奥駿河湾釣り日記

酒、釣り、読書、ときどき国語力。なお、このブログはフィクションであり、登場する土地、機関、人物は、作者自身も含めてすべて架空のものです。

2018.01.03 12:50

池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」』(朝日出版社)読了。
 
高校生相手の講演・講義録なので、結構難しい話をしてると思うんだけど、読みやすく、かつおもしろい。ふーん、へー、というところがいくつもあった。
 
みなさんの役に立ちそうなところから、いくつか引用。
 
《恋人同士が「どうして私のこと好きなの」なんて訊くのは、あれは、ナンセンスなんですよね。(中略)たとえば、「優しいから」とか「しっかり者だから」なんて理由を挙げたとしても、それに対しては極めつけの必殺反撃がありますよね。「じゃあ、優しくてしっかり者ならだれでもよかったの?」と。》(p54)
 
では、どう答えるのが正解なのか。
 
《結局、近くにいる人はよく接しているから好きになりやすい。(中略)「どうして私のこと好きなの」と恋人に訊かれたら、「ただ単に長く一緒にいたからでしょ」と答えれば、まあ、それで正しいわけです》(p55)
 
うーん、これでも「そんだけ?」と怒られそうだけど。
 
でも、近くにいる人を好きになる、というのは当たっていると思う。中高のクラス替えのとき、最初は「かわいい子がいねえ」「カッコいい人がいない」なんつってたのに、いつのまにかカップルができていた、なんてこと、ありませんでした? 社会人でもありますよね。「同期、ハズレ~」なんつってたやつが、同期と結婚してたりね。
 
お。これは役に立ちそうだ。
 
《好きな人を振り向かせたいときには(中略)仕事を手伝ってあげるんじゃなくて、仕事を手伝ってもらう方がよいのです。》(p60)
 
なぜか。手伝った人は、次のような思考過程をたどるそうです。
 
「なんで手伝ってるんだろう」→「嫌いな人だったら手伝わないよな」→「あれ? じゃあ、この人のこと好きなのか?」
 
《一般に、自分が取った態度が感情と矛盾するとき、起こしてしまった行動自体はもう否定できない事実ですから、心の状態を変化させることでつじつまを合わせて、行動と感情が背反した不安定な状態を安定させようとします。》(p60)
 
というわけです。
 
そしてこれ、仕事にも応用できるそうです。人は、ギャラが安いからって、仕事を嫌いになるわけではない(仕事を強制することができれば、だけど)。
 
「自分はこんなに安いギャラでも働いてる」→「つまらん仕事をこんなギャラではやらんわな。てことは、この仕事はおもしろいんだ」→「おもしろい仕事だから、おれは好きでこの仕事やってんだ」
 
経営陣のみなさん、要チェックですぜ。
 
最後に、「正しい」について。
 
《「正しい」というのは、「それが自分にとって心地いい」かどうかなんだよね。その方が精神的に安定するから、それを無意識に求めちゃう。つまり(中略)自分が「心地よく」感じて「好感」を覚えるものを、僕らは「正しい」と判断しやすい。》(p120)
 
ネットの世界って、こんな感じですよね。
 
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