社会をよみとくキーワード

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新聞の文字拡大
[2008年05月20日(火) ]

 毎日新聞が昨年12月10日夕刊から文字の大きさを、従来より14%大きくした。新たな文字を「ジャンボ」の頭文字から「J字」と名付けて日刊紙で最大なのを売り物にした。併せて、1行の字数を11字から10字に減らした。1ページの段数は、15段を維持した。

 文字を従来より拡大する動きは他の全国紙と地方紙にも広がり、うち全国紙の読売新聞と朝日新聞が今年3月31日から、産経新聞も3月20日から、中部地方の有力ブロック紙の中日新聞も3月29日から大きな文字に切り替えた。全国の地方紙も、文字の拡大を3月から順次実施している。併せて朝日新聞や、長野県の地方紙の信濃毎日新聞などは1行当たりの文字数を11字から13字に増やしたが、信濃毎日新聞社は理由として「これ以上(10字以下に)文字数を減らすと、文字を追う目線の行替えが頻繁になり、かえって読みにくいという研究結果」があるためと説明している。

 背景には、日本の少子高齢化が進む中で、老眼鏡を使う高齢者の読者にも見やすい紙面にすることで購読者をつなぎ留める狙いがある。日本の65歳以上の高齢者人口は、昨年9月時点で人口のうち21・5%に達すると推計されており、今後も高齢者の比率が高まる。新聞は「特に中高年層に熱心な読者が多い」(地方紙幹部)だけに、高齢者の目にも優しい紙面が重要と判断したようだ。

 各新聞社のサイトなどによると、読売新聞は文字の大きさを従来より横に約7%、縦に約16%それぞれ大きくし、面積で約23%広くなった。名称は、100万倍の意味の「メガ」から「メガ文字」とした。前回に文字を大きくした2000年に1ページの段数を14段にしたのを、さらに12段に減らした。1行当たりの文字数は12字を保っている。

 朝日新聞は、従来の文字は縦の長さが横の77%という横長の扁平文字だったのを、横は変えずに縦を7%以上大きくして正方形に近づけた。1ページの段数は1951年から採用していた15段を12段に改め、以来57年ぶりの変更となった。12段にすることで、満員電車などで新聞を縦に2つ折りして読む場合に、折り目の部分の記事が読みづらいという難点が解消する。

△新聞社で、印刷された新聞を販売店向けなどに発送作業をする様子(新聞労連近畿地方連合会で京都新聞社を視察時に筆者撮影)

 地方紙のケースもすべてご紹介したいのが本音なのだが、本稿の行数の関係で一部にとどまるのを容赦いただきたい。ブロック紙では中日新聞は文字の縦、横とも従来より拡大し、面積を14%強広げた。併せて、行間も広げた。長野県の信濃毎日新聞は3月24日から、基本文字を従来より縦を6.4%、横を4.4%それぞれ広げ、面積は11.1%大きくなった。この新しい文字を「優」と命名。行間も8%広げ、1段当たりの行数は現在の75行から71行に減らすとともに、難しい地名や人名に振り仮名を付けるように配慮している。1ページの段数は15段から12段に変えた。ともに同じ3月24日から文字を拡大した神戸新聞は文字の横幅を従来より8%広げて「デカ文字」と名付けて行間も広げ、新潟日報は大型化した文字を「ワイド文字」と命名した。

 宮崎日日新聞(宮崎県)は3月25日から、記事の大半に使う基本文字を従来の約1・1倍にし、文字の線もやや厚みを増して「M文字」と名付けた。文字の拡大は2001年4月以来、約7年ぶりで、「M文字」の「M」には宮崎日日新聞の頭文字と、読者のニーズに的確にマッチ(Match)した情報(=メッセージ、Message)を伝えたいとの意味を込めたという。1ページの段数を15段から12段に変更し、1行は11字から13字に増やした。1段の行数も従来の75行から73行に減らした。鹿児島県の南日本新聞社は3月31日から1面と社会面、第2社会面を対象に文字を拡大し、文字の縦を約9%、横を約3%それぞれ広げ、面積は約12%拡大した。名称の「V字」はバイタリティーや、鹿児島県の象徴である桜島などの火山(ボルケーノ)の頭文字の「V」の意味を込めた。1段の行数は11字から10字に変わった。ほかの面も順次大きな文字に切り替えていくという。

 栃木県の県紙「下野(しもつけ)新聞」は創刊130周年に合わせて4月1日から、文字の縦を10%、横を6%それぞれ広げ、面積は16%大きくなった。1行の文字数は11字から10字に変えた。名称は「下野O(オー)文字」で、当初は1面と社会面、各地面、テレビ面の解説欄などを切り替え、その後は総合面や経済面などにも順次広げる。沖縄県の琉球新報は、3月17日から1―3面と社会面、第2社会面を対象に、文字の面積を約16%大きくした。1ページの段数を15段から12段に減らし、1行の文字数は11字から12字に増やした。

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