ニコチン依存症の喫煙者向けに、製薬世界最大手の米国ファイザーが開発した錠剤タイプの禁煙補助薬。厚生労働省の製造販売承認を取得し、日本初の飲む禁煙補助薬として5月8日に発売された。使うには医師の処方を受けるのが必要な医療用医薬品で、保険適用される。
欧州では同じ名称の「チャンピックス」として、米国では「チャンティックス」の名称で2006年に発売され、既に60カ国以上で承認されている。たばこは肺がんなどの原因になって健康を損なう恐れがあり、周囲の人も吸入してしまう受動喫煙のリスクをもたらすだけに、公共の場所などで禁煙化の動きが急速に広がっている。国は、国民向けの健康づくり運動「健康日本21」で「国民全体として『たばこによる健康被害の低減』を達成するため、これら禁煙希望者に対する禁煙支援を積極的に推進していくことは重要かつ効果的」と指摘しており、たばこをやめようと試みる喫煙者の間でチャンピックスは服用で禁煙を目指せる新しい方法として注目を浴びている。
従来の禁煙補助薬には、口の中でかむ禁煙ガムや、張り薬の禁煙パッチがあったが、それらはたばこの代わりにニコチンを補充することで禁煙に伴ういらいらや、集中できないといった離脱症状を軽減する。これに対し、チャンピックスはニコチンを含んでおらず、脳内のニコチン依存をもたらす受容体に作用することで部分的に刺激し、少量のドーパミンを放出させることで離脱症状やたばこへの切望感を軽減するという。また、チャンピックすは受容体にニコチンが結合するのを阻害するため、服用中に再び喫煙した場合は喫煙による満足感を抑えるという。
△日本でも発売されたチャンピックス錠(ファイザー提供)
錠剤は0・5ミリグラム、1ミリグラムの2種類がある。服用機間は12週間としており、通常は3日目までは0・5ミリグラムの錠剤を1日1回、4―7日目は朝食後と夕食後の1日に2回、8日目以降は1ミリグラムの錠剤を1日に2回それぞれ服用する。
米ファイザーの日本法人、ファイザー(東京)はチャンピックス錠の発売に合わせ、今年5月31日の「世界禁煙デー」から全社員を対象に勤務時間中は禁煙とする。今年4―10月末に医療機関で禁煙治療を終えた社員には一律5000円支給するが、治療方法はチャンピックス錠の服用に限定しないという。また、会社規定の昼食時や休憩などの一斉休憩時間は禁煙の対象から除くが、家族らへの影響を考慮して就業時間外も含めた禁煙を勧める。岩崎博充社長は「社員には勤務時間中のほか、昼休みや自宅も含めて自主的に禁煙してほしい」と話している。
厚生労働省の調査によると、男性の喫煙率は年々減っており2005年は前年比4・0ポイント低下の39・3%と、1986年の調査開始後で初めて4割を下回った。女性の喫煙率は横ばいで推移しており、05年は前年より0・7ポイント低下の11・3%。男性は86年の59・7%から20ポイント強も低下したが、女性は86年の8・6%から逆に増加している。
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