社会をよみとくキーワード

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環境対応車
[2008年09月09日(火) ]

 二酸化炭素(CO2)の排出量や排ガスを削減でき、ガソリンなどの化石燃料の使用量を抑えられる次世代型自動車。地球温暖化防止の取り組みを加速させるために必要性が高まっており、トヨタ自動車やホンダ、日産自動車などの日本の大手自動車メーカーも開発を進めている。ガソリンを燃料に使う従来車に比べてランニングコストを抑えられるのも利点で、原油高(「社会をよみとくキーワード」9月1日号、翌2日のブログ参照)に伴うガソリン価格高騰を受けて注目度が高まってきた。

 エンジンと電気モーターを併用することで低燃費を実現したハイブリッド車は既に販売されており、トヨタはハイブリッド専用車「プリウス」をはじめとする車種、ホンダは乗用車「シビック」のハイブリッド車を販売している。トヨタは来年、「プリウス」を全面改良するとともに、高級車ブランド「レクサス」で新型ハイブリッド専用車を投入。電源につないで近距離では電気で走行し、遠出の際はハイブリッド走行する「プラグイン・ハイブリッド車」も来年末までに売り出す。

 ホンダも、来年初めに新型のハイブリッド専用車「インサイト」を日本と欧米で売り出す。インサイトは5ドアハッチバックの小型車で、「シビック」のハイブリッド車などと比べて「大幅なコストダウンを図り、よりお求めやすい価格にし、全世界で年間約20万台の販売を見込んでいる」(福井威夫社長)という。さらにスポーツタイプのハイブリッド車や、人気小型乗用車「フィット」のハイブリッド車も投入することで、2010年ごろにホンダの自動車販売台数の10%程度がハイブリッド車になると見込む。日産も10年度にハイブリッド車を日本と米国で発売し、排気量の多い高級セダン「フーガ」または「スカイライン」への搭載が有力視されている。

 また、リチウムイオン電池を搭載し、家庭や駐車場などの電源にコードをつないで充電する電気自動車も来年から順次登場する。三菱自動車が来年夏に発売する「i MiEV(アイ ミーブ)」は、1回の充電で走れる距離は160キロで、最高時速は130キロ。水島製作所(岡山県倉敷市)で当初は年2000台生産し、早期に年1万台へ引き上げる。車両価格は、国の補助金を差し引いても300万円弱になる見通しで、これは「アイ ミーブ」が車体を使っている軽乗用車「i(アイ)」の2倍以上になる。

 富士重工業も軽乗用車「スバル ステラ」をベースにした電気自動車を法人向けに来年発売し、1回の充電で80キロ走れ、最高時速が100キロ。日産も2010年度に小型の電気自動車を日本と米国で売り出し、日産は1回の充電で160キロ程度の走行と、最高時速140キロ以上を目指す。トヨタも2010年代の早い時期に電気自動車を売り出し、1回の充電で走れる距離を最低で40キロに抑えることで価格を抑える方針だ。
 一方、ガソリン車に比べて燃費を抑えられ、CO2排出量低減にもつながると期待されているのがディーゼル車だ。欧州では既に普及しているが、日本では有害物質を含んだ排ガスや、エンジン音の大きさが響いて消費者に敬遠されていたが、最近は技術改良によって弱点を克服してきている。日産はスポーツタイプ多目的車(SUV)の「エクストレイル」で、排ガスを浄化する「クリーンディーゼル」のモデルを9月中旬に発売する。三菱自動車もSUV「パジェロ」にディーゼル車を追加して10月に発売するほか、ホンダも排ガスを浄化するディーゼル乗用車を来年投入する。

 トヨタやホンダ、日産などは、燃料の水素を酸素を化学反応させることで発電してモーターを回し、走らせる燃料電池車の開発を進めている。水しか出ないため環境に優しいが、水素スタンドの整備が課題となる。また、トウモロコシなどの植物を原料にしたバイオエタノールを燃料とするエタノール車も、CO2排出量の低減に役立つとしてブラジルなどで販売されている。

 ただ、環境対応車は従来のガソリン車に比べて車両価格が高いのがネックとなる。国は環境対応車の普及に向けて、ハイブリッド車や電気自動車などの購入に補助金を支給しており、神奈川県をはじめ一部自治体は国の補助金に上乗せして助成することで普及を目指す。

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