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政府のネズミ講かぁと、国語力検定

[2008年08月20日(水) ]

男子体操の離れ技、いつの間にか、文字通りの離れ技になってますね。

昔、「体操選手よりも、中国雑技団のほうがすげーじゃん!」などと言ってましたが、中国雑技団を超える日も近いか。……評価の尺度が違いますね、すいません。

いやー、でも、大車輪のち、鉄棒の上空10メートルぐらいまで飛び上がって、そこでパントマイムなり形態模写なりの芸を1つ披露して、しかるのちに再び鉄棒をつかむ、という時代が来るのを期待したい。

「さあー、決勝で披露するネタは、何でしょうか!」みたいな。

それが芸術点。

……ダメか。

一度チャンピオンになった選手のネタは、よく考えるとつまんないのに、みんなお約束的に笑ったりしてね。



井堀利宏『「歳出の無駄」の研究』(日本経済新聞出版社)読了。



政府与党寄り、ですかね、どっちかっていうと。

民主党が言うほど歳出の無駄はないよ、また、必要な無駄もあるんだよ、というスタンス。

適宜無駄をなくしていくことは必要だが、無駄を完全になくしてからじゃないと増税できない、ていうんじゃダメですよ、無駄をなくしつつ増税もしないと、日本は財政破綻しますよ、という主張。

こういう一節もあるし。

《わが国では政府や公務員は完全無欠であるべきだとして、過度に素晴らしいパフォーマンスを国民が期待しすぎている。それが無駄な歳出への批判と結びついて、結果として、国民が痛み(増税)を回避する口実に使われる。(中略)しかし、大きな組織でこうした不祥事はある確率で発生する。公務員といえども人間である。ある程度の不祥事が確率的に発生するのは、望ましいことではないが、やむを得ない。》(p201)

この人、政府の委員に選ばれると見た。

もう、なってたりして。

と思って調べてみると、財務省財政制度等審議会委員になっていらっしゃいました。なるほど。

さて、いくつか引用。

《アメリカでは巨大な医療資本設備が構築され、金さえ出せば、最新の先端的な医療サービスをいくらでも需要できる。》(p113)

ふむふむ。なーんて、冗談です冗談。ここは、誤植の引用。「需要」→「受容」ですね。

《現在の日本の公的年金制度は建前としては積み立て方式であり、政府は巨額の積立金を保有しているが、実質的には賦課方式であり、働いている世代がそのときの老年世代を支える仕組みである。賦課方式は政府のみが行えるネズミ講である。将来生まれる世代をあてにして、最初の世代が年金給付という受益を、自らの負担がほとんどないままに手にする。》(p153)

「政府のみが行えるネズミ講」というのがおもしろかった。

が、そうか。どんなシステムであれ、それを作った最初の世代が勝ちか。まあ、自分らの世代に有利なルールを作るのは、当然だあね。

《現実の改革では、相対的な無駄を削減するような、現在の受給者の負担増となる改革は先送りされ、その分だけ将来世代の負担増に回されることが多い。老人世代は投票率も高く、政治的な発言力は大きい。その結果、老人世代の意向を反映した経済政策や社会保障政策が行われる。》(p183)

うーむ、老人天国。

それに対して、著者は、以下のような提言をしている。

《年齢別の小選挙区をつくってみるのはどうだろうか。たとえば、二〇歳代と三〇歳代の有権者を母集団とする選挙区を青年区、四〇歳代と五〇歳代を中年区、また、六〇歳代以上を老年区と呼んで、これら三つの年齢別選挙区を導入する。》(p208)

「中年区」じゃなくて、「壮年区」にしましょうよ、というのは別にして、なるほど! こりゃいいや!……と思ったのだが、待てよ。

みんな、いずれ老人になるんだよな。

二〇代の人も、いずれ老人になる。

それがわかっていて、自分が老人になったときに切なーい思いをするような政策を推し進めようとする二〇代なんて、いるんだろうか。

《中央の政策官庁の官僚は、政府歳出の便益を過大に見積もるバイアスをもつ。背後にある業界団体の利害を代弁しているかもしれないし、もともとコスト意識が働きにくいので、便益を多めに見積もることで、仕事の量(予算の金額)を増加させているのかもしれない。また、技術系の官僚(技官)の多くは、その事業を着実に遂行することが生き甲斐になっており、経済的効率性や財源面でのコストには無関心である。》(p213)

技術系官僚、ひどい言われようですな。なんとなく、わかるけど。戦艦大和は、そうやって作られたんだろうな。

ところで、企業が官僚組織化していないか、ということのチェックにも使えますね、これ。