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白洲次郎と衆生の倫理と、国語力検定

[2008年05月20日(火) ]

歯痛の中で読んだ本2冊。

まず、北康利『白洲次郎 占領を背負った男』(講談社)。



中学生でクルマを乗り回していたとは……ひょっとして花形満のモデルは白洲次郎か?……なわきゃないか。

プリンシプルを大事にする、というのは見習いたいものです。

脇のストーリーですが、ちょっと心に残ったのは、GHQの憲法改正案に抗して、なるべく穏健な改正にしようとした人の話。

結局GHQ案がほぼそのまま通るわけですが、そのとき、その人。

「こんな改正案を通したら、国民は黙っちゃいない」と考えていたそうですが、全然そうじゃなかったことに、ガクッときたそうです。

なーんだ、日本人て、そういう人たちだったのね、という感じか。



続いて、石川忠司『衆生の倫理』(ちくま新書)。



難しいことを、多少ふざけた、というか、くだけた口調を交えつつ語っており、なかなかおもしろい。値段は……740円か。妥当だと思います。

これも多少脇道ですが、「ふーん」と思った箇所を、いくつか引用。

《現代日本の衆生は、平日は「労働力」として搾られてストレスを溜め、休日はパチンコ屋に行ってそれを解消しようと努めるのだが、そのストレス解消行為自体がすでに搾取の対象になっているわけか。》(p63)

これは、パチンコに限らず、レジャー一般に言えることか。カネをかけるレジャーであれば。ディズニーランドとか。冗談です冗談です。

《しかしパチンコよりも明らかにタチが悪く、「生命」自体の搾取=「生きていること」自体の搾取ここに極まれり! と思われるのが、抗ガン剤によるガン治療だろう。》(p64)

ふむふむ、それはどういうこと?

《新しい抗ガン剤は厚生労働省によって「有効」とされ、認可をもらわなければならないが、その「有効」の基準はあくまでも奏功率なのだ。梅澤充によれば「有効」の実情は次のとおり。「抗ガン剤治療を行なって一ヶ月間ガンが消失。しかし二ヵ月後にガンは一〇倍に増大。患者死亡」→「抗ガン剤治療有効」。「抗ガン剤の使用量を極力少なくして、長期に亘り治療を行なったが、ガンは全く縮小しない。その状態で患者は五年間元気に生活した」→「その治療は無効。/嫌でも(心ない)製薬会社と(心ない)病院と厚生労働省とのキナ臭い関係を想像せざるを得ないだろう。ガン患者はたんに「生きている」だけで十分利益を生むのである。もっともこの場合、利益を生む代償に患者は死ぬ。「生かす権力」は、人間がどうしようもなく死に近づくギリギリの段階においては、ふたたび昔ながらの「殺す権力」に変貌するというわけだ。》(p65〜66)

ここ、ちょっと、じゃなく、かなり、憤りを感じてしまいました。

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