川崎昌平『若者はなぜ正社員になれないのか』(ちくま新書)読了。
著者自身が、26歳、無職。この本を含めて新書を3冊出しているわけだから、無職でもないような気もするが、まずは引用から。
《さて、何をして働くか。今まで学んできたことを社会で活かして……などと思うが(中略)世の中に役立てられる知識だの経験だのを積み重ねてきたわけでもない。》(p22)
これを読むと、ああ、義務教育だけ終えて、高校へも進学しなかったのかな……と思う人も、いるかもしれない。
さにあらず。
《頭のほうは、まあ、よくはない。(中略)なんとなく中学を卒業し、なんとなく高校に入学し、なんとはなしに大学生になっていた。》
これを読むと、ああ、大学進学率が5割を超えるご時世だもんね、なんとなく大学まで進学しちゃったのね……と思う人も、いるかもしれない。
さにあらず。
いや、なんとはなしに入れるところじゃないと思いますよ、著者の出た大学。
著者、東京芸術大学美術学部卒業、東京芸術大学
大学院修士課程修了。
大学院入試では、慶応の医学研究科にも合格した由。年齢を鑑みるに、すべてストレート、浪人も留年もなし。
東京芸大って、
東大よりも入学するの難しいってイメージがあるんだけどね。
そこに「なんとはなしに」入った、とりわけ何かを学んだこともない、なんて書かれると、なーんかイヤミな感じがしてしまうんだが。著者、日本語の語彙も、かなり豊富だし。
外資系コンサルタント会社の筆記試験を受けるくだりで、
《全ページ、全文、英語で敷き詰められている。(中略)「英語の試験」など大学受験以来だ。約八年ぶりである。》(p49)
とあって、設問(ビジネス即戦力を求めるもの)への解答はともかく、
《英語の意味はおおむね理解し、文意をつかめない箇所などはほとんどない。》(p51)
なんて書いてるし。八年ぶりでそれは、すごいことですぜ。キミは語学の天才か。
ちなみにぼくは、新卒のとき、かなりの数の会社、大学受験的な「英語の試験」で落ちたようです。
「ようです」ていうか、試験のときに「うわ、読めねー」と、自分自身わかったんですけどね。
実際、ある会社に、敗者復活戦的な選考で呼ばれたとき、面接官にハッキリ言われたし。「キミは英語ができないねえ」と。
英検3級だからな。
日本語検定は1級だけど。
(続く)