選手で初めて個人種目3連覇を達成し、谷亮子選手は日本の女子選手で初の2連覇となり、4大会連続のメダル獲得となった。シンクロナイズドスイミングの立花美哉、武田美保の両選手は、通算獲得メダル5個の日本女子最多記録を作った。また、マラソン女子を野口みずき選手が制し、前回2000年のオーストラリアのシドニー大会に続いて2大会連続の金メダルとなった。

 五輪は「平和の祭典」と言われており、アテネでの開催は第1回以来108年ぶり。戦後の混乱が続いているイラクも含めて史上最多の202カ国・地域から選手、役員ら約1万6000人が参加。金メダル争いでは、米国が35個を手中に収めて3大会連続の首位。次いで中国が32個と、大幅に伸ばした。3位はロシア、4位はオーストラリアで、日本の16個は5位。日本は96年の米アトランタ大会の21位、シドニー大会の15位から急上昇し、「ベスト5」入りは76年のカナダ・モントリオール大会以来。

 一方、ネガティブな五輪最多記録もあった。閉幕した8月29日時点でドーピング(薬物使用)の違反件数は24件と、これまで最多だったロサンゼルス大会の12件の2倍に達する。日本勢のドーピング違反はなかった。陸上男子ハンマー投げでは、優勝したハンガリーのアドリアン・アヌシュ選手が金メダルをはく奪され、室伏広治選手が繰り上がり優勝した。違反が急に増えたのは、検査を実施したのが史上最多の3000件に上ったことや、薬物の検出精度が向上したことなどが理由とみられている。

 次回2008年は経済の急成長が続いている中国の首都、北京で開かれる。アジアで開催されるのは20年ぶりとなる。

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  「キーワードの、その後」

 日本選手団が北京五輪で獲得したメダル総数は25個と、過去最高となったアテネ五輪の37個に比べると大きく減った。目標とした「金メダル2けた、メダル総数30個以上」は達成できなかった。金メダルは9個で、中でも競泳男子平泳ぎで史上初の2大会連続2冠を獲得した北島康介選手や、日本のチーム競技で32年ぶりの金メダルをもたらした女子ソフトボールは快挙となった。銀メダルは6個、銅メダルは10個。ただ、報道によると陸上男子ハンマー投げで銀、銅メダルを獲得したベラルーシのワジム・デビャトフスキーとイワン・チホン両選手がドーピング検査で陽性反応を示したとされ、2選手の失格が確定すれば、5位の室伏広治選手が銅メダルに繰り上がる可能性が強い。

 金メダル争いは、中国が51個と世界首位となり、次いで米国の36個、3位がロシアの23個。日本の9個は世界8位と、アテネ五輪の世界5位から後退した。メダル総数では米国が110個と、中国の100個を上回って世界最多となった。

 次回の夏季五輪は、2012年に英国ロンドンで開催される第30回夏季オリンピックロンドン大会。ロンドンで開かれるのは1948年以来、64年ぶりとなり、1908年の開催も含めて同じ都市で3回実施されるのは五輪史上初。北京五輪まで入っていた野球とソフトボールは、実施競技から除外される。

 また、障害者スポーツの祭典である第13回夏季パラリンピック北京大会は、9月6日から17日まで開催された。147カ国・地域が参加し、20競技157種目で技を競った。日本選手団は金メダル5個、銀メダル14、銅メダル8個の計27個を獲得したが、金17個を含む計52個を獲った2004年のアテネ大会から激減した。

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