JR東日本とJR西日本は2011年12月16日、大阪―青森間を1日1往復する寝台特急「日本海」と、大阪―新潟間を1日1往復走らせている寝台急行「きたぐに」を12年3月17日のダイヤ改正で定期列車としての運用を終えると発表した。それぞれ3月16日夜に出発する列車が最後の定期列車となる。
夜間高速バスや航空機との価格競争激化などにより利用客が減った上、車両の老朽化が進んだのが理由。ともに年末年始などの繁忙期に臨時列車として走る予定。ただ、登場から半世紀以上がたち大勢の利用客に親しまれた伝統的な列車だけに、利用客や鉄道愛好家らの間で残念がる声が広がっている。
「日本海」は電気機関車が青い車体の寝台列車をけん引するブルートレイン(※1)で、大阪駅を発着する定期列車はこれで消滅する。「きたぐに」に使っている寝台電車583系は旧日本国有鉄道時代の1968年の登場以来、40年余りにわたって活躍してきた。高度経済成長期は座席部分を変えることにより、昼間に走る列車にも、夜行列車にも使うことができる“1人2役”の設計思想が生きた。
しかし、夜行列車の消滅とともに用いられる場面は限られ、近年は「きたぐに」が定期列車として乗ることができる“最後の砦”となっていた。「きたぐに」の定期運用終了に伴い、定期的に走る夜行急行は「はまなす」(青森―札幌間)だけとなる。ただ、15年度に北海道新幹線の新青森(青森市)―新函館(北海道北斗市)間が開業して東北新幹線と直通運転するのに伴って廃止になる恐れが出ている。
私は「社会をよみとくキーワード」の11年の年明け号となった「北陸・能登」(※2)の「キーワードの解説」で取材結果に基づき、「日本海」と「きたぐに」の定期運転取りやめの可能性をこのように予想していた。「『日本海』も既に廃止が検討されていることが判明しており、廃止または区間短縮、定期運転の取りやめの可能性がありそうだ。一方、(2011年3月の)『能登』の廃止に伴い、夜行急行の定期運転は『はまなす』(青森―札幌間)、『きたぐに』(大阪―新潟間)の2列車だけとなる。ともに車両の老朽化と今後の新幹線延伸の影響もあり、先行きは厳しい」
「日本海」は大阪―青森間の夜行急行の名称として1950年に登場し、68年に寝台特急となった。61年に金沢―新潟間で運転を始めた急行「きたぐに」は、かつて客車列車として運行していた。一時は大阪―青森間で運行されるようになり、72年11月に北陸線の北陸トンネル(福井県、約13.8キロ)を走行中に食堂車から火災が発生し、30人が亡くなる大惨事になった。上越新幹線が開業した82年から現在の大阪―新潟間を結ぶようになり、85年から583系が使用されている。
○「社会をよみとくキーワード」の参照○
※1:ブルートレイン
メールマガジン2008年3月3日号参照。翌日のブログ掲載の解説部分は、
http://www.zkaiblog.com/zkai04/1126
※2:北陸・能登
メールマガジン2011年1月18日号参照。翌日のブログ掲載の解説部分は、
http://www.zkaiblog.com/zkai04/25659
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