医者の娘たちの思い

[2008年04月18日(金) ]

このブログを読んでくださっている人のなかで、親が医者という人はいらっしゃるでしょうか?

「医者になる!」

って子どもの頃から自然に思えている人もいれば、親の期待を重く感じたり、勉強がはかどらず苦しい思いをしている人もいることでしょう。

医師以外の道を選ぶにしても、いろんな葛藤があるに違いありません。



私がこんな風に思うのも、最近「お父さんがお医者さん」という女のコと知り合い、いろいろ考えさせられることがあったからです。

彼女(仮にMさんとしましょう)のお父さんは、耳鼻咽喉科の開業医。3つ年上のお兄さんがいます。

この春、兄貴がめでたく医学部に合格したの!3浪の末に!

先日会ったMさんは、嬉々として話してくれました。お兄さんが病院の後を継ぐことがほぼ決定したというのです。


Mさんは高校3年生。「進路はどうするの?」と聞いたら、

行きたい大学があるからそこに行って、その後は声優になる!絶対になるんだ!

と息まいていました。

Mさんは大のアニメ好き。加えて自身でもバンドをやっており、高校生のためのバンドフェスティバルでは司会も務めるなど、多彩な才能の持ち主です。


そんな彼女も1年前は、

親の仕事を継ぐためにも、医者の息子とか、医学部の人と結婚しなきゃって思っている。だから大学もそんな男のコと知り合えるようなところにいかなきゃ。

というようなことを言っていました。

お兄さんが浪人中で苦労していた、ということを踏まえてのことでしょう。まだ高校生なのに、そんな先のことを考えて自分の進路選択をしなければならないとは。「医者の娘」とは、なにか独特のものを背負っているなぁと思ったものです。

自分が医者になるという道以外にも、「継ぐ」ということに関しての意識がかなり強くあるMさん。その葛藤は「医者の娘」でもなんでもない自分には計り知れないことですが、そんなMさんのような「医者の娘」の思いに支えられて、日本の医療業界があるのもまた、事実なのです。



父と同じ大学に行き、歯科医師になったということが、私にとっての親孝行。父の仕事を継ぐとは、そういうことだと思っています。

こんな風に語ってくれた歯科医師の先生(女性です。仮にSさんとしましょう。)もいました。

S先生は、歯科医院を開業しているお父さんの病院とは別の医院に勤めています。専門が違うので、お父さんの病院をそのまま引き継ぐことはないのですが、「継ぐ」ということに関する意識はとても高くもっていらっしゃいました。

S先生は高校時代、演劇などの勉強もしていて、芸能関係の仕事にも興味があったそうです。

でも、演劇や芸術関係の勉強は年をとってからでもできる。歯科医師の仕事は、医者になっておかないと決してできない。いろいろな経験をしてみたかったので、まずは今、医者になるための勉強をしておこうと、歯学部に進学することに決めたんです。

S先生の決断は実に明快、実に清々しいです!

いろいろな仕事がある中でも「医者の仕事」も経験しておきたい。

だから医療系の学部に進学する。

そんな進路選択が「医者の娘」でなくても、さらっとできるようであってほしいと願うのは、私だけではないはずです。