ブログ検索
最新記事
最新コメント
国語力研究所代表
御茶ノ水でランチと魯山人の料理王国と、国語力検定 (2008年11月22日)
タカバタケ@御茶2F
御茶ノ水でランチと魯山人の料理王国と、国語力検定 (2008年11月22日)
国語力研究所代表
「ふしゅう」とホッケとアーレントと、国語力検定 (2008年11月19日)
国語力研究所代表
成功の秘訣は1日14時間労働と、国語力検定 (2008年11月17日)

http://www.zkaiblog.com/kokugoryoku/index1_0.rdf
プロフィール

仕事にも企業にもレベルなど存在しない!の真意と、国語力検定

[2008年02月26日(火) ]

メールソフト復旧のメド、未だ立たず。メールをくださったみなさん、申し訳ありません、昨日から全く読めていません。

しょうがないので、漂泊していた間の新聞記事ネタとする。

2月23日朝日新聞夕刊の、大学生が就職活動の参考にするページかな、そこの「お父さん・お母さんの就活講座」というコラムより。

《「1レベル下の企業を目指す」という言い方をよく耳にする。/しかし、そもそも企業にレベルってあるのか。レベルを下げるって、どういうことなのか。どうやら「無理せず、自分の身の丈にあったレベル」というような意味らしいが、結局、楽をしたいということじゃないのか。/「残業時間が1レベル下」「厳しさが1レベル下」「与えられる責任が1レベル下」。そう思える企業を選ぼうとしても、そんなものは幻想に過ぎない。/肝に銘じてほしい。仕事にレベルなどない。企業にも、レベルなどないのだ。》

なるほど。なかなか美しい言葉ではある。

しかしながら、どの程度の割合の読者が、このコラムに激しく賛同するんだろうか、ということに、ひどく興味がわいた。朝日さん、読者アンケートでもとってくんないかな。年代別・性別で切ってみると、なかなかおもしろい結果が出るかも。

さて、この文章、国語力的には二通りの読みかたができる。

「残業時間とか厳しさとか責任とか、もちろんそれ以外の待遇についても、そして業績は言うまでもなく、企業によって高低のレベルの違いはある、確かにあるんだけど、若いモンが何を悟りきったようなことを言っとる、ドーンと上を目指していったらんかい!」的な趣旨と読むのが1つ。

つまり、レベルの存在を暗黙の前提としつつも(「ドーンと上を目指していったらんかい!」)、そのスケール上の下を見させないよう、「レベルなどない」というレトリックを使って、若者を鼓舞している、という解釈。

残業時間や厳しさや責任については、一企業内でも個人によって異なるから、一概に「あの企業のレベルは」とは言えないだろうけど、制度としての待遇や業績には、厳然とした差があるからねえ。

学生さんも、それをある程度は参考にして志望企業を決め、それによって人気企業ランキングが決まる。ランキングの高い企業はなかなか入社できない=レベルが高い、という受け止め方、学生さんはするでしょう、やっぱり。

「そんなことにビビるな、ドーンといったらんかい!」という趣旨は結構なんだが、それで「よっしゃー!」となって、最後の最後まで志望企業を変えず、就職浪人しちゃったら……という思いを禁じえないわけです。

もう1つの読みかた。

額面どおり、マジで「企業にも仕事にもレベルなど存在しない」という主張である、と解釈するのが、それ。

先にも書いたように、待遇や業績については現実には格差があるから、それを断固解消すべし!という主張と読めるかもしれない。一つの主張としては、首肯しうる。

企業にも仕事にもレベルなど存在しないのであれば、論理的に考えると、世の中の全サラリーマンが同じ報酬を受け取らねばならなくなるわけで、まさにユートピア。

ただ、これを「主張」ではなく「現実」と学生さんが受け止めてしまった場合、「そうか、どの企業に入ってどの仕事をしても同じなのか!」と思い込んでしまった場合、その学生さん、一生同じ企業の同じ仕事をして、一生同じ企業の同じ仕事をしている人としか接触しない、というのでない限り、就職後に「あれれ?」と思っちゃうんじゃないか、という思いを禁じえないわけです。

あ。もう1つ、読みかたがあった。

「どの企業に入ろうと、激しく残業させられ、激しく厳しく、激しく与えられる責任が重いのは一緒なんだから、ジタバタしてもしょうがないよ、あきらめなさい」という忠告である、という解釈。

……これが、一番近いような気がしてきた。そういう認識からスタートしたほうが、どんな仕事に就いても長続きしそうですよね。

以上、「国語力で読み解いてみよう!コラムの真意」でした。

コメント

Z会のSNS パルティオゼットならもっと多くのユーザーで交流を深められるよ!コチラから参加しよう
名前 : 
Email : 
URL : 
クッキーに保存

小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク

そりゃ、大マスコミの人たちには、なかなかできない議論でしょうねえ(笑)←あああ、冗談です冗談です、激しく冗談ですよ、大マスコミのみなさん。
Posted by:国語力研究所代表 at 2008年02月27日(水) 20:22
「残業時間が1レベル下」「厳しさが1レベル下」「与えられる責任が1レベル下」

ですか。「給料」について言及がないのはなぜでしょうね。

1 続けて、「給料が1レベル下でもその方がいい」と続くはずなのを、コラムの論旨の都合上省略した。

2 「でも、給料のレベルが下がるのはいや」と続くのだけれど、コラムの論旨の都合上省略した。

3 もともと「給料」についての言及がないので、コラムの論旨の都合上あえて触れずにおいた。

半分冗談です(笑) が、こういうコラムで、厳然として存在する生涯賃金の差について目をつむった議論をするのはいかがなものでしょうね。
Posted by:垂渓庵 at 2008年02月27日(水) 01:18