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首相と8月15日と、国語力検定

[2007年08月10日(金) ]

出張の合間に、こんな本を読む。



信教の自由と軍国主義の根絶との板挟みになったGHQが、結局頭抱えて問題を放置、というか問題を先送りした結果、解体できなかった、というところか。

日本側の関係者がいろいろ手を打ったことも書かれてはいるが、維持存続できたのは、いわば「敵失」のおかげ、というふうに読めた。

本筋とは関係ないが、元首相の東条さん、戦前の軍部エリート教育の失敗例のごとく語られることの多い人ですが、敗戦後の逮捕直前に言い残していたこと、かなり未来を言い当てていて、「へえ」と思いました。かなり正確に未来を見通していたんじゃん、と。

てことは、彼の首相時代の(首相としての)言動を、すべて彼のキャラに帰すことはできないのではないか、と。でもまあ、責任はとらねばならぬのが、首相という立場なわけで。

まるでここまでが大きな前振りのようになってしまったが、さて、安倍首相である。

この本を読んで、「ああそうだ、小泉さん、去年の夏、8月15日に靖国参拝したんだっけ」と思い出したわけである。安倍首相も、8月15日に参拝したかろうに、と思ったわけである。

去年、世間は、「小泉さんだから、しょうがないか」的な受け止め方だったように思う。安倍首相も、当然、「安倍さんだから、しょうがないか」的なムードになることを望んでいたであろう。

しかし、今度の、この選挙結果である。タイミングが悪いにもほどがある。

いろんな方面に波風立てるようなこと、しにくいだろうな、と。ご本人がしたいと思っても、周囲の人たちに「よしなさい!」と止められるんだろうな、と。さぞかし残念だろうな、と。そのように思ったわけである。

ところが、である。週刊文春や週刊新潮などの中吊り広告を見ると、「安倍首相、形勢逆転の一手は8月15日の靖国参拝」的な趣旨が書かれているではないか! どーゆーこと?

コンビニで、くだんの週刊誌を立ち読みする。

・こういうときにこそ、毅然とした態度、信念を貫く態度を見せることが、リーダーたるものの条件である。
・中国がオリンピックの準備で忙しく、噛みついてくる可能性が低い今こそ、チャンスである。

というのが、大体共通した論旨であった。ふーん。前に書いた「情報の政治化」のきらいがなくもないように思うが、そういう見方もあるのか。

自分の行動に対する他者の反応をどう読むか。まさしく、非常に高度な国語力が要求される局面である。

8月15日まで、あと5日。さあ、どういう動きがあるか。ちょっと楽しみである。