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1965年生。早稲田大学第一文学部を3か月で勇退。広告業界を経て25歳でフリーライターに。企画・編集した『日本一醜い親への手紙』はベストセラー。『完全家出マニュアル』で造語した「プチ家出」が流行語に。2007年春から東京大学(駒場キャンパス)で自主ゼミの講師を始める。著書に『親より稼ぐネオニート』(扶桑社新書)、『ゲストハウスに住もう!』(晶文社)など多数。
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第17回 ゲストハウス@[2007年10月05日(金) ]

 最近、日本の住居で注目を集めているものに、ゲストハウスがあります。

 これは、老朽化したアパートや不要になった社宅や学生寮、民家などを丸ごと1軒格安で大家から借り上げて、入居希望者たちに戸別に又貸しされる賃貸物件のこと。

 都市圏では1か月単位、地方の観光地や島などでは1日単位で借りられる「宿」(短期滞在仕様の住宅)として人気を集めており、物件数は増える一方です。

 2007年2月13日現在、全国では300件以上のゲストハウスが運営され、そのほとんどは首都圏(東京・千葉・神奈川・埼玉)に集中しているが、利用者の総数は少なく見積もっても1万人以上に上るだろうと推定されます(参考:guesthousejapan.net/)。

 このようにバックパッカーが格安で滞在できる宿や、金さえ出せばどんな国籍の人も滞在できる賃貸住居は、欧米やアジアなど国外では当たり前に数多くあったんですね。

 でも、他者を受け入れることが苦手な日本では、不動産賃貸業者は「連帯保証をしてくれる人を探せ」と強いてきたため、この条件をクリアできない外国人などは長らく通常の賃貸物件への入居を拒否されてきたわけです。

 しかし、バブル景気がはじけつつあった80年代末から一部の不動産業者が少しずつ外国人を受け入れる物件(=外人ハウス)を増やしてきました。

 それが、日本におけるゲストハウス誕生の契機といわれています。

 ゲストハウスでは、礼金・敷金・紹介料(仲介手数料)・更新手数料は0円。

 中には公共料金も(家賃に含めてあるので)0円という物件が珍しくなく、1ヶ月分の家賃さえ前払いすれば、部屋にはベッドもエアコンも常設されているので即入居できるうえに、居心地や隣人が気に入らなければ別室やべつの物件にすぐに移動できます。

 東京都内の6畳ほどの個室を借りてもゲストハウスなら毎月の家賃が6〜7万円で入居できる物件がありますし、6畳の部屋に2段ベッドを2つ置いて4人用の相部屋として利用する「ドミトリー」(雑居)なら1人頭2〜3万円台もザラにあります。

 ゲストハウスの物件は総じて、レオパレスや月単位や週単位などの短期滞在仕様のマンション・アパートよりも安く、中には1泊1000円程度の簡易宿泊施設よりも安く利用できる物件すら珍しくありません。

 しかも、居間などの共用スペースにあるテレビやパソコン、冷蔵庫は使い放題。コインシャワーやコインランドリーも設置してあるので大荷物で引越する必要もなく、超低予算で暮らせるんです。

 その安さと手軽さが受けて、今日では国内外のバックパッカーや学生はもちろん、連帯保証を頼む面倒が嫌な人、職場が変わって会社に近い物件に素早く移動したいフリーターなど広いニーズで集客できるようになり、ほとんど広告費をかけずに済むほど需要に供給が追いつかない好況ぶりです。

 ここ10年はインターネットの普及と海外渡航を経験する日本人の増加によってゲストハウスの認知と人気は若者たちの間に広まっており、ビジネステナントが埋まらないオフィスビルのワンフロアをゲストハウス仕様にコンバージョンする若い建築コンサルタントも急増しています。

 2006年2月には業界団体「日本ゲストハウス協会」が正式に立ち上がりました(www.guesthousekyokai.org/)。

 その参加者には20〜30代の個人事業者も散見されました。

 mixiにもゲストハウスを個人経営したい若者の集まるコミュニティ(BBS)が乱立し、イギリスやジャマイカなど海外でハウスを営む日本人も増えていることがわかります。

 それほどゲストハウスが日本人に支持された第一の理由は、中流資産層の下流化にあります。

 居住者たちの素性を聞けば、雇用の機会が乏しくなった地方から出稼ぎに来る10〜20代、夫に殴られて家にいられなくなった主婦や子ども、生活費を切り詰めて起業したい若者、親から仕送りを満足にもらえない上京学生など、ゲストハウスが社会的弱者の受け皿として機能していることは歴然としています。

 もう一つの魅力は、安さを実現するために自己責任の住まい方を採用している点。

 30年以上前に建てられた社宅では鉄筋コンクリート建築でも外壁ははがれているし、耐震構造にも難点はあるでしょう。

 でも、短期間なら資産が減るリスクよりも住環境のリスクを自己責任で選ぶほうが安心できる人が増えているのです。

 最大の魅力は、共有スペースにおける居住者どうしの長屋的なコミュニケーションでしょう。

 都心のゲストハウスに暮らす地方出身者は「(台所などで)隣近所に住んでる人に『おはよう』と声をかければ、ふつうに『おはよう』って返ってくる」と喜んでいました。

 隣人の素性に関心を持たないで暮らすマンスリー・マンションにはない光景です。

 高校生の娘と一緒に入ってきた母親は、「娘は自力で学費を稼ぐことに目覚め、留学が決まりました。『お姉さん』のような居住者たちが娘と話をしてくれたおかげ」と言いました。

 ゲストハウスでは、居住者の入・退出時や誕生日、クリスマスなどのシーズン・イベントには居住者やその友達が共用スペースに集まってパーティが開かれたり、日常的には家事当番やお互いの部屋の出入りがあるなど、「疑似家族」的な親しみを覚える機会が少なくありません。

 地域共同体や家族といった単位でのコミュニケーションが困難になってしまった今日の日本では、ゲストハウスへの入居を通じて自分とウマの合う人間を探したり、国籍も習慣も違う隣人と仲良くすることで、単身独居では知り得ない社会の豊かさにふれたい人が増えているのかもしれません。

(つづく)

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Posted by:出会い系 at 2008年07月08日(火) 19:57
It's very good!Thanks for write this!















Posted by:成都机票 at 2008年04月14日(月) 18:11