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どんな大本営だ?と沖縄イメージと、国語力検定

[2008年10月03日(金) ]

渡辺浩平『変わる中国 変わるメディア』(講談社現代新書)読了。



朝日新聞書評欄先取り編。10月5日書評欄には、これが取り上げられるそうだ。

どこにフォーカスするか。

個人的には、「快楽大本営」を取り上げてほしいところだが。

「快楽大本営」。

何だと思います?

これ、中国のテレビの、バラエティー番組のタイトル。

すげータイトルだな。

ま、これは取り上げないでしょう。

共産主義イデオロギーの代わりに、ナショナリズムを国民に植え付けたことか、ナショナリズムと金儲け至上主義が結びついて、えらいことになってるな、ということか、親会社である公企業が、子会社である私企業から莫大な利益を吸い上げていること、あたりかな。



続いて、多田治『沖縄イメージを旅する』(中公新書ラクレ)読了。



戦前から現在に到るまでの、主に沖縄以外の人たちによる「沖縄の見られ方」をたどったもの。

見る側の「欲望の反映」というところが、おおむね正解なんだろうけど、見られる側も見る側に協力している側面もあり、そこが興味深かった。

例によって、いくつか引用。

昭和15年に起きた「方言論争」(東京から来た人は「方言を保存せよ」と言い、地元沖縄の人は「いや、標準語運動を進めねばならぬ」と反論した)に対しての、沖縄の人の意見。

《「彼等の云ふ所はいつもかうだ。“わざわざ遠くまでやつて来たのだから奇らしいもの面白いものを残して貰はないと困る”彼等は余りにも県をその好奇心の対象にしてしまつてゐる。好奇心の対象にする位ならまだしもである。もつとひどいのになると観賞用植物若くは愛玩用動物位にしか思つてゐないものもある。かかる人々に限つて常に沖縄礼賛を無暗に放送しては“またか”と思はせられるのである」》(p80〜81)

うーむ。これ、今現在の意見だと言われても、そんなに違和感がないんではなかろうか。

1970年代の沖縄観光キャンペーンについて。

《ここに、電通が関わってくる。》(p142)

おお、やっぱ世界の電通さんか。

《自治体の観光振興に協力を求められた電通は、「沖縄を売る」「地域を売る」宣伝戦略を打ち出していく。》(p142)

《電通は、「沖縄の歴史」の開発が必要だと考えた。自然の美しさや南国ムードなら、他の観光地にもある。むしろ、城跡・民謡・祭りなど、沖縄の歴史に関連した観光素材を開発することが効果的だと言った。》(p143)

歴史の「開発」かあ。やるなあ、電通さん。

若者に対しては、どんなイメージ戦略を立てたか。

《電通は、旅する若者の意識は、「自分がその場の主人公でありたい」欲求だと指摘する。ただ美しい景色を見せるだけではなく、観光客がその風景や場所との「関わり」をもてるような演出が必要だという。》(p144)

その流れで現れたのが、70年代、80年代の、海とビキニ姿の女性を映し出したポスターやツアーパンフの由。

《キャンペーンの狙いは、ポスターを見るこちら側のイメージを呼び起こすことである。「沖縄に行けば、何かが起こるかもしれない」――ビキニ姿の女性は、男性にも女性にも、そういう漠然とした未来への期待・幻想を高めさせる。》(p148)

へーえ。70年代、80年代の若者は、そんな期待・幻想を抱いて、沖縄へ行ったんですか。

でも、沖縄ツアー、当時はまだえらく高かったよなあ。

80年代後半に大学生やってましたが、沖縄へ行こうなどとは……ていうか、旅行自体、ほとんどしてないな、そういえば。夜行で奈良へ行ったのと、ソウル乗り換えアンカレッジ経由の往復チケットだけ持ってヨーロッパへ行ったぐらいか。だから、かどうかは知らんが、就職して、出張で新幹線に乗れるのが、新人時代は嬉しくてねえ。「おお、おれも新幹線に乗れるようになったか! これぞまさに異例の大出世!」と思ったもんです。帰省のときは、急行能登号だったしね。つか、就職しても、独身時代は帰省に能登号使ってたか。

それはさておき、そうか、沖縄へ行けるほどカネがない70年代・80年代の若者は、同じような期待・幻想を抱いて、新島とかの伊豆七島へ行ったわけか! なるほどなるほど。

そして90年代。次のくだりには、ちょっと笑った。

《九〇年代には、「Hanako」系の女性がメインターゲットになったことにより、露出度の高い水着姿の女性は姿を消していった。》(p147)

たしかに、ちょっとイメージ違いますね、ビキニ姿の女性とは。

国語力的に「うーむ」と思った箇所。

《琉球大学から一橋大学に異動して以来の切実な問題なのだが、東京の教室で沖縄を切に語っても(中略)机上の観念論に吸収されがちだ。一橋ともなるとさすがに優秀な学生が多いのだが、できる学生だからこそ(中略)フィールドワークを体験することが大切なのだ。》(p228〜229)

どうっすかね、ここ。いや、読みようによっては、琉球大の学生さん、気分を害するんじゃないかと思って。

八重山での移住ブームに関連して。

《一般に移住者の方が自然環境への意識が高いとなれば、環境保護や開発反対の運動も、移住者の人が中枢を担うことになる。(中略)昔からの旧住民が地域振興の立場から開発推進、移住民が自然保護の立場から開発反対、というのが一般的によくある構図である。》(p241〜242)

スケールというかレベルの違いはあるけれど、よく見かける構図ですよね、これ。環境問題。地球温暖化問題。そして大概、一方が一方を「啓蒙する」みたいな立場で来るから、そう来られたほうは、余計カチンと来るんだろうな。

最後に、結論らしきものが述べられています。

《沖縄、そして「日本」への認識と想像力を高めるために、ツーリストの目線そのものをより濃密化し、熟練していくことができればよいのではないか。》(p275)

ツーリストのみなさん、もっと勉強しましょうね、ということですかね、これ。簡単に言うと。

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