外食大手企業で、洋食のファミリーレストラン「ガスト」や「すかいらーく」、中華レストランの「バーミヤン」、和食レストランの「夢庵」や「藍屋」、イタリアンレストラン「グラッチェガーデンズ」、都市型のファストフード「Sガスト」など多くの店舗を経営している。グループ会社に小僧寿し本部、ジョナサンなどがある。本社は東京都武蔵野市。グループの店舗数は国内に4025店あり、うち東京都をはじめとする関東地方が2287店を占める。海外はタイ、台湾、米ハワイ州に計280店ある(店舗数はいずれも今年7月末時点)。
すかいらーくのサイトなどによると、「ことぶき食品」として1962年4月に設立され、74年11月に「すかいらーく」に社名変更した。「すかいらーく」の1号店となる国立店(東京都府中市)を1970年7月に開業。セントラルキッチンを活用して店舗運営を効率化し、マイカーの普及や第二次ベビーブームを追い風に幹線道路沿いなどに店舗網を広げた。78年9月に100号店となる杉並宮前店(東京都杉並区)、81年12月に300号店となる川崎大師店(川崎市川崎区)をオープンした。また、傘下のジョナサンを練馬高松店(東京都練馬区)を80年4月に初出店し、「藍屋」の1号店の与野バイパス店(さいたま市中央区)を83年11月、「バーミヤン」の1号店の鶴川店(東京都町田市)を86年4月に開業するなど、グループで和食や中華料理といったファミリーレストランを広げて規模を拡大させた。
バブル崩壊後は業績が低迷したため、新業態「ガスト」を開発して「すかいらーく」の多くを93年から順次転換。「ガスト」は従業員が従来より少なくても運営できるように工夫することで、低価格のメニューを用意し、自分で飲み物を取りに行くセルフサービスの「ドリンクバー」も導入した。その後、都市型でメニューをハンバーグなどの定食中心にした「Sガスト」の展開も始めた。2005年9月に小僧寿し本部の大株主となって資本・業務提携を結び、翌06年5月に株式公開買い付け(TOB)により小僧寿し本部を連結子会社化した。
すかいらーくは東京証券取引所に上場していたが、06年に野村プリンシパル・ファイナンス、英国CVCキャピタルパートナーズの投資会社2社の出資を受け、株式取得額が2565億円と日本で最大となるMBOを実施。株式を非公開化し、創業者の1人の横川竟(きわむ)社長が主導して大掛かりな事業改革を進めることになった。経営再建した上で、09年の株式再上場を目指していた。
しかし、07年12月期連結決算の純損益は130億円の赤字(前期は111億円の赤字)と2年連続の純損失となった。売上高は前期比1・2%増の4017億円。少子化に加え、ガソリン価格高騰に伴って自動車での来店客減少、物価高を受けた節約志向も響き、業績の落ち込みが続いている。
「
社会をよみとくキーワード」の2007年3月12日号、ブログに翌13日掲載の「MBO」の「キーワードの解説」では、このようにご説明していた。
△すかいらーくの主力の洋食ファミリーレストラン「ガスト」の看板(宮城県で筆者撮影)
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主に株式を上場している会社の経営陣が、自分の会社の株式を買い取って経営権を取る企業の合併・買収(M&A)の手法。英語の「マネジメント・バイ・アウト」(Management Buy-Out)の頭文字を取っている。上場会社が実施する場合は、株式公開買い付け(TOB)を実施し、直近の株価の実勢価格を上回る買い付け価格で株式の大部分を買い集めることが多い。ほとんどの株式を買収すれば証券取引所の上場廃止基準に抵触するため、非上場会社になるのが一般的。
株主には業績向上による配当金増額や、株価の上昇といった短期的な株主還元を求める向きもある。MBOにより、新規事業の展開や大型投資など短期的には業績が悪化する施策にチャレンジし、中長期的な視点で経営できる利点がある。買収に経営陣のほか、会社の従業員も参加する場合は「マネジメント・エンプロイー・バイアウト」(MEBO、Management Employee Buy-Out)と呼ばれる。
主な事例としては、2005年に大手アパレルのワールド(神戸市)、大手飲料メーカーのポッカコーポレーション(名古屋市)がMBOを実施し、昨年はファミリーレストランなどを展開する外食大手のすかいらーく(東京)、コンビニエンスストアの「am/pm」や焼き肉チェーン「牛角」を手掛けるレックス・ホールディングス(東京)、半導体ウエハー大手の東芝セラミックスでMBOが成立。すかいらーくが全株式を取得した場合の買収金額は2718億円(筆者注:株式取得額は2565億円になった)と、国内で最大のMBOとなった。今年2月14日、ハブラシや歯磨きの大手企業、サンスター(大阪府高槻市)もMBOを実施すると発表した。
M&A仲介会社レコフの調査によると、2006年に国内であったMBOは80件と、05年の67件を大きく上回った。
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「キーワードの、その後」
すかいらーくの業績回復が遅れているのを受け、計97・2%の株式を握る野村プリンシパル・ファイナンス、英国CVCキャピタルパートナーズの投資会社2社は横川社長の退任を要求。すかいらーくは8月12日、臨時株主総会と取締役会を開いて横川社長を解任し、後任社長に生え抜きの谷真常務執行役員の昇格を決めた。報道によると、谷社長は就任後の記者会見で経営再建のために数百億円規模の増資が必要と説明し、9月下旬をめどに再建計画を策定することを明らかにした。
200―350店の不採算店の閉鎖や、小僧寿し本部といったグループ会社の売却、グループで500人程度の人員削減などが検討される見通し。また、谷社長は09年の株式再上場計画は「不可能」と語り、先送りする考えを示したという。
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