小川浩・林信行『アップルとグーグル』(インプレス)読了。
確実に一定数は売れそうなタイトルですね。少なくともモトは取れるよ、という読みでしょうか。
内容はですね。この両社については、すでにさんざん書かれているので、とりわけ目新しいものはなかったような気がします。
さっき、『なぜビジネス書は間違うのか』という本も読み終え、これについては改めて取り上げますが、『アップルとグーグル』というタイトルの本がなぜ一定数売れるのか、そして大勢の読者にとってほぼ予想通りの内容なのはなぜか、ということがわかりました。
簡単に言っちゃうと、両社が絶好調だからですね。
ものすごく単純な理由ですが、そういうことです。
かく言うぼくも、途中で投げ出さずに、読んじゃったわけですが。
でも、とりあえず、いくつか引用しておきます。参考になるところもあるので。
《他社との比較を出発点にしたのでは、大きな飛躍のある製品や、本質的に素晴らしい製品、根本的に違う製品を生み出すことはできない。本当にいい製品をつくりたければ、向き合うべき相手は他社ではなく、自社のほうだ。製品の本質をよく検証した上で、それに対して自社の強みをどう生かせるかを考えるべきなのだ。》(p34)
なるほどなるほど。これには、深くうなずく。
続く35ページ。
見出しは、「アップルとグーグルの特異性」。
《両社ともトップの年棒はわずか1ドル》(p35)
……年棒?
《スティーブ・ジョブズの年棒がわずか1ドルであるのは有名な話だが、グーグル最高経営責任者のエリック・シュミット、共同設立者のラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの年棒も共に、2004年以降は1ドルとしている。》(p35)
やっぱり、年棒。
1年に1本、1ドル分の棒をもらうってことか。
去年今年貫く棒の如きもの、みたいなもんか。違いますね。
これ、おそらく、読み方を「ねんぽう」ではなく「ねんぼう」と覚えてしまっていることに起因すると思われます。
「ねんぼう」で変換すると「年棒」になっちゃうもんね。
「ねんぽう」で変換すると、ちゃんと「年俸」と出てきます。
これも、手書き時代はなかった誤植ですね。うむ、やはり
国語力検定は、時代が求めているものかもしれない。なーんてね。
《この両者〔アップルとグーグル〕が決定的に似ているのは、帰納法で考えるのではなく、演繹法で事業を考えていることだ。つまり、何か理想の世界、こうあるべきだという確固たる想いがあり、どんな紆余曲折を経てもそこにたどり着くんだという、理想に対して殉ずる決意があるところだ。》(p196)
じゅじゅ、「殉ずる決意」っすか。でも、この場合の「殉ずる」は、まさか、理想実現と引き換えに会社を潰してもよい、ということじゃあないですよね。それは、経営者としていかがなものか。
帰納法・演繹法の使い方も、これで正しいのかどうかはわかりませんが、でも、言わんとするところはわかります。
《対して、日本企業の多くは帰納法、つまり、現時点での情報や事実の積み上げで結論にたどり着こうとする傾向が多いように思える。どちらでもいいじゃないかという人もいるかもしれないが、こと企業の経営という意味では大きな違いが生まれる。あそこに行こう、という方向感覚を持っているリーダーに率いられている組織と、今こっちを向いているから、とりあえずこっちに行こうというリーダーに率いられている組織では、カルチャーがまったく違う。現状がこうだからという考え方では大きな間違いは犯さないかもしれないが、革新的な事業を興すことは不可能だ。》(p197〜198)
これも納得。あまたあるビジネス書に、必ず書かれていますけどね。
《ライフログといって、人間の一生をデータ化してネット上に記録(ログ)していくことを提唱している人がいるが、この記録に必要なデータ量はだいたい3テラバイトという。3テラバイトとはおよそ3000ギガバイトだ。2008年2月現在の価格で、ざっと15万円相当のハードディスクで足りるということだ。》(p199)
これは、初めて読んだ内容。
へー、一生の記録が、3テラバイト。現在価格で、15万円分のメディアに収まるのか。
メディアの価格なんて、どんどんどんどん下がってるよね。
こないだ、久しぶりにチラシを見て、「えええ、SDカードって、今、こんなに安いのか!」とビックリした。
デジカメ買ったの3年前かな、その当時、256メガのSDカード、5000円近くしたような。
今、1ギガのSDカード、特売で700円しないもんね。
こういう価格だと、デジカメ画像をPCに落としてCDやDVDに焼いて保存、という方法より、SDカード自体を保存用に使う(必要ならどんどん新しいのを買う)、というほうがラクなような。みなさん、もう、そうしてらっしゃるんでしょうか。
いずれ、一生分の記録が1000円程度のメディアに収まる、という時代が来るかも。一生が1000円かあ。