高齢化社会で必要とされる仕事〜若者と介護の関係とは(4)

[2007年06月16日(土) ]

長々と、自分の祖父母、両親にまつわる高齢化、介護の現状について思うところを書いてきましたが、
最後に、私の夫について書かせてください。

私の夫は現在、「住宅改修コーディネーター」として、要介護状態にあるお年寄りのお宅の住宅リフォームの設計をしています。
車いすでもスムーズに移動できるように、家の中の段差をなくしたり、
廊下やトイレ、お風呂等に手すりをつけたり、
大きな工事になると、車いすで2階に上がれるような、昇降機をつけたりもするそうです。
トイレやお風呂、台所のバリアフリー化のための、大幅なリフォームの設計も行っています。

彼はもともと、建築の専門学校を卒業して設計会社に勤める建築士でした。
転職を何度も繰り返し、さまざまな設計会社に勤めましたが、
なぜ、介護業界で働こうと思ったのかを聞いてみました。

「ある会社で老人介護施設や病院など、福祉関係の設計をずっとやっていたことがあったんだけれど、
そこでの設計がおもしろいって思ったんだよね。
それまで、いわゆる健常者、自分みたいな人間が、暮らしやすいとか、居心地がいいとかいう設計をしていたのだけれど、
お年寄りや、障害者といわれる人が心地いいと感じる空間って、自分がそうじゃないからわからない。
でも、施設を見学したり、いろいろと勉強したり、お年寄りや障害者の方と接して話を聞くうちに、
『ああ、こういう空間がいいんだ。こういう建築、設計もあるんだ』って、目からウロコのことがいっぱいで。
まるで、もう一つの地球を見つけたくらい、自分には衝撃的だったんだよね。
ちょうどそのころ、住宅改修コーディネーターという資格ができて、
世の中にも必要とされているっていうのがすごくわかって勉強したんだ」

私は日々、彼が仕事で接したお年寄りの方の話を聞きます。
人の話をぜんぜん聞かない人、約束を守らない人、お金持ちなのにケチな人。。。
不愉快に思うお年寄りは大勢いるそうです。
彼も、仏というわけではありませんので、怒りながらかえってくることもたくさんあります。

「でも、やっぱり人生を重ねてきた人ってだけで、俺はすごいって思うんだよね。
ふつうに生活していたら会えない人たちに会って、家族を含めて人間の生の姿っていうのを、毎日のように見る。
大変なこともいっぱいあって、正直苦しいけれど、この仕事ってやっぱりおもしろいって思うんだよね」と言います。

彼はそれまで会社に3年といたことなかったのですが(履歴書に書ききれないくらい、転職を繰り返してきた人です)、いまの会社は丸5年になります。
介護保険改悪などの影響で、会社の経営自体は大変厳しいということですが、
彼はこの業界、この仕事にずっと携わっていくと思います。

「俺は建築から介護の世界に入ったけれど、一番必要とされているのはヘルパー。
小谷もやってみる?」と、私も誘われています。
私に、介護という仕事が勤まるのかどうか、わかりませんが、興味があるのは事実。
いつか体験して、このブログで報告できればいいと思っています。

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