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広島出張番外編2と、国語力検定

[2008年06月26日(木) ]

日本語検定というキーワードで訪問される方もいらっしゃるようだが、今回はワタクシ、受検しておりません。1級とっちゃったからね。

そしてここは、国語力検定ブログであります。

今回、日本語検定を受検したのは、同僚アーさんだけでした。

アーさんが受検したのは、3級。日本語検定ホームページの「受検の目安」によると、「社会人・大学生・高校生」レベルとのこと。

問題を見せてもらう。

うーむ。去年受検した2級との難易度の差が、きわめて激しいような気がする。

1級は、不要な(んじゃないかなあ……)知識で難易度を上げているという印象を受けたので、2級の出題を社会人向けとして洗練させていけばいいと思うのだが、この3級で「社会人」というのは、やや問題があるのではないか。ちょっと易しすぎ。

ちなみに日本語検定3級と、国語力検定3級認定、難易度レベルとしてはほぼ同じぐらいだと思うが、国語力検定のほうは、3級で「小学校卒業レベル」です。



原爆ドーム見学後、平和記念公園内をぶらぶらする。



慰霊碑。

ここに刻まれた碑文、「過ちは 繰返しませぬから」が、ときに問題とされる。

国語力的に興味深いので、取り上げておこう。

問題は、主語が明示されていないこと、そして「過ち」が何を指すのかということである。

主語の候補としては、人類、日本、アメリカ。

「過ち」の候補としては、戦争、核兵器使用、が挙げられるだろう。

考えられる組み合わせは、以下のとおり。

@人類は、戦争という過ちを繰り返しません
A人類は、核兵器使用という過ちを繰り返しません
B日本は、戦争という過ちを繰り返しません
C日本は、核兵器使用という過ちを繰り返しません
Dアメリカは、戦争という過ちを繰り返しません
Eアメリカは、核兵器使用という過ちを繰り返しません

このうち、Cという解釈がよく問題とされる。

核兵器を使用したのはアメリカなんだから、「過ちは 繰返させませぬから」だろう、というわけである。

でも、主語が日本で、「アメリカに何かをさせる(あるいは、させない)」というのは、ちょっと無理があるような気もする。

一方、主語をアメリカにして、「アメリカが何かをしない」と、それを日本が宣言するのも、おかしな気がする。

というわけで、C〜Eという解釈は消える。

次に@Bだが、戦争すべてが過ちかどうかは様々な議論があるところだし(自衛のための戦争、という場合もあるし)、第二次大戦後も戦争は世界各地で起こりまくってるわけだし、あんまり有効な宣言とは言えない気がする。

以上、消去法で行くと、Aという解釈が最も妥当なのではないか、と思われるのだが。実際、核兵器は、ヒロシマナガサキ以後、使われていないわけだし。

『ほんとうの「国語力」が身につく教科書』でも取り上げている、「整合性のある解釈ができる」ということに関連しますかね、これ。



それから、



こういうところも見学する。

国立広島原爆死没者追悼平和祈念館。二度目の訪問である。



こういう企画展をやっていて、見学したかったんですな。

資料館を駆け足で、というのがよくあるパターンだと思いますが、こちらもぜひ訪れてみてください。

が、今回、「ん?」と思うところに気づく。

入ってすぐのところには、「尊い犠牲となった人々」という旨の記述がある。

そして、展示の途中には、「国の過誤により犠牲となった人々」という旨の記述がある。

同じ主体(国立の施設だから、この場合は「国」だろう)が、一方では「尊い犠牲」と言い、もう一方では「自らの過誤による犠牲」と言う。

この2つの表現は、同じ主体が発するものとして、両立するんだろうか、と、考えてしまったわけである。

「自分の過誤によるものなんだけど、尊い犠牲」

国語力的に、なんかヘンな気がしてしょうがない。

(広島編、これにて終了。)

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