茨城県のローカル私鉄で、JR常磐線と接続する石岡(石岡市)―鉾田(鉾田市)間の27・2キロを結んでいたが今年3月31日で廃止された。茨城県南部に路線網を持つ関東鉄道(茨城県土浦市)の子会社で、登記上の本店は土浦市、実質的な本社は石岡市。
電化していないためディーゼル車両が走り、1936年製の旧日本国有鉄道(現JR)の車両を大幅に改造した「キハ600形」、ともに2枚窓のすっきりした前面形状が特色の53年製の「キハ714形」、57年に造られた「キハ430形」はいずれも希少価値の高い旧型車両のため中高年層や鉄道ファンの人気が高い。経営不振が続いていたため鹿島鉄道は昨年3月に国土交通省関東運輸局に事業の廃止を届け、事業を引き継ぐ公募でも適当な引受先はなかったため、昨年12月に廃止が確定した。
鹿島鉄道によると、前身の鹿島参宮鉄道は22年9月に設立され、24年6月に石岡―常陸小川間(7・1キロ)が開通して営業開始後、29年5月に鉾田まで全線開通した。また、バスの路線開設や相次ぐ会社買収で経営規模を拡大した。59年11月に大手私鉄の京成電鉄グループの傘下になった後、65年6月に京成電鉄グループの常総筑波鉄道と合併して「関東鉄道鉾田線」となった。
△鹿島鉄道が走らせていた年代物のディーゼル車両「キハ430形」(昨年12月、石岡駅で筆者撮影)
79年4月に鹿島鉄道として分社化して駅の無人化や業務委託、ワンマン化といった合理化策を進めたが、乗客数は減少が続いて2005年度は55万6000人と、ピークだった60年代の2割弱まで落ち込んだ。さらに航空自衛隊百里基地(茨城県小美玉市)への航空燃料輸送を請け負っていたのがトラック輸送への切り替えで01年に打ち切られ、経営危機を迎えた。存続のため茨城県と沿線自治体が02年度から06年度までに計約2億円、親会社の関東鉄道が計約3億円の支援に踏み切った。
しかし、秋葉原(東京)とつくば(茨城県つくば市)の間を走る首都圏新都市鉄道(東京)の「つくばエクスプレス」(TX)が05年8月に開業し、競合する関東鉄道は業績悪化により07年度以降の支援打ち切りを決定。沿線の住民や学校などが存続を求めていたものの、経営不振にあえぐ鹿島鉄道の廃止決定は覆らなかった。廃止後の今年4月1日以降は関東鉄道のグループ会社の関鉄グリーンバス(石岡市)が代替バスを走らせているが、石岡―鉾田間の運行本数は減便になった。
同じく今年3月31日をもって、宮城県の石越(登米市)と細倉マインパーク(栗原市)の25・7キロを結ぶローカル私鉄、くりはら田園鉄道も乗客数低迷が続いて廃止になっている。
〜標題のキーワードに関する「筆者の見解」は、
Z会の人気メルマガ「
社会をよみとくキーワード」で好評配信中!毎週月曜日配信のメールマガジン「
社会をよみとくキーワード」は、祝日を休刊日にしているため、4月30日はお休みしました。今回のキーワードは今年2月19日に配信した内容を一部更新し、お届けしました。〜