Z会「作文5年生」「作文6年生」の担当者が、作文について、言葉について、教育について、つれづれと綴る、大人のための作文クラブです。 小学生のための作文力アップサイト「作文クラブ」もどうぞよろしく。
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2020.01.14 09:51

こんにちは。小学生コース作文担当のMarutaE6A1です。
2020年、オリンピックイヤーが始まりました。すでに気温は20度に届かんばかり。大丈夫なのでしょうか。
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5年生の12月号は、「本日のビッグニュース」というテーマで、最近自分の身のまわりで起こった出来事を新聞記事にしました。サッカーやバスケでシュートを決めた、旅行に行った、といった楽しい出来事を書いてくれた人が多かったですが、中には骨折してしまった、といったアクシデントを書いてくれた人もいました(しかも複数)。骨折は十分「ビッグニュース」ですね。スポーツというものをほとんどやらないMarutaE6A1は、骨折したことがありません。今から骨折すると命取りになりそうなので、今年は筋力をつけたいと思っていますが、そんなMarutaE6A1の最近のニュースってなんだろう……、と考えたのですが、暮れから年始にかけては特に目新しいこともせず穏やかにすごしたので、こんなことを作文にしてみました。
 
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「ついに完結? SW 
               ――光陰矢の如し
 令和元年の暮れ、「とうとう完結!」という言葉とともに、スターウォーズ(以下SW)・エピソード9が公開された。何を隠そう、SWは一作目からすべてロードショーで見ているT・Tは、早速劇場に足を運んだ。「ついにこの日が……」の気分はエピソード3のときに味わっていたので、今回は初期のメンバー見納めのつもりで臨む。
 ハンソロの登場に涙ぐみ、Xウィングの登場にも涙するなか、「おいおい、これ、10もあるんじゃない?」などと思いながらの、充実の2時間半となった。
 惑星タトゥイーンの二つの太陽が沈んでいくのを見ながら、「親と見て、子とも見たSWを、孫とも見られる日がくるとよいな」思ったのであった。
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こういうライフワーク的な作品があると、「ep3は誰と見たっけ?」など、人生を振り返ることができてよいものです。しかし、カイロ・レンは欧米的にはイケメンなんでしょうかね。MarutaE6A1的にはイマイチで、もう少しカッコよかったら、もっと感情移入ができたものを。その点、アナキンは子役も含めよかったです。
 
紅白歌合戦の落選通知です。この倍率、ありえない。
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2020.01.08 10:00

 5年生12月号は、「最近あなたの身のまわりで起こったできごとを、ある新聞の『本日のビッグニュース』というコーナーの記事にしてみましょう。」という課題です。
 
 では、作品を二つご紹介しましょう。お名前の部分はイニシャルにしています。
 
おかしをおいて…
 サンタがきた!?
 12月21日にあわてんぼうのサンタクロースがUAさんの家にやってきた。そしてサンタはプレゼントをおいたそうだ。UAさんはサンタさんにはやくきてほしくて、おかしをおいたそうだ。すると、サンタさんはおかしをたべにきてくれたのだ。UAさんは「サンタさんがきてくれてうれしい。おかしをたべてくれたのでよかった。」と話している。
 UAさんは学校で、クリスマスのときクッキーとミルクをおき、サンタさんにあげる、そしておれいにプレゼントをもらうということがアメリカであると知り、おかしでこのことをしてみたのだ。UAさんは「来年もしたい。」とはなしている。(Aoi さん)
 
 アメリカではサンタクロースにクッキーとミルクをあげるんだ! 知りませんでした。新たな知識を得られるのもニュースの醍醐味。
 表現の面では冒頭の「あわてんぼう」が効いています。この一語で作文の雰囲気が決定づけられました。ほのぼのと温かい感じがします。辞書で確認してみましょう。
「あわてんぼう【慌てん坊】(名)慌て者。「―だが憎めない」▶マイナス評価の中にも親しみの気持ちがこもる。」明鏡国語辞典
 サンタクロースに対する親しみの気持ちがしっかり表現できています。こういう言葉の選び方って大切ですね。
 
 全体になんともほのぼのとしてほほえましい作文で、読んでいるこちらも温かい気持ちになります。
 
 それでは、次の作品。
 
おばあちゃんがめんきょ返のう!
 高れい者ドライバーの事故多発のえいきょう?
 十二月一日におばあちゃんがめんきょセンターにてめんきょを返のうしました。
 なぜめんきょを返のうしたのか聞くと、「最近、高れい者ドライバーの事故が増えてきていてこわいから。」という答えが返ってきました。確かに最近、事故が増えていると思います。
 おばあちゃんにめんきょを返のうしてみてどうかと聞きました。「もう事故をおこしてしまうことがないのでホットした。」といっていました。
 私は事故を起こす人は車が無いと生きていけない人だから、そういう人へのサポートをして、めんきょを返のうしてもらえばいいと思いました。(まろん さん)
 
 こちらは身近な事例をとりあげて、現代社会の問題に切り込んだ文章です。先日も、自動ブレーキの義務化に関するニュースが新聞に載っていました。高齢者の事故防止のためにも、2021年11月以降に発売される新型車には自動ブレーキの装備が義務づけられるとのこと。
  
 免許の返納もよく話題になりました。有名人が返納したりして。運転しなければ事故を起こすこともないのでよい方法です。ただ、交通の便が発達していない地方に住んでいると、現実的にはなかなか難しい問題もあります。まろんさんが書いているように、なにがしかのサポートがあるといいですね。
 
 また、免許を返納するということは、それまで自分が普通にできていたことができない生活になるということですし、老いによる自分の能力の低下を認めるという意味でも、なかなか踏ん切りがつかないというか、迷いを感じる人も多いと思われます。
 そういう面からも、いろいろと考えさせられる作文でした。
 

(第1週 ニシナ)

 
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2020.01.07 10:00

 1月の楽しみと言えば。
 例年、1月中旬に直木賞と芥川賞の発表があります。今年はどんな作品が選ばれるのか。気になっている方も多いのではないでしょうか。
 
 12月中旬に候補作が発表された時点で、図書館に在庫があるものは借り、貸し出し中のものは予約し、できるだけ読んでおいて発表当日を迎えます。結果は、「ほーらね、やっぱり」というときと、「えーっ、そっちかい」というときがありますが、作品自体を読む楽しさに加えて、自分なりに事前に予想することで、楽しみが2倍になります。
 
 受賞の有無にかかわらず、映像に適している作品については、脳内映画化を行うこともあります。そういえば、こちらについては過去のブログに、佐藤正午『月の満ち欠け』を映画化した場合のキャストを勝手に決めたということを書いていました。これで文学賞の楽しみが3倍になりました。
 
 さて、大人は直木賞や芥川賞で盛り上がりますが、子供の文学賞にも魅力的なものがあります。注目しているのは、野間児童文芸賞。毎年11月に発表されます。1963年から実施され、斎藤敦夫『ガンバとカワウソの冒険』、上橋菜穂子『狐笛のかなた』ほか、名作が揃っています。
 
 2019年の受賞作は、戸森しるこ『ゆかいな床井くん』でした。昨年のはじめごろに書店に並んでいるのを見て、さっそく読んでみた本。何か大事件が起こるような派手なお話ではなく、小学6年生のみんながちょっとした出来事に悩んだり喜んだりして、しみじみと温かい物語。床井くんは冗談を言ってふざけていても、いつもクラスの一人一人のことをだれよりもちゃんと見ています。
 
 戸森さんは2015年に『ぼくたちのリアル』で、講談社児童文学新人賞、児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞フジテレビ賞などを総なめにした実力派。新人賞から日が浅いのに、もう野間児童文芸賞を受賞されたのも納得です。『ぼくたちのリアル』は小学生コースの読書案内で紹介しているほか、お気に入りのシーンを本ブログでもとりあげています。
 2019年3月6日 下校の音楽と卒業ソング
 
 ちなみに2017年の受賞作は、山本悦子『神隠しの教室』。いじめやネグレクトなどの重い内容も含まれますが、5・6年生の方は十分楽しめると思います。3・4年生の方にはちょっと難しいので、同じ作者の『先生、しゅくだいわすれました』などがおすすめです。
 
 児童文学っていっぱいあって、どれを読めばいいかわからないよーという方は、まずいくつか文学賞の受賞作を読んでみるのもよさそうです。気に入った作品があったら、今度はその作家の別の本を読んでみるとか、受賞作を順に遡ってさまざまな作家の本を読んでみるとか、いろいろと楽しみ方が広がります。
 
 明日は、5年生12月号「本日のビッグニュース」の作品をご紹介します。
 

(第1週 ニシナ)

 
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2019.12.24 10:19


すっかり年の瀬、そしてちょうどクリスマスイブですね。こんにちは、第4週担当の岡です。
これが年内最後の更新ということで、今年の作文そもそも論で紹介したテクニックをおさらいしていきたいと思います。

 


6月 テーマに沿って具体的に書こう
 作文の最初のハードルはそもそも何を書いたらいいのかわからなくて真っ白な原稿用紙を前にフリーズすることでは、というお話を通し、まずは読み手に伝わるように言いたいことことを細かく説明してみよう、というポイントを解説する回でした。その際、なんでもかんでもびっしり書けばいいというわけではなく、テーマに沿った必要なことについて具体的に書くのが重要でしたね。内容の取捨選択については、11月の記事も参考にしてくださいね。

 


7月 丁寧な字で書こう
 読めない作文は書いても意味がない! というお話でした。丁寧な字、というのはなにも書道で花丸をもらえるきれいな字のことではなく、省略せずに全画数きちんと書いており、字の大きさのバランスが整っている字のことでしたね。字のバランスってなに? というひとについては7月号の記事で再度チェックしてください。

 


8月 もやもやする表現に気をつけよう
 昔話の桃太郎を改変し、おかしな表現を見つけ出す回でした。作文コースも終盤に差し掛かってきて、このときに紹介したような表現のミスは答案からあまり見られなくなっていますが、文頭の「なので」と、主語と述語のねじれはまだまだ多いです。提出前に自分の文章を見直すクセをつけてくださいね!

 


9月 物語を正しく読解しよう
 作文に正解はないけれど、読書感想文の場合はまず本の内容を正しく読み取らなければならない、というお話でした。「主人公はうれしかった。」というように感情がはっきり書かれていないとしても、「主人公の顔がぱっと明るくなった。」など書いている内容から読み取れることがある、というお話でしたね。もうすぐ冬休み、年末年始は読書にチャレンジして、好きな本を1冊見つけてみるのもよいかもしれません。

 


10月 ”ひととちがうこと”を書こう
 オリジナリティは具体性に宿る。抽象的なことばかり羅列するのではなく、アイデア部分に具体的な数字や固有名詞などを入れると印象に残る、というお話でしたね。

 


11月 いらない部分を削ろう
 だらだら長いだけの作文では結局何が言いたかったのかわからない! 自分の文章を客観的に読んで「ここいらなくない?」という部分をどんどん見つけ出そう、というお話でした。そのための練習に普段から様々な場所で目にする文章を使っていくのも有効でしたよね。

 


何か一つでも、参考になれば幸いです。できれば全部(!)吸収してもらえるととってもうれしいです。1月からはそろそろ各月の作文のテーマに沿ったお話をしていこうかな、と考えていますが、来年の事を言えば鬼が笑いますので、まずは年内にすべきことをきっちりやろうと思います。
寒いので風邪をひかないように気を付けて、良い年末をお過ごしください。もちろん先月号をまだ出していないというひとは、しっかり提出してくださいね! 待っています。

 
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2019.12.17 09:00

第3週担当のヤマカE749です。
 
6年生11月号のテーマは「あなただけの物語を書こう」ですE71A
鬼が島に鬼退治に行ったはずの桃太郎、鬼退治をせずに戻ってきてしまいました、
いったい何があったのでしょうか…E72B
鬼が島に着いた場面から「あなただけの桃太郎の物語を書きましょう」E708
というお題でした。
 
このお題、意外に難しいようで例年、
「鬼と友だちになったから」「鬼がかわいそうになったから」など、
だいたい同じようなパターンに陥りがちですE722
まあ、それでもいいのですが…。
さらに、今年はなぜか、
「ナシ太郎がすでに鬼退治をしていた」「栗太郎が現れて邪魔をしてきた」など、
「桃」以外の太郎の登場がちらほら見られました。
新傾向ですE691
まあ、それも可愛らしいのですが…。
 
?さんの物語は、ほかの作品とは全く毛色が違っていて、目立ちました。
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 力もちで自分に自信のあった桃太郎は、村の人たちに、「鬼が暴れて、村がめちゃくちゃになった。ぜひ鬼ヶ島に倒しに行って、鬼たちに一泡吹かせてやってほしい。」と頼まれ、その場所に鬼を犬・猿・キジと共に倒しに行った。
 だが、鬼の住み家と言われた島はいたって普通で、どこを探しても鬼は見つからず、桃太郎は、場所の間違いと考え、周辺も探したが、結局見つからず、三匹にもうそつき呼ばわりされるはめになった。
 あきらめて帰ってきた桃太郎に村の人たちが鬼の件はうそだと明かして、長い期間からかい続けた。
 とても恥ずかしい思いをした桃太郎は、恥ずかしさのあまり、一人で人目のつかない山奥で暮らし始め、あまり家から出ず、人と話すことも無くなった。
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人間の意地悪さや暗い面を表現した、とても個性的な作品ですE72B
桃太郎、自信満々のイヤなやつだったから村人に騙されたのだろうか、
でも傷ついて人と話さなくなるなんて本当はいいやつだったんだよね、など、
勝手に想像がふくらみますE6EC
また、
「一泡吹かせてやってほしい」
「いたって普通で」
「うそつき呼ばわりされるはめになった」
など、言葉の使い方が非常に巧みで、読み手をグイグイ引き込む力がありますE6AE
文章を読んだり書いたりすることに慣れている様子が、存分に伝わってきますE6FA
 
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2019.12.10 09:23

こんにちは、小学生コース作文担当のMarutaE6A1です。
すでに12月も半ば近くです。なんとなくやり残したことがあるような気がするこの季節。いつもと同じ週末を過ごしていると、落ち着かない気分になってきます。普段使わない洗剤を出してきて、いつもは掃除しない場所を掃除したり、雑然とした物置で、右の物を左にしてまた右に戻したり。もそもそと動きつつ「あ、もう日が暮れた。寒くなってきたからここまでね。」と誰にともなくつぶやいて、短い冬の日は暮れていくのでありました。
というわけで、2019年も終わりです。年末恒例のお笑い番組を見ていたら、あおり運転と薬物のネタが続出。「そうなのかぁ、ポジティブな出来事は笑いのネタにしにくいのか。観客からは若干距離感がある出来事だから、そういう意味でもネタにしやすいのか?」などとお笑いを分析しつつ一年を振り返り、「やっぱ、今年は令和元年とラグビーでしょう。」と、一般大衆的な答えに落ち着いたことにささやかな幸せを感じるのでした。
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5年生の11月号は、「わがはいはアリである」というテーマで、自分がアリになったつもりでお話を作りました。アリの自分が人間と出会って、恐い思いをしたり助けられたり、といった冒険談が多かったです。せっかくなので、アリになりきって文章を作ってほしいところです。
 
昨日はミーティング室の会議で一番めんどうくさい係に任命されちゃったのよ。そうこの係の名前は、「エサ初期発見係」よ。エサがある場所は近いときもあれば、遠いときもあるのよ。エサが見つかるまで、歩きまわらなくちゃいけないの。
 ついに今日、いやな「エサ初期発見係」の仕事が始まるわ。まあ最初は「高いとう木のハードル走」ね。これは、よゆうなの。だけど次が大変なのよ。二つ目は「きりかぶのトゲトゲとうげ」なの。これが落ちやすいのよ。はあ、やっとエサまでたどりつく、と思ったら落ちてしまうのよね。
 ふう、やっとのぼりきった。ここからだとエサの場所が分かるのよね。あとはあそこまで歩いて帰ったら、任む終了! あと少し。あと少し。少しこわいけど、負けない。がんばれ私。あと一歩!
                               (Mko さん)
 
アリの目線で話を進めつつ、人間っぽいところもあるので、楽しんで読める作品ですね。
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庭のゆずです。去年は一個も実がならず「枯れたか…」と思っていたのですが、今年はそこそこ実がつきました。冬至の日にお風呂に浮かべます。
yuzu


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2019.12.04 10:00

 5年生11月号は、「アリになりきって、アリの視点で物語を書きましょう。」という課題です。
 
 アリが食べ物を探しに冒険に出て、さまざまな危険な目にあいながらも、最後は仲間が待つ巣に戻ってきて幸せに暮らすという展開の作文が多く見られました。さわやかな読後感で、楽しませてくれます。
  ところが、しゅんさんが描く物語は、ちょっと違います。さて、アリが人間の家に向かった目的とは…。そして、その結末は…。
 
 私はアリ。人間を見上げながらいつも思うの。人間はいつもおしゃれして、私もメイクしたいなあ。でも私は黒一色。きれいになれるかしら。みんなはばかばかしいというけれど、私はちがう。ほかのアリよりもきれいになるわよ。
 こうして、アリは人間の家へおしゃれをもとめて入って行きました。アリはやっとのことでつくえの上までのぼり、メイクを始めました。しかし人間の道具は大きくてアリは上手にメイクができず、むざんなすがたになってしまいました。「ただいまー」と声がして女の子が帰ってきました。女の子はアリを見るとキャーとさけんで、アリを外においだしました。帰ると中アリはたくさんの仲間に会いましたが、みんなアリを見るとにげていってしまうのです。アリは絶望しました。ひっしで流そうとするがなかなかとれずさらにおかしくなってしまいました。
「ああ、あんなによくばって一人だけきれいになろうとしたから」アリはとうとう泣き出してしまいました。(しゅん さん)
 
 アリの色に着目して、メイクをしてきれいになりたいと願う主人公を設定しました。独創的な発想です。それに第一段落のモノローグが効いています。ばかにされながらも、自分の思いを貫こうとするアリ。「私はちがう」っていうのも、このアリならではの強い表現です。読者は主人公に感情移入しながら、次の展開がとても気になります。上手な書き出しですね。
 
 二文目に「人間を見上げながらいつも思うの。」とあります。ここに「いつも」が用いられていることで、昨日今日ぱっと思いついたことではなく、ずっと以前から常に心にもち続けてきた思いであることがわかります。また、「見上げる」という言葉には、小さなアリが大きな人間を地面から見る、下から上を見るという動作の意味がありますが、それだけでなく、メイクをしているきれいな人間に対する「あこがれ」の気持ちも込められていると読めます。
 
 「見上げる」を辞書で引いてみましょう。「見上げる ①下から上を見る。仰ぎ見る。②称賛や尊敬の気持ちで見る。りっぱだと感心する。」(明鏡国語辞典 大修館書店) ちょっとした言葉の選び方で、主人公がもち続けた強い思いを表現したり、文脈に応じて複数の意味を読み取らせたりすることができるんですね。
 
 その後の展開は、けっこう深刻です。アリはメイクがうまくいかず、「むざんなすがた」になってしまう。「むざん」って難しい言葉です。辞書では「あまりにもひどくて、あわれなようす。」(例解小学国語辞典 三省堂)、「いたましいようす。むごたらしいようす。」(例解学習国語辞典 小学館)とされています。きれいになりたいという思いが強かっただけに、まったく逆の結果になってしまい、その落差が一層際立っています。こういった言葉を選ぶあたりにも、語彙の豊かさが垣間見えます。
 
 そして、仲間はメイクをしたアリを見て逃げていってしまう。絶望したアリは、メイクを落とそうとしますが、さらにおかしくなる。うーん、なんとも切ない。アリはついに泣き出してしまいました。物語はここで終わっています。
 
 今回、危ない目にあうが運よく助かって巣の仲間に迎えられるとか、こわいと思っていた他の昆虫と仲良くなるとか、ハッピーエンドの物語が多くありました。仮に私自身がアリの物語を書くとしたら、やはりハッピーエンドにするように思います。
 
 そんな中で、夢破れた主人公が後悔の言葉を発しながら涙を流す描写で終わるというのは、ひときわ個性的でした。そういえばイヤミスと言われるジャンルがありますね。読んだあとに嫌な気持ちになるミステリーというあれですが、イヤミスって肯定的な意味で使われることが多いと思います。今回の作品は、よい意味で、あえてハッピーエンドを選ばなかったと考えられます。また、「よくばって一人だけきれいになろうとした」というセリフなど、なにがしかの教訓を込めようとしているとも感じられます。そういう点でも気になる作品でした。
 

(第1週 ニシナ)

 
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2019.12.03 10:00

 5年生11月号のテーマは「わがはいはアリである」~「アリになりきって、アリの視点で物語を書きましょう。」です。
 
 そういえば、NHKの番組『昆虫すごいぜ!』の6時間目がアリでした。カマキリの着ぐるみを着た香川照之さんが、昆虫への思いを熱く語ります。
 
 小学生のみなさんはNHK for Schoolのサイトで見たことがあるかもしれませんね。

 https://www.nhk.or.jp/school/sugoize/

 
 冒頭部分でアリがどれだけすごいかについて、まず「アリは地球上でいちばん数が多い昆虫」だとして、その数はなんと「数千兆」であると示します。あまりにも多すぎてぴんとこないので、世界人口の「70億」と比較することで、その多さを実感できるよう工夫しています。そして、「日本には約280種」のアリが存在し、「世界には1万種以上」のアリがいると続く。ただ数が多いというだけでなく、具体的な数字を用いることで、視聴者に伝わりやすくなっていますね。
 
 実は、作文の講座でも、このようなワザを紹介しています。6年生4月号のテーマ「あなたの学校をしょうかいしよう」の中で、「今回の表現力トレーニング」として、「具体的な数値をもりこんで書く」ことを学びました。「ここが大切」では、読み手が状況を思いうかべられるように「具体的な数値をもりこむ」「数値をふまえて内容をふくらませる」ことをあげ、実際にどのように数字を入れていくとよいかの練習をしましたね。
 
 おっと、アリの話でした。先のように数が多いことを述べたあと、香川さんは「アリの星なんですよ。地球は。」と、これまた印象的な言葉を発します。先に数字を具体的に示しておいて、今度は数字ではない心に残る表現でずばりとまとめる。みなさんが作文を書くときの参考になりそうな進め方です。
 
 番組では、さまざまなおもしろい生態が紹介されます。
 巣の中でアブラムシを飼育し、エサを与えて、甘い蜜をもらうアリ。木の葉を切り取ってきて巣の中に運び、菌を植え付けて、きのこを栽培するアリ。繁殖の時期になると、羽をもった女王アリとオスの羽アリが巣から飛び立つ「結婚飛行」などなど。
 
 興味が尽きることはありません。ずーっと見ていられます。そして、予定になかったホワイトボートを要求し、アリの社会について滔々と語る香川さん。番組では編集で早送りされていますが、ホワイトボードが真っ黒になるまで書き込んで語る姿に、とてもひかれます。何よりも楽しそうなんです。それが視聴者にも伝わってきて、こちらも楽しい気分になってきます。
 
 自分の好きなことに熱くなれるっていいですね。小学生のみなさん、何か自分が熱く語れるもの、没頭できるものをもつというのは、楽しく充実した人生を送る一つの要素になります。なんでもかまいません。例えば、「動物すごいぜ!」でも、「スポーツすごいぜ!」でも、「児童文学すごいぜ!」でも。自分の好きなことについて、すごいぜ!と語れる人っていうのは、とても魅力的だと思いますよ。
 
 5年生のみなさんのアリの作文は、明日のブログにてご紹介します。
 

(第1週 ニシナ)

 
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2019.11.26 10:00


めっきり(ってなんだかおもしろい響きですよね)寒くなってきましたね。こんにちは、第四週担当の岡です。
 

作文コース6年生10月号のテーマは「お仕事インタビューをしよう」でした。

作文における最初の難関の一つは、何を書けばいいのかわからず、書いても書いても原稿用紙が埋まらないことだと思います。しかし今月号は、インタビューさえできれば、あとは聞いた内容を書いていくだけなので、いつもより筆が進んだ人も多かったのではないでしょうか。

ただし、Q&Aを羅列した文章は雑誌のインタビュー記事であって、作文とは言えません。一生懸命聞き取ったせっかくの情報を余すことなく伝えたい、という気持ちもあるとは思いますが、様々な情報だけが並んだ文章は、伝えたいことがぼやけてしまって読み手の印象に残りません

インタビューした内容と、そのときの様子、インタビューをしてみての感想を交えながら、「聞いたことだけ」ではない文章を作り上げることがポイントでしたが、これだけのことを書こうと思ったら、インタビューの内容をすべて取り入れるのは難しくなりますよね。

ということで作文そもそも論・今月のテーマは「削る」です。

 

まずお手本として紹介したいのが、マナマナさんの作文。

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 私がインタビューしたのは、よく行くお店の和菓子職人さんです。高校を卒業した十八才のとき、父が亡くなり、幼い兄弟がいたので、父のお店をついだそうです。

 父が残してくれたのは、材料が書いてあるメモだけだったので、あんの練り方ひとつでも迷い、大変だったそうです。夏と冬では、練り方を変えなければいけなくて、あとをついだばかりのころは、そういうことが全く分からなかったので、ひたすら数をこなし、手で覚えたそうです。父の味をよく知っている母に、毎日厳しく味を確かめられては、全然だめだと言われ、結局母に認めてもらうまでに十年もかかりました。(中略)

 仕事にほこりを感じるのはすごくかっこいいと思いました。このような苦労や努力が日本の伝統を守っていき、次の世代につなげていくんだなと思いました。

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これは推測ですが、マナマナさんがインタビューで聞き取った内容はほかにもあったのではないかと思います。一日の仕事の流れや、仕事をしていて大変なとき、今後の展望など。

しかしこの作文では、他のいろんな要素を排除して、インタビューをした方が和菓子職人になった経緯を主軸に書いているのですっきりと読みやすく、インタビューを終えての感想もあるため「作文」として印象に残ります。

 
今回の課題だけではなく、ありとあらゆる場面で「書きたいことを絞る」というのは重要になってきます。

構想を練る段階である程度絞ることもできますが、一度書いたものを時間をおいて読み返し、いらない部分を見つける作業がとても大切だと、わたしは思います。大きい枠だと要素、細かいところでは一文・単語レベルで、自分の書いた文章を「削る」。一見当たり前のテクニックですが、これがかなり難しい。なぜなら、「自分が頑張って書いたもの」という思い入れが、客観的な評価を妨げるから。文章を削るというのは、いうなれば愛着のあるものを捨てていく行為です。「一生懸命書いたものなのに」と思ってしまうし、もったいない精神が働いて、「案外使えるんじゃ?」なんて気持ちにもなってしまいます。(手書きの場合、「消して書き直すのが面倒くさい」という理由も結構大きいんじゃないかと思います)

「書きたいことを絞る」ために「いらないところを削る」。その練習として一番手っ取り早いのは、今読んでいるこの記事を削ってみることではないでしょうか。自分が書いたものでなければ、冷静に、そしてじっとりした目で、この文章のいらないところを探せると思います。(わたしはとにかく文章が長くなるたちなので、山ほどあるんじゃないかな……)

他にも、普段からいろんな場所で見聞きする表現に敏感になってみましょう。駅の広告とか、なが~い校長先生の話とか「これいらないかも」って表現「ここ余分かも」って内容、結構たくさん見つかると思います。日々鍛錬を積んで、立派な<ケズリスト>を目指してみてくださいね!(そんな言葉はない)

 

では、来月もみなさんの作品を楽しみにしています。まだ10月号を提出していない方も、〆切を過ぎたからと言ってあきらめず、インタビューしてみてくださいね!

 

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2019.11.19 10:00

第3週担当のヤマカE749です。
 
6年生10月号のテーマは「お仕事インタビューをしよう」ですE676
身近な大人のお仕事についてインタビューし、わかったことや考えたことをまとめてみましょう、というものでした。
 
ここ数年、インタビュー先としてのお母さん登場率がぐんぐん上昇しています。
今回は、お父さんとお母さんの割合がほぼ同じでしたE726
以前は、お母さんには家事についてインタビューしているものも多かったのですが、
今回見た答案のお母さんは「公務員」「薬剤師」「ドライバー」などで、
家事についてのインタビューはほぼ見られませんでした。
外で働くお母さんが増えているということですねE664
 
7773さんのインタビュー相手はなんと、おばあ様。
かつて教師をしていた…などの作文はこれまでもありましたが、
現役の職業人としてのおばあ様へのインタビューは初めて読みました。
定年の年齢が引き上げられているので、
働く期間も長期化しているということですよねE74E
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 私は、祖母にインタビューをしました。
 祖母は、ライフコンサルタントです。
 人が生活するにあたり、家族を守り、自分を守り、環境を守る大切な「保険」の仕事です。保険には大きく分けて「生命保険」と「損害保険」があり、「生命保険」には死亡保険、医療保険、介護保険があり、「損害保険」には車、建物、家財保険等があります。
 その保険の内容を各々の人、家族のニーズに合うようライフプランを聞き、そのニーズに合った商品を提案し、安心して生活していただけるよう顧客満足度を深める仕事に従事し感謝しながらアフターフォローをし、顧客と日々、信頼を深めながら楽しく生き生きと仕事に励んでいるそうです
 私も祖母のような仕事を将来したいと思っています。
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お仕事の内容がわかりやすく、やりがいがありそうです。
「顧客満足度」「アフターフォロー」などの用語の使い方も上手です。
しっかりインタビューできたことが伝わってきますE743
 
「おばあちゃんはライフコンサルタント」…。
自分が子どものころには存在しなかった概念です。
今回、「お仕事インタビュー」に世相を見ましたE68A
 
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Tags :
幼児・小学生
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