[2007年12月10日(月) ]
昨日の2007年度第2回国語力検定は、無事終了。唯一トラブルがあったのは、Z会三島本社の会議室で実施した、三島会場のみでした(現在のところ)。CDプレーヤーの調子が悪かったようで、三島の受検者のみなさん、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
オフィスで待機しつつ、書き仕事をする。毎小の原稿を2月分まで書く。3月からは、2008年度第1回国語力検定の宣伝モードに入らねば。冗談ですよ冗談。あくまでニュートラルに。
3時ごろに書き上げ、送稿する。さーて、じゃあ次は、近頃とんとご無沙汰の、インサイトナウの原稿でも書こうかな、と思ったのだが、そこで「あ! 国語力検定メールマガジンの原稿締切、今日じゃん!」と気づく。
あわてて取りかかり、4時半ごろに完成。
今日は、そこで書いたものの一部を掲載しておく。
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塩田丸男さんの『マユツバ語大辞典』(新潮新書)という本を読む。
メディアがよく使う、「誤解を与えかねない」「誤解を与えた」といった表現が取り上げられている。
メディアが、自分たちの流した情報に誤りがあって、それを訂正するとき、「視聴者に誤解を与えかねない表現がありました」「読者に誤解を与えたことをお詫びいたします」といった表現がよく使われる。
塩田さんは、それを「マユツバ表現だ」と指摘する。どういうことか。
例として、「週刊朝日」のお詫び広告が取り上げられている。
《『長崎市長射殺事件と安倍首相秘書との「接点」』との見出しがありましたが、安倍首相の秘書だった方は長崎市長射殺事件とは関係ありません。(中略)誤解を与えた読者の皆様にお詫びいたします。》(p156)
さて、みなさんは、これを読んでどう思うだろうか。
塩田さんは、こう書く。
《「誤解を与えた読者」という表現が出てくるが、読者はいったいどんな誤解をしたというのだろうか。(中略)読者はこの見出しを見て、長崎市長射殺事件と安倍首相秘書との間にはなんらかのつながりがある。秘書がつながっている以上、安倍首相だって何かのつながりがあるかもしれない、と十人が十人思ったに違いない。それがこの見出しに対する「正解」なのである。見出しの表現が誤っているのであって、読者の解釈が誤っているのではない。/「誤った見出しをつけたことをお詫びいたします」というのが正しいお詫びの仕方である。読者が誤解した、というのは読者に対して失礼千万ではないか。》(p157)
なるほど、確かに。
おれたちが誤解したんじゃなくて、そもそもの情報が誤っていたんじゃねーかよ、ということですね。
解釈する側が誤った、なんて、おれたちに責任を押しつけるなよ、ということですね。
とっても国語力的なお話だな、と思って取り上げてみました。
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話は変わるが、これは、あくまで一般論として。
企業が就業規則などを変更する際、従業員の同意をとらねばならぬ場合がある。
その際、企業は、多くの場合、このように言うのではないだろうか。
「従業員の同意書が必要です」。
あるいは、
「従業員のみなさんに、同意書を提出していただかなければなりません」。
そして、
「○日までに、同意書に署名捺印して、提出してください」。
最後に、
「なお、同意書の提出は、強制ではありません」。
提出せねばならぬ、提出してください→強制ではありません、という流れに、なんとはなしに違和感を感じてしまうわけである、国語力的に。
「強制ではありません」なんて付け加えないほうが、いっそスガスガシイのではないか、とも思ったりするわけである。手続き上のアレコレは別にして、純粋に国語力的に考えた場合ね。
ぼく? そういう場合どうするかって? 粛々と同意書提出しますよ、もちろん。