2008.05.30 17:57

 イベント制作費の18万円をねん出するために、次の方法を複数同時に採用すると、それほど無理なくイベントを開催することができるかもしれません。

●地元の大学(高校)・学部・研究室・自治体行政の予算からの助成金申請

●イベントの入場料(※一般市民の来場も呼びかければ、千円で100人なら10万円)

●地元企業(青年会議所など)からの寄付金やスポンサード(※広報チラシに1社数万円で広告掲載)

●ゲストの講演録を有料冊子あるいはshare300.comのような有料ダウンロードサイトで電子ブックとして後日に期間限定販売(※あらかじめゲストに承諾しておけばOK)

●教授・先生のポケットマネー(※赤字になった時の担保程度にお願いする)


 また、地元の本屋さんにも、「●●の学生が読んでいる本ベスト10」とかを学内アンケートをとって提供し、2万円くらいのアルバイト代をもらえるようにお願いしてみるのも手です。

 地元企業も巻き込んで、学生ニーズを掘り起こすマーケティングをして、その結果資料を企業に売ったり、どんなアンケートがほしいのかを企業からヒアリングして、イベント事業の経費を作れるようなアクションをおこしてみても面白いと思います。

 こういう実務経験は、就職や進学の際に必ず役立ちます。
 だから、●●の学生1000人アンケートなど、伝説になるようなアクションをおこしてみると学園生活が面白くなるかもしれません。

 そういう事業が軌道に乗ったら、浮いた金でどんどん東京の面白い人材をあなたの地元に呼ぶといいでしょう。

 あとは、広報活動を大学内のタダコピーを使い、会場を学内の教室を借りれば、あとは先生を口説いたり、いろんな大人に知恵を借りれば、どんな地方の学校でも社会起業を考えるイベントはできると思うのです。

 同じタイトルのイベントの「●●大学(高校)版」として、やってみませんか?
 まずは、興味のありそうな学生たちを集めてみましょう!

 そして、社会の先生や、地元の大学で社会福祉や経営学、社会学などを教えている教授の中で、「社会起業」を知っている先生を探してみましょう。

 なお、社会起業に関するリンクの資料として、下記を挙げておきます。

◎ソーシャルベンチャー ~もっといい世の中を作ろう!
http://gogo-socialventure.blogspot.com/

◎東大自主ゼミ・ダイジェスト(仮) ※社会起業について
http://www.zkaiblog.com/so03/archive/26

 下記は、『社会起業家に学べ!』(アスキー新書※6月11日発売)で紹介されている全国の社会起業家の団体です。


【地域再生】
旅館・吉田屋(島根)/地域維新グループ(山口)/LET'Sきさらづ(千葉・木更津)

【キャリア支援】
Eyes(愛媛)/NPOカタリバ(東京)/キャリナビ(東京)/こども盆栽(大阪)

【ワークライフ・バランス】
ファザーリング・ジャパン(東京)/モーハウス(茨城・つくば)

【農業再生】
シックス・プロデュース(島根)/みやじ豚(神奈川)

【在日外国人支援】
座游(東京)/インターナショクナル(大阪)

【途上国支援】
マザーハウス(東京)/かものはしプロジェクト(東京)

【環境保護】
エコモット(札幌)/エコトワザ(東京)/グリーンズ(東京)/音力発電(神奈川)/リコリタ(東京)

【NPO/NGO支援】
ユナイテッドピープル(神奈川)

 興味があったらググッてみて、尊敬できる社会起業家がいたら、イベントに呼んでみましょう。

 そういうアクションを少しでも起こしてみると、それをきっかけにもっともっと自分にできることがあると気付きます。

 これまで東大での自主ゼミの講義録をこのブログにアップしてきましたが、それらからインプットした知恵を、今度は自分のアクションとしてアウトプットしてほしいのです。

(つづく)


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2008.05.23 17:55

 もちろん、誰もが社会起業家になれるわけではないし、実際になるわけでもありません。

 しかし、政治や行政、既存の企業が解決できない社会問題が増えてしまった今日では、社会起業家に期待されることは極めて大きいのです。

 他人事のように社会起業家に期待ばかりしていても、世の中は変わりません。
 むしろ、社会起業家たちを無理なく支援できる方法を考えることも必要でしょう。

 それは、たとえば、自分の仕事柄、よその会社に発注している仕事を社会起業家に発注することかもしれませんし、彼らのホームページにあるブログパーツを自分のブログに貼り付けることかもしれません。

 あるいは、社会起業家の集まる勉強会などのイベント案内サイトへのリンクをいろんなサイトに貼り付けて告知を陰ながら支援することかもしれないし、何か手ごたえのある仕事がしたくてウズウズしてる友人をイベントに誘うことかもしれないし、校内放送を通じて僕の本に書かれた社会起業家の物語を全校生徒に読み聞かせることかもしれません。

 他にも、社会起業家の売るフェアトレード商品を自分の経営する店で売ってあげたり、近隣に社会起業家がいれば、欲しいものを尋ねて中古の事務机を提供してあげることかもしれません。

 そういう一つ一つのささやかなアクションこそ、この世界をもっと良いものにしていくために積み重ねられるべきことでしょうし、「良いことをする」気持ち良さにつながるものだと思います。

 政治や行政に文句ばかり言って、デモ行進や集会を続けていても、ただ貧乏になるばかりですし、そもそもデモで社会が根本的に変革された歴史は少なくともこの国にはありません。

 時代の節目には、社会起業家のような変革者が必要です。

 こうした変革者たちを多くの市民がボランティア精神で支えることで、いつの時代も歴史は重い扉を開けてきたのです。

 2ちゃんねるに毒を吐いているヒマがあるなら、アクションを起こしましょう。
 何よりも自分のために。

 実際、学校や教科書で教わる知識は「納得」を生みますが、実学や個人の経験に基づいた知恵は「行動」を生みます。

 知識は現状肯定を導きやすいですが、知恵は現状を打破するイノベーション(新たな社会的価値の創造)を目覚めさせるのです。

 僕自身も、東大での自主ゼミが終わり、今季(2008年春以後)に新しいゼミを始めるかどうか、これを書いている5月6日時点ではまったくの白紙ですが、「社会起業」についてもっと多くの学生や一般市民に知ってほしい気持ちがあります。
 
 そこで、現実に社会起業をしている人たちと一緒にシンポジウムをやったり、聴衆からインターンを募ったり、インターンでなくても学生に具体的に協力してほしいことを各代表からプレゼンしてもらったり、資料を聴衆に配布したり、アンケートをとったり、社会起業を少しでも普及させる具体的なアクションとしてのイベントを、首都圏の大学の講堂を借りて手掛けてみたいと思います。

 既に社会起業に関する勉強を始めているサークルも首都圏にはいっぱいあるので、僕から声を直接かけ、大学生を中心とした学校の枠を超えた連携になるようなアクションに育ってほしいと考えています。

 学生や若者たちを組織し、イベントをおこない、その方法を広報することで、同様のイベントを全国各地のほかの学校でも連続的に手掛けられるような仕組みを作るきっかけにしてみたいのです。

 だから、「6月中旬にイベントをやる」と、とりあえず〆切を決めて、中心スタッフとして活動してみたい人材を広く募集することにしました。

 全国共通のイベントタイトルは、「社会起業家に学べ! 学生サミット2008」(仮)。
 僕自身はあくまでも発起人の一人として、あとは全国各地の大学生有志にまかせたいと思っています。

 全国で同時多発的に社会起業家を招いてのイベントが起こり始めたら、面白いと思いませんか?

 そこで、僕はイベントの開催について不安がる学生たちからの相談に乗ると決めたのです。

 共通のイベントブログもそのうち作る予定ですし、そこで「全国社会起業・学生ネットワーク」をオンライン上で組織し、収支やビジネス、シュウカツのことまで情報交換できる場所を作ってしまおうと思います。

 イベントを広報する経費も、みんなでやれば同じフォーマットのデザインで経費が浮いたり、マスコミの取材もブッキングしやすくなります。

 もちろん、学生中心とはいえ、社会人や高校生も仲間に入れて、みんなで作り上げてみたいです。

 たった1日のイベントなら、きっと未経験者でもできると思うのです。
 できることから、やってみようと。

 東京ででかい1発イベントをやったら、全国各地に同じタイトルのイベントを地元の大学生中心で開催してほしいです。

 首都圏でなくもできると思うのです。

 どんなに東京から遠い学校でも、最寄りの都市部から社会起業家のゲスト1名を呼ぶのに往復交通費3万円ほどでしょう。

 つまり、ゲスト3人でも9万円程度。

 これにギャラを1人分3万円程度と考えて9万円+9万円(交通費)=18万円程度をゲスト人件費とし、この金額を賄うための方法を考えればいいのです。

 では、どうすればいいのでしょうか?

(つづく)

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2008.05.16 17:53

 しかし、「報道の公共性」や「中立性としての客観報道」を隠れ蓑にして、結局は「べき」論に終始する議論ばかりを投げかけるのが仕事だという時代は終わりつつあります。

 だからといって、既存のメディアがそっくりインターネットにとって代わることはありません。

 なぜなら、ネットで読めるニュースの多くは既存メディアによる取材に依存しており、ネットだけで膨大な取材コストを賄えるビジネスモデルはまだ開発されていないからです。

 僕の仕事は、社会起業家に関するコンテンツをこうしたメディアの中に増やしていくことで社会起業家を志す若者やその支援者を増やし、「問題提起型」の報道から「解決方法(ソルーション)発信型」へとメディアのあり方を変えていくことです。

 もっとも、体力を余らせている若い世代をけしかけるほうが、同時多発的に新しい社会起業家を急速に増やすことになります。

 だから東京大学の駒場キャンパスで学生自治会の承認による自主ゼミの講師を務めたんです。

 そもそもは東大生たちからのオファーによるものだったのですが、東大生以外の人も受講できるようにしました。

 mixiで「Conゼミ@東大」のコミュを立て、受講希望者を募ると、他の大学に通う学生から女子高生、主婦、50代のおじさんまで集まったんです。

 このブログで書いたとおり、前期ではふだんの暮らしでは目に入らない社会問題の当事者を招いて話してもらいました。

 ユニークフェイスという顔に傷のある人、レズビアン、ニートから起業した人…。マイノリティで弱者だからマスメディアになかなか紹介されない存在だからこそ、学生には「この人と自分との接点を探せ」と言いました。

 相手の立場を想像したり、共感したりする力をつけることで、自分が社会の中で何を問題として認知するのかという感性を養った後、後期では社会起業の担い手をゲスト講師に招いたのです。

 ゲスト講師に来てくださった社会起業家のみなさんは、「コトバノアトリエ」の山本繁さん、「WWBジャパン」の奥谷京子さん、「座游」の川田さん、「モーハウス」の光畑由佳さん、「ファザーリングジャパン」の安藤さん、「ユナイテッド・ピープル」の関根さん、「吉田屋」の山根多恵さん、「市民バンク」の片岡勝さん、「LET’Sきさらづ」の筒井啓介さん、「音力発電」の速水浩平さんなど。

 受講生たちは、毎週彼らの講義を無料で受けられたのです。

 大学生たちからは「通常の授業や他のゼミより面白い」と好評を得ましたが、1コマ1万円しか自治会から予算が出ないため、ゲストの方々に謝礼として1万円を払ったんですね。

 これで僕自身のギャラは出ませんが、毎度、講義内容をビデオカメラで録画し、書籍のような執筆仕事に講義内容を移すことでよしとしました。

 それが、6月11日に発売される『社会起業家に学べ!』(アスキー新書)です。

 この自主ゼミは単年度で終わるため、存続を望む受講者たちの声に押されて、僕は12月上旬に東大総長の小宮山氏にメールを出しました。

 当局公認ゼミでは、1コマ3万円が支給されるものの、東大生しか受講できません。
 それでは、社会人と触れ合いながら社会起業を学びたい学生にとっては損です。
 どうせならゼミ講義内容の動画もインターネットで公開したい。

 そこで、ゼミの運営コストを受講生たちと僕が一緒に事業を興すことで賄う実践型ゼミの企画書を書いて東大総長にメールで送り、「とりあえず会って話をさせてほしい」と申し出たのです。

 東大には「学生アントレプレナー道場」という学生ベンチャー支援の授業もありましたが、「企業とは何か」という話で1コマが終わる一方的な講義スタイルで、僕らがやりたいゼミとは違っていました。

 社会起業家の方々の実体験に触発されるほうが学生たちの関心度を高められるし、東大生以外も参加できるなら、親がいなくて学費が払えず、職業選択の自由がない子でも参加できます。

 東大に一銭の負担もかけないこの新しいゼミのプランを総長と理事会がどう評価してくれるのか、受講希望者たちと一緒にワクワクしながら返事を待っていると、翌08年2月になって「自主ゼミをソーシャルベンチャーに展開させることには、今のところ、こちらで検討が必要と考えています」という事実上の却下の返事がメールで届きました。

 すべてのやりとりは総長秘書によるメールと電話で済まされ、総長自身の声を聞くこともなければ、僕やゼミ責任者との話し合いのテーブルに着くことさえ検討されませんでした。

 総長に送った企画書には、受講生1人あたり1年間で10万円程度(=月あたり1万円以下)を稼ぎ出せばゼミが運営できるというビジネスモデルを書いたのですが、「検討が必要」な額面でしょうか?

 2000年4月から山口大学で「ベンチャー論」を教え始めた片岡勝さん(※日本の社会起業家の草分け的存在)は、同大学の広中平祐学長に会った際、こう言ったといいます。

「これからの大学は地域問題の解決に知恵を出しあい、実践していく実行力を持たなくてはならない、机上の空論ばかり教えていたり、卒業証書だけを発行している大学は存在意味がないから淘汰される」(町田洋次・著『社会起業家』より)

 この言葉を広中学長は即座に理解し、商店街にある店で講義を開くことを許可し、大学生には単位を与え、学生以外の受講生も歓迎しました。

 先見の明、ここにあり。

(つづく)
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2008.05.09 17:48

 2007年春から2008年1月末まで開講してきた東大自主ゼミ「自分を知るための当事者学」は、下半期では社会起業家に重点を置き、社会起業の担い手をゲストに毎週招いて、ゼミ最終日にはレギュラー受講生を2班に分けて発表を行いました。

 社会起業とは、社会問題を解決するためのビジネスを開発し、働きながら問題解決を進めることに存在意義があるわけですから、それぞれ取り組みたい課題を設けたわけです。

 男子学生の多い班は、人手不足の地方の農家に都市部のワーキングプア層の若者を派遣することはできないかと考え、実際に農作業の現場を視察し、その作業の様子をビデオに収め、YouTubeのような動画共有サイトにアップしました。

 また、ワーキングプア層の若者の当事者たちにヒアリングするために、深夜の公園でホームレスに声をかけたり、ネット喫茶で長時間滞在してそうな「ネットカフェ難民」を探すなど、「ワーキングプア層は仕事がほしいはずだ」という自分たちの立てた仮説を実証しようと務めました。

 こうして実際にリサーチに動いてみると、農作業の現場は意外に軽作業だとわかったものの、ワーキングプア層の若者は農作業の現場にあまり興味を示せず、仕事があるとわかっただけでは一人では決して農作業へ赴かないというところまではわかってきたのです。

 一方、女子学生の多かった班では、「痴漢撲滅キャンペーン」と称し、通勤・通学で利用する電車内での痴漢を減らすために、どんな工夫が必要で、そのための活動経費をどう作るのかについて発表を行いました。

 いずれの班の活動もその後から展開が進んではいませんが、大事なのは目の前にある見過ごせない社会問題を行政や政治に解決を任せているばかりではなく、自分の力で解決するためにビジネスモデルを開発していくという発想とノウハウを学ぶことだろうと思います。

 僕自身、長年働いてきたマスメディア業界(新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど)にも、解決すべき問題が少なからず横たわっていることを痛感しています。

 多くの人に影響を与え、世の中の「空気」さえ変えかねないマスメディアを担う企業こそCSR(企業の社会的責任)について最も敏感になってほしい業界です。

 しかし、現実は、他社・他分野のメディアを責め落しても、自社のコンテンツの質については吟味が行き届いているとは言えませんし、インターネットと既存メディアを有機的に活かしている段階でもないんですね。

 そして、何よりも、「問題提起型」の報道が支配的であるために、社会問題の多さによる無関心さえ国民に刷り込ませてしまった感があります。

 現実には、それぞれの社会問題に対してその解決に取り組んでいる人たちが少なからずいて、解決方法を次々に開発しています。

 それこそが今を生き、明日も生きる僕らにとって勇気と希望を与えるのに、日本のマスメディア業界は「社会問題の解決は政治家や役人に任せておけ」という風潮が支配的だった時代の報道のあり方をいまだに引きずっているのです。

 だから、問題に対して議論はしても、問題の当事者の立場に身を置いて解決策を提示するという感覚そのものが薄いんですね。

 ドキュメント映画『靖国』の上映拒否問題が、いい例でしょう。

 新聞各紙は、「これは言論の自由の危機だ」「映画を見てから論議せよ」などと社説で書きました。

 でも、各社が保有している多目的ホールで試写会を開くようなアクションは起こさないんですよねぇ。

 上映を自粛した他の映画館と同様に、自社のホール前に右翼の街宣車が来るのが面倒だからだろうし、新聞社が保有しているホールも商業施設だから、コストに見合わない上映はしたくないというのが本音でしょう。

 三つ目の理由として、社として有言不実行でも、自分がコントロールできるマスメディアでは叩かれることはないし、他社の部数の多い雑誌社もホールを持っている手前、叩かれることがないからだともいえると思います。

 結局、マスメディアには、組織の内側から変革できるだけの自浄作用はないんです。

 というか、そもそも社内変革をしたい気持ちが起こりえないほど、そこに正社員として働いている人たちは高給取りなんですね。

 ちなみに、フジテレビの平均年収は1574万円(従業員数1384人、平均年齢39.7歳)で、日本人全体の平均年収437万円(2005年度4,494万人※国税庁民間給与の実態調査結果より)の3倍以上。

 言わば、札束に横っ面を張り倒されながら仕事をしているわけです。

 そういう人たちに、「会社員である前に市民だし、市民である前に個人としての人間だ。その個人としてのプライドとして、問題提起型の報道に終始してていいのか?」と詰め寄ったところで、蛙の面に小便でしょう。

 「どうせうちの会社を飛び出しても、お前一人じゃこんな金、つかめないだろ。その暮らしを維持したいなら、お前も波風立てずにおとなしくいい子にしてろ」というわけ。

 働けど働けど年収300万円に満たないワーキングプア層のネットカフェ難民の報道をしていても、結局は他人事だから解決策に取り組む人たちまでは取材しないのも当然。

 公益に敏感な人材に優秀な人が多いと気付いたアメリカ企業の波は、遅かれ早かれ、日本にも来るでしょう。

 その時に、自社の利益や自分の収入にしか目のない人間を集めている組織は、やがて自滅していくと思います。

 政治や行政、既存の企業の力では解決できない問題に社会起業家は取り組んできたけれど、第4の権力であるメディアこそ手つかずの病巣なのです。

(つづく)

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2008.05.02 14:45

 「座游」の川田さんのように、外国人に対して必要な支援を事業として行っている社会起業家は少なくありません。

 法務省入国管理局の統計によると、2006年(平成18年)の外国人入国者数は2005年比8.8%増の810万7963人で過去最高、2006年末の外国人登録者数は2005年比3.6%増の208万4919人で、総人口に占める割合も1.63%で過去最高を更新しました。

 これだけの数の外国人が日本に住めば、当然、レストランに入ったり、スーパーで材料を買うなどして食事をする際に、さまざまな不都合が生じてきます。

 彼らの中には、自分の信じる宗教によって食べることが禁じられている食材があったり、メニューが日本語表示だけで食べられるかどうかの判断ができなかったり、食習慣の違いから日本では当たり前の食材に対してアレルギー反応をひき起こしてしまうなど、食生活に困ってしまう人が少なからずいるからです。

 たとえば、牛や豚が食べられない人がふらりと店に入った時、複雑に料理されて差し出された皿の上のものやソースなどに牛や豚の肉が入っているかどうかを見極めるのは困難です。
 見た目でわかりにくいものを避けていけば、必要以上に限定された貧しい食生活を強いられることになります。

 そんな不便な食生活を少しでも改善し、多様な外国の文化も受け入れられる日本のあり方を目指そうという活動を始めたのが、大阪に事務所を構える団体「Internashokunal(インターナショクナル)」(http://www.i-nsl.org)です。

 また、海外に住む外国人に対して、そこにある問題を解決しようという社会起業家たちもいます。

 たとえば、「アジア最貧国」であるバングラデシュに雇用と女性の教育機会を増やすために現地の原産であるジュートという麻を加工しておしゃれなバッグを制作し、日本で販売を始めた株式会社マザーハウス(http://www.mother-house.jp)の山口絵理子さんもその一人。

 彼女は慶應義塾大学四年生時にワシントン米州開発銀行でインターンを経験したのをきっかけにバングラデシュを単身訪れてみると、国際開発援助金が実際には貧困層の生活向上に寄与していない現実を知り、卒業後にそのままバングラデシュの大学院に進学。

 二年間の滞在を経て、24歳でマザーハウスを起業し、日本の大手デパートでの販売を実現させたんですね。

 その詳細は、彼女自身が書いた自叙伝本『裸でも生きる~25歳女性起業家の号泣戦記』(講談社・刊)を読んでみてください。

 他にも、ホームページ制作を主としたIT事業の収益の一部をカンボジアの児童買春問題を解決・支援する活動の資金に当てるために働いているNPO法人「かものはしプロジェクト」(http://www.kamonohashi-project.net/)や、クリックやネット売買をするだけで平和活動や環境保護などのNGOやNPOに募金できる仕組みを作った「ユナイテッドピープル」(http://www.unitedpeople.jp/)など、20~30代の若い世代から社会起業家たちが続出しています。

 そのようすは、5月に発売予定の拙著(アスキー新書)で詳細を書きますので、お楽しみに!

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今一生
現在開講中の東大自主ゼミ「オルタナティヴ・スタディーズ ~『私』を知るための当事者学」をダイジェスト版でお送りします。 毎週金曜日更新!

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