(承前)
ぼくの生まれた家では、お正月の朝、仏壇と神棚に手を合わせる、というところまで書いた。
最後に、1月1日の朝、
床の間に飾った、こういう掛け軸に、お神酒とお雑煮を供えて、拍手を打つ。
……これ、何かわかります?
ぼくんちでは、「テンジンハン、テンジンハン」と呼んでいます。「天神様」、菅原道真公の掛け軸ですね、これは。
この、天神様をお正月に飾るというのは、とってもローカルな風習のような気がする。多分、子どもの成長を願う、という意味合いのものだと思うんだけど。
四国にも滋賀にも、こんな風習はないようだ。あ。誤解を避けるために付け加えておくと、四国の人と滋賀の人、それぞれと結婚した、つまり2回結婚した、てわけじゃありませんよ。カミサンの両親が、それぞれ四国と滋賀の人なわけです。
そんなわけで、いつか床の間のある家に住んで、お正月に天神様を飾るというのが、ぼくのささやかな願いです。
その他には、12月31日の昼飯あたりから1月3日まで、大人は毎食必ず眠くなるまで飲む、ということでしょうかね。……これは世代差も地域差も関係ないか。
12月31日の昼に飲み、「うー酔った酔った」と4時頃から昼寝して、晩にまた飲む。1月1日の朝から飲み、昼過ぎまで飲み続けて、「うー飲んだ飲んだ」と、昼飯は飲んだ後のシメ的位置づけになって、3時頃から昼寝する。夕方起き出して、「何かまだボーッとするけどな」と、また飲み始める……の繰り返しですな。
日持ちするおせち料理(暖房の入ってない部屋は、冷蔵庫よりも温度が低い、という地域特性もあるが)と、焼くだけでいいお餅ってのは、偉大だ。
おや?
天神様の左下隅に、何かあるな。何だろう。
おお、これは、両親とプーケット〜バンコクツアーへ行ったときのお土産の、象の置物ではないか!
天神様の脇に、タイのお土産の象か。なかなかシュールだな。
そういや、うちのオヤジ、バンコクのホテルから1人抜け出して、路地の屋台で、地元の人たちに交じってメシ食ってたな。言葉なんか、全く通じないのに。身振り手振りで注文して。
あれもまた、一種の国語力か。インターナショナル国語力。まあ、タイ人の老人にも、見えなくはないけどな。どこか、すごく田舎のほうから出てきた、訛りの強い老人、とでも思われたのかもしれん。