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携帯電話代と電気・水道・ガス代と、国語力検定

[2008年04月30日(水) ]

今朝の朝日新聞の一面は、格差社会をテーマにした記事であった。

そこで、「ふーむ」と思ったこと。

取り上げられている人、ホントにカツカツの生活のようなのだが、それでも、月1万1千円の携帯電話代だけは捻出せねばならぬ、と考えている……ように読めてしまったのである。

食費・電気代・水道代・ガス代……といった支出項目の中に、携帯電話代を入れ、それらを優先順に並べたとき、はたして携帯電話代というのは、今、どこに位置するんだろうか。ある程度個人差はあるだろうが、一般的な傾向として。

さすがに、食費より上に来ることはあるまい。

携帯を止められるよりは、電気を止められることを選ぶか(どこで充電するんだって話はあるが)。

携帯を止められるよりは、水道を止められることを選ぶか。

携帯を止められるよりは、ガスを止められることを選ぶか。

もし、必要不可欠度で電気・水道・ガスを押しのけているのだとしたら、すげーなー、携帯電話、と思ったわけである。

ドコモさん、ここまで麻薬的な存在になると、予想していたんだろうか。ま、商売の論理から言えば、麻薬的になるにこしたことはないんですけどね。



貫成人『真理の哲学』(ちくま新書)読了。



最初は、中学生にはちょっと難しいけど、高校生ぐらいにはオススメか、と思って読んでいたのだが、途中から、高校生(他にやること山ほどある高校生)には、ちょっとツライかなー、とも思い始めた。

他にやることが山ほどない高校生、また、大学生・社会人あたりにオススメでしょうか。

……社会人も、他にやること山ほどありますね、はい。すいません。

……え。大学生も、他にやること山ほど? こりゃまたすいません。

というわけで、ホントは、大学に入る前とかに読んでおけばいいんだろうなあ、この手の本は。

例によって、いくつか引用。

《監獄あるいは学校、軍隊、工場などにおいて、各自は、外から与えられた行動や思考の規範を、拒否し、無視するより、それを「規律化」した方がよりよく生きることができる。(中略)近代社会が、ある時期から内戦やクーデターのない安定した社会になったのは、もともと「塀の中」にしかなかった監獄のメカニズムが社会全体に拡散し、それによって監獄が普遍化、遍在化したからである。》(p195)

近代社会に内戦やクーデターがない、というのは、異論のあるところでしょうが、まあそれは措いておきましょう。

学校という名の監獄。会社という名の監獄。人生という監獄。

そういえば、前に大阪で、バス無しトイレのみ有りのホテルに泊まったとき、トイレと部屋との仕切りが短いカーテンだけで、「まるで監獄のようだ(入ったことないけど)」と思ったことがある。

……これはちょっと違いますね。すいません。

先ほど、「社会人も、他にやること山ほどある」と書きましたが、そう感じるのは、外から与えられた規範の「規律化」ゆえ、という面がないでしょうか、ということでした。

ぼく自身が、「そう言われるとそうかもしんない、そうなんだろうな」と思ってしまうわけです。

だから尾崎豊は、盗んだバイクで走り出して、「この支配からも卒業」と歌ったのか。

そして、自分を支配していると思っていた人たちもまた、何かに支配されており、どこまでいっても結局「支配されること」からは逃れられないのだ、と、どこかで気づいたのか。

もう一箇所。

《伝統的に言語活動は、命題を叙述するか、発話者の感情などを表現する「記述」と考えられていた。それにたいして、オースティンは、言語活動を行為の遂行ととらえる。「この時計を遺産として君にあげる」と述べた人は、それによって約束という行為をおこない、また、窓を閉め切った部屋で「この部屋は暑いね」と言えば、窓近くにいる人に指図、命令していることになる。》(p234)

おお。これは、国語力検定が目指すところの国語力と、重なる部分があるな。