その年の世相を1つの漢字で表す2008年の「今年の漢字」に「変」が選ばれ、「漢字の日」の今年12月12日に京都市の清水寺で森清範貫主が縦1・5メートル、横1・3メートルの和紙に揮毫した。「今年の漢字」は日本漢字能力検定協会(京都市)が1995年から毎年公募しており、今年も11月1日から12月5日までの間に公募。その結果、11万1208通の応募があり、「変」が応募者のうち5・42%に当たる6031票に達して首位となった。
日本漢字能力検定協会は、応募者が「変」を選んだ理由として、福田康夫前首相が就任後1年間で辞任して麻生太郎内閣(メールマガジン「社会をよみとくキーワード」08年10月6日号、翌7日のブログ参照)が就任し、米国の次期大統領に「チェンジ」(変革)を掲げたバラク・オバマ氏(メールマガジン「社会をよみとくキーワード」08年12月2日号、翌3日のブログ参照)が選出されたことを挙げている。また、米国のサブプライムローン問題を発端とする世界的な金融危機(メールマガジン「社会をよみとくキーワード」08年11月17日号、翌18日のブログ参照)と為替の円高傾向、物価が上昇して生活が苦しい方向に変わったことなどを例示した。
2位は「金」が3211票(2・89%)。金融危機のほか、北京五輪(メールマガジン「社会をよみとくキーワード」08年9月29日号、翌30日のブログ参照)で日本人選手は9個の金メダルをもたらし、中でも競泳男子平泳ぎで史上初の2大会連続2冠を獲得した北島康介選手や、日本のチーム競技で32年ぶりの金メダルに輝いた女子ソフトボールは国民を沸かせた。また、2008年のノーベル賞の物理学賞を高エネルギー加速器研究機構の小林誠名誉教授と京都産業大学の益川敏英教授、米シカゴ大学の南部陽一郎名誉教授、化学賞を米ボストン大学の下村脩名誉教授と日本人4人(うち南部氏は米国籍)が受賞し、子どもの化学離れが指摘される中で明るいニュースとなった。
3位は株価暴落、中国製冷凍ギョーザ中毒事件(メールマガジン「社会をよみとくキーワード」08年3月10日号、翌11日のブログ参照)などの食品をめぐる不祥事、王子製紙や日本製紙、大王製紙などの製紙会社による再生紙(メールマガジン「社会をよみとくキーワード」08年2月4日号、翌5日のブログ参照)の古紙配合率偽装問題といった企業倫理の落ち込みを象徴する「落」が3158票(2・84%)、4位は食品価格高騰なども含めた「食」が2906票(2・61%)、5位は政治や金融などの混乱を物語る「乱」が2321票(2・09%)。
一方、年間の世相を反映した新語・流行語と、その言葉にかかわった人物や団体に贈るコンテスト「2008年ユーキャン新語・流行語大賞」が12月1日に発表され、年間大賞にお笑いタレントのエド・はるみさんが親指を立てて言うギャグ「グ~!」と、TBS系列で放送された女優天海祐希さん主演のテレビドラマ『Around40』から広まった40歳前後の主に女性を指す「アラフォー」が選ばれた。
ブログ「社会をよみとくキーワード」の記事別アクセス数で、08年に最も多かったのは「新聞発行部数」(メールマガジン08年2月25日号、翌26日のブログ参照)。これは「Yahoo!ニュース」が、大阪府の橋下徹知事が「口ばっかりで、人の悪口ばっかり言っているような朝日新聞のような大人が増えれば、日本はだめになる」と発言したことを紹介した10月19日記事の参考記事として「社会をよみとくキーワード」の「新聞発行部数」を紹介し、読者からのアクセスが急増したのが大きな要因。さらに、若者の新聞離れやインターネット普及を受け、新聞の動向に関心を持つ向きも多いようだ。
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