今日は休む。激しく休む。
というわけで、映画を3本観る。(先輩イーさんには、なぜこのラインナップなのか、バレバレである。)
まず、『ウィンブルドン』。まるで日本の恋愛ドラマのよう。ラストもお約束通りで、安心して楽しめます。とりわけ、30代独身男性には、勇気の出る作品でしょう。
次に、『ブラインド・ホラインズン』。これはストーリーがややこしい。ややこしすぎて、最後までよくわからなかった。おまけに、主人公がなぜモテるのか、よくわからない。『ウィンブルドン』のほうは、ちゃんと理由が示されていたのだが。
最後に、散髪しながら、『鉄コン筋クリート』。原作はリアルタイムで読んでいたのだが、こんなにSF的というか超現実的な話だったっけ。しかし、アニメの技術はすごいね。これ、画面に合わせて座席が動くようにすれば、スターツアーズとかバックトゥザフューチャーみたいに、乗り物酔いする人もいるんではないか。
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吉野秀『お客さま! そういう理屈は通りません』(ベスト新書)読了。
クレーム処理に焦点を絞ったビジネス本だと思って読み始めたのだが、これ、すぐれて国語力に関連する本であった。
たとえば、こんなくだりがある。
《そんな新妻の姿を見せつけられ、ついに新郎の怒線が切れた。》(p28)
……怒線?
……怒線が切れる?
「新郎が怒線を発した」であれば、ああ、「怒声」の誤植ね、とわかるのだが、「……線が切れる」だから、自信を持って「怒線」と書かれているようである。
手持ちの辞書には、「怒線」という項目はない。
グーグルで検索してみると、
《怒線 に一致する日本語のページ 約 43 件中 1 - 10 件目 (0.18 秒)》
と出た。43件か。
ひょっとして、今、ぼくは、新語新表現誕生の場に立ち会っているのだろうか。
……と、ここまでは冗談です、すいません。
マジメに引用しておきます。
著者は、クレーム対応に必要な力として「フレーズ力」というものを提唱しているのだが、その「フレーズ力」について。
《フレーズ力には、次の三つの構成要素がある。
一.豊富な語彙をもつこと
二.その場にふさわしい言い方ができること
三.言語反射神経を養うこと》
おお、これってまさに、我が研究所が提唱する国語力のうちの、「話す力」(と「聞く力」)に重なるではないか!
そうか、クレーム対応にも不可欠だったのか、国語力は。
ケース別にいろんな例が取り上げられているが、メルマガや毎小連載で使いたいネタもあるので、それらの引用は控えておこう。
でも、1つだけ。
《ここでひとつ、クレーム対応のコツをお教えしよう。それは、交渉中にたびたびくり返される語句、つまり「相手の口ぐせ」を見つけることだ。/(中略)いざそれを見つけたら、こちらも使ってみるのである。/(中略)たったそれだけで、相手の勢いが和らぐ場合がある。「話を聞いてもらっている」と感じたからだ。同じ言葉を共有することで、親近感が生みだされるのだ。》(p64〜65)
なるほど。
……あ。クレーム対応で、お客さまに対して「なるほど」と言ってはいけないらしい。「なるほど」は、先生が生徒に対して使う感のある表現の由。
クレーム対応の、直接的なコツじゃないところから引用。
《ビジネスにおける正義とは、本音をさらけだすことではない。/消費者を満足させること。会社や取引先に損害を与えないこと。自分がその会社で働きつづけること。これこそが、社会人にとっての正義である。(中略)消費者を満足させることができ、トラブルを丸く収められるなら、建前を口にすることは悪ではない。むしろ、正しいことである。/本音と建前の使い分けは、決してまちがったことではない。このような意識改革をしていないと、ストレスの多いクレーム対応では、自分を追いつめることとなる。》(p136〜137)
そういう意識を持てるのが、オトナってことですね。
《あなたもつらいことがあったら、周りの人に相談してみるといい。(中略)/具体的な助言はなかったとしても、他人に苦しみを吐露するだけで、ちょっとだけ気持ちが楽になる。生産性のある愚痴は、こぼすのも悪くない。》(p172)
生産性のある愚痴、という言葉が、なぜか心にしみました。
家庭を持ってよかったと感じる今日この頃。なーんてね。