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一般教養としてのマルクスと大社の河津桜と、国語力検定

[2008年02月19日(火) ]

昨日は休日の予定だったが、いろいろあって、仕事に出よう、と、朝起きるまでは考えていた。

しかし、あまりの眠たさと身体のだるさに、中止。予定通り休日とする。

ごろごろしつつ、本を読んで過ごす。

アドルノ『否定弁証法講義』(作品社)読了。



40年前のドイツの大学生、しかも哲学専攻なわけでもない学部生が、この講義を聴いて、内容を理解し得たということに、かるく驚く。読んで、じゃなくて、耳で聴いて、だよ。

十全に理解し得たかどうかは別としても、少なくとも試験を受ける程度は理解できたんだろう。すげーなー、40年前のドイツの大学生。

いや、40年前に限らず、現在でもそうなのかもしれない、階級社会的要素が残るヨーロッパの大学生は。たまにコメントくれるミルヒさんがヨーロッパの高校での試験のことを以前書いていたが、日本の高校じゃ考えられないレベルの知的トレーニング受けてるからな。大学生のレベル低下は、日本だけか。

と、思ったのだが、どうもそうでもないらしい。彼の地でも、大学生のレベル低下というか、教養の欠如(あくまで、かつてと比較しての話、だが)は、進んでいるようで。

「編者あとがき」より引用。

《この編者註は、アドルノの講義がなされていた背景にある教養、いまではほとんど自明のものと前提することのできない教養の世界をありありと浮かび上がらせるうえで、手助けになろうとするものである。》(p363)

さらに、「訳者あとがき」より引用。

《膨大な「編者註」も本書の特徴のひとつと言えるが、これを訳出しながら、いくらか戸惑いがあったことは事実である。アドルノの講義の理解に必ずしも直接関わらない一般的な「教養」に類するものも多く見受けられるからである。(中略)あえてこのような原註を付す態度に、ひとつの時代のおわりを感じとることもできるだろう。ニーチェもショーペンハウアーも、さらにはマルクスも、とうてい自明の前提ではなくなったのである。》(p369)

ここから、国語力的に読み取れること。

・ニーチェ、ショーペンハウアー、マルクスの著作は、一般的な「教養」に類する。
・しかし、現実には、大学生に対してそれを自明の前提とすることはできなくなった。

……ニーチェ、ショーペンハウアー、マルクスが、一般的な「教養」かあ。

そりゃやっぱ、旧制高校の時代まででしょう。大学進学率が50%近くまで達した現在は、ちょっとそれは無理がある。訳者の方も、十分わかっていらっしゃるとは思うが。

同世代の半分がマルクスを読んでいたら、ちょっとコワイな。

そういえば、学部1年生、入学したばっかりの後輩女子が、『資本論』読んでたことあったっけ。それも、20年以上前の話だ。

えーと、一応、本文からも引用。

《哲学が目指しているのは、世界をあらかじめ加工されたカテゴリーの体系へ還元することではなく、まさにその反対に、経験において精神に差し出されるものに対して、ある一定の意味において自らを開かれたものにする試みである、ということです。》(p130)

この程度であれば、多分、耳で聴いても理解できます。

あ、そうだ。

現在企画中の国語力検定シニア(アダルト?達人?)レベル、聞き取り問題として、こういうのも入れようかな。

高校の倫社に登場するような人の著作は一般的「教養」と見なし、それを前提としたうえでの講義の内容を把握する問題。いかがでしょう?



午後から少し復活。



三島大社へ散歩に出かける。



おお。境内を歩くのは、定年25歳というウワサの、巫女さんではないか!

お守りを販売(とは言わないのか、まあ、販売のようなもの)しているところにも、巫女さんがいるのだが、ジロジロ眺めているうちに、こんなことを思った。

「労働力人口の減少に伴い、企業も60歳定年を延長しつつある。三島大社も同様に、いつまでも定年25歳というわけにもいかず、定年延長したのだろうか?」

……冗談です冗談です、激しく冗談です!

そんなことを言うと、神罰が下る。

さて、三島大社には、天然記念物があります。



樹齢1200年と言われる、キンモクセイ。すばらしい。



駐車場横の河津桜も、ほころびかけていました。

来週には、だいぶ咲いてるかな。

と、だいぶ宣伝したってことで、中段の冗談は、ご容赦ください。