漁業に使えそうな生殖細胞の異種間移植 の話です。
★東京海洋大学の准教授、吉崎悟朗氏は、孵化したばかりのヤマメの稚魚の腹腔にニジマスだけを生産させることに成功しました。
生殖細胞の異種間移植による代理親魚生殖技術の確立
生殖技術の進歩はすごいですね。
使用したヤマメは、三倍体で、自分の子孫は残せないものです。
その発生中の稚魚に、ニジマスの始源生殖細胞を移植する。
すると、そのヤマメは、成魚になってから、ニジマスの子孫を残すというわけです。
なんかもう、生命をもてあそんでいるという感もありますが、
大型魚の卵を小型魚に生ませることができれば、容易に稚魚を
得ることができます。
最大種のタイセイヨウクロマグロは全長4.5m、体重680kgを超えるそうですが
サバから採卵できれば、水槽のスペースも、コストも大幅に削減できます。
ところで、、
この技術ですが、生物のある性質を使っています。
それは、胚の腹腔内にある始源生殖細胞は、発生中の生殖腺(器官)へ移動していくということです。
始源生殖細胞が生殖器官にたどり着くと、精巣(雄の場合)または、
卵巣(雌の場合)に分化していきます。
これは、生物学の基本ですが、センター試験には(たぶん)でません。(笑)
ただし、医学系への編入を考えているなら、常識として知っておいたほうが
よいでしょう。(大学では当然習います。)
この技術では、生物のこの性質を利用しています。つまり腹腔内に注射した始源生殖細胞は、自力で移動して宿主の生殖器官に入っていきます。
さらに、精子の元になる精源細胞でも、始源生殖細胞の代わりになるそうです。
通常は精源細胞は精巣にあって精子を作っているのですが、
卵巣に入ると卵を作ることがわかりました。
これも、取得が比較的容易な精源細胞を利用できれば、手間やコストの点で
有利です。
教科書を書き換える必要がありますね。
といっても、あまりにも特殊(自然界ではありえない)話なので
載らないかもしれませんが。
もちろん、一般的には次にようになります。
始源生殖細胞は生殖腺に入ると精源細胞または卵源細胞に分化する。
以降は次のように分化していきます。
(雄)精源細胞 → 一次精母細胞 → 二次精母細胞 → 精細胞 → 精子
(雌)卵源細胞 → 一次卵母細胞 → 二次卵母細胞 → 卵