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エスカレーター逆走とモノと男の戦後史と、国語力検定

[2008年08月05日(火) ]

どこの企業にもあるだろうが、Z会にもイントラネットなるものがある。

そこに、ある社内向け通達が掲載されていた。

《(この通達は)通信教育・教室・出版・映像としキャリア開発事業は対象としない》

一応、Z会が手がける、全事業を網羅して書いているよ、というスタンスでの通達である。

……あら? 検定は、どこだ?

あるいは、通信教育か教室か出版かキャリア開発かにカテゴライズされているんだろうか。映像じゃあないよな。

はたまた、「こんなものは、事業ではない」というスタンスなんだろうか。

……大丈夫か、国語力研究所代表?と思われたかもしれませんが、「こんなものは、事業ではない」も、複数の解釈ができるわけでして。

「事業などではなく、より社会貢献色の強いものである」と解釈しておきましょう。

そのとおり。はははははははははははは。



エスカレーター逆走事故のニュースを見る。

半月ほど前、東京国際ブックフェアが開催された場所である。しかも、そこに出展していたのである。

おっかねーなー、と思いつつ、ニュースを見る。

しかし。

こういう場合、エスカレーターのメーカーが激しく叩かれるのが常である。

が、今回は、どうだろう、と思った。

1段に3人、あるいは4人乗っていたっていうからねえ。しかも全段ギッシリ。

そもそも、エスカレーターの1段に、3〜4人乗るってのが、すげーなー、と思った。

そういう状態、見たことないや。

10人乗りのボートに20人乗って、「沈んだ!」と言っているようなもんだと思うが、でも、「1段に3人乗るなとは、どこにも書いてないじゃん!」と言う人も、いるんでしょうねえ。



石谷二郎・天野正子『モノと男の戦後史』(吉川弘文館)読了。



娯楽書……にしては、2800円は高いか。でも、研究書……までも行かない感じがするし。参考・引用文献一覧は、一応付されているけど。足して2で割ったというところか。ぼくは娯楽書的に読みましたけどね。

例によって、いくつか引用。

「書斎」を取り上げた項。明治の終わりから徐々に増え始めた新中間層、いわゆるホワイトカラーがそれを欲しがったわけですが、だからといって、彼らがそんなに裕福ではなかったことについて。

《時系列の、厳密なデータを欠くが、一九二二(大正二二)年に実施された東京市の調査の場合、労働者二八八世帯の平均年収、九九円三銭に対して俸給生活者六五八世帯の平均、一二二円八一銭である。その差、二〇円余りでホワイトカラーとしての生活水準と体面を保持していくことはかなり苦しかったと想像される》(p75)

なるほど。

……じゃなくて、「あれ?」と思いませんでしたか?

「大正二二」。そんな年は、ありません。

というわけで、これは半分冗談、誤植の引用でした。

「墓」を取り上げた項。

《幸か不幸か、「私らしく」はすでにこの時代社会のキー・ワードとして充分に認知され、ソレに見合う手立てが用意済みである。懐の深い保守主義、巧緻に富む商業主義、柔軟な管理社会、「私らしく」振る舞うほど「皆と同じ」になるシステムがある。》(p112〜113)

お墓だけじゃなくて、何でもそうですよね。

「私らしく」とモデルを提示されて、多くの人がそれに倣うわけですから。

「スーツにネクタイ」を取り上げた項。

《長い時間の中で「フツー」となったモノゴトには、望ましいという暗黙の了解がすでに成り立っている場合が多い。したがって「なぜそうなのか」と一々その根拠が問われることもなく、そうした問いが「大人気ない」として門前払いとなりやすい。》(p212)

これまた、スーツとネクタイに限った話ではなく、何でもそうですよね。

すいません、大人気なくて。

最後に、ホントか?と思った箇所。

《二〇〇四年の「日本衣料管理協会」の調査では、一人平均のスーツの着数(使用中)は七・四六着、購入金額の平均は四万三三〇〇円、ワイシャツは一二・三五枚。》(p238)

一人平均7着以上?

母集団をどうとっているのかはわかんないけど、これは実感から大きく離れているような気がする。

Z会で、スーツを7着以上も使用中の人って、どのくらいいるんだろうか。今度調べてみようかな。

「日本衣料管理協会」というのが、衣料メーカーというか、業界寄りの団体であるなら、この調査結果、スーツを7着未満しか持っていない人、1着に4万円未満しかかけていない人に対して、「ダメじゃんキミ、フツー以下だよ」とプレッシャーをかけ、消費に向かわせる意味があるのかもしれないけど。