社会をよみとくキーワード

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HD DVD
[2008年03月18日(火) ]

 画質が優れた映像を長時間録画できる高性能光ディスク「次世代DVD」の規格の1つ。電機大手の東芝とNECが共同開発し、従来のDVDと構造が似ているため低価格化できるのが利点だった。これに対し、同業のソニーや松下電器産業、シャープなどは、「HD DVD」よりも記憶容量が大きい次世代DVDの規格「ブルーレイディスク」を推進している。2つの方式は互換性がないため、映画などのソフトや、録画再生用のディスクは対応する規格でなければ使えない。従来のDVDディスクは、どちらの規格でも再生できる。

 東芝は2月19日、「HD DVD」規格の次世代DVD事業から撤退し、録画再生機と再生専用機の開発、生産を中止し、販売も打ち切ると発表した。東芝は「HD DVD」の録画再生機と再生専用機を国内で7機種、計約3万台、再生専用機を欧米を中心に全世界で約70万台をこれまでに販売していたが、発売からわずか約2年間で幕切れを迎えた。また、オンキヨーも2月20日に、昨年11月から海外で販売していた「HD DVD」の再生専用機1機種の販売を終了すると公表した。米国や欧州を中心に約2000台販売していた。両社は、修理のために部品を一定期間保存するなどの措置を取る。

 かつてビデオテープレコーダーも、日本ビクターが中心となって開発した「VHS」と、ソニーが推進する「ベータマックス」の2つの方式が並立していて激突。その結果、ベータマックスが敗退したが、次世代DVDでもメーカーの主導権争いに購入者が翻弄されることになった。
 次世代DVDの一大市場の米国では、主に再生専用機を購入し、映画などのソフトを購入して楽しむ消費者が多い。米国の映画配給会社の多くがブルーレイを採用し、映画ソフトの販売でもブルーレイが「HD DVD」を大きく上回っていたという。今年になると、米映画配給会社のワーナー・ブラザーズが1月初めに「HD DVD」から離脱することを表明し、小売業世界最大手の米ウォルマート・ストアーズもブルーレイだけを扱うことを決断するなど“HD DVD離れ”が一気に進んだ。東芝の西田厚聰社長は記者会見で、撤退理由について「ワーナーなき後を考えると、競争の観点からも、もはや勝ち目がないと判断した」と説明した。

 今後は「HD DVD」規格だけを採用していた米パラマウント・ピクチャーズなどの映画配給会社もブルーレイに乗り換える見通し。

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