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ソラリスとタルコフスキーと、国語力検定

[2008年01月04日(金) ]

スタニスワフ・レム『ソラリス』(スタニスワフ・レム コレクション、国書刊行会)読了。

たしかに、『エデン』と通じるものがありますね、これも。海=知性体って、ひょっとしてエヴァ的世界?と最初は思ってたんですが。

《この現象に動機を求めることは、人間形態主義だ。人間がいないところには、人間に理解できる動機などというものはないのだから。》(p223)など、複数の箇所に出てくる「人間形態主義」というのが、キーワードの1つですかね。

でも、それを脱するのは、正味な話、難しいんだろうな。

《人間は人間以外の誰も求めてはいないんだ。われわれは他の世界なんて必要としていない。われわれに必要なのは、鏡なんだ。(中略)ところが実際には、われわれの世界の向こう側には、何やら人間が受け入れられないもの、人間がそれから身を守らなければならないようなものがある。(中略)そして、宇宙の向こう側から真実が――人間が口に出さず、隠してきた真実が――突きつけられたとき、われわれはそれをどうしても受け入れられないんだ》(p120)

と、登場人物の一人が言うように。

全然レベルというか次元の異なる話だけれど、人間相手ですら、何とか既知の枠組みを適用して理解しようとするわけで。(……ここから、ビジネスの話につなげてもいいんだけど、やっぱやめとこ。まだ(ぼくは)お正月だし。)

国語力的な箇所を、いくつか引用。

《科学が扱うのは、何かがどのように起こるかであって、なぜ起こるかではない。》(p122)

《人間というものは、見かけによらず、自分で目的を創り出したりはしないんだ。目的は、人間が生まれた時代によって押し付けられるものさ。人間はその目的に奉仕することも、反逆することもできるけれども、いずれにせよ奉仕や反逆の対象は外から与えられたものだ。》(p334)

えええ、どこが国語力?と悩まれる方がいるかもしれないんで、付け加えておきますと、「国語力的な」という枕詞には、ほとんど意味がない場合もあります。

※なお、巻末には、レム自身が作品について語った文章も掲載されています。『ソラリス』って、2度映画化されてるそうなんだけど、いずれも原作者ご自身は激しく不満、「でも映画化する権利はもう譲った後だったから」(p360)……というのが、ちょっとおもしろかった。