奥駿河湾釣り日記

酒、釣り、読書、ときどき国語力。なお、このブログはフィクションであり、登場する土地、機関、人物は、作者自身も含めてすべて架空のものです。

2017.08.20 12:50

8月14日。相変わらず世間はお休みムードであるが、我が家にも我が社にも何の関係もない。普段どおり淡々と仕事をする。
 
午前は終了したはずの新聞のルビ校正のような仕事を再チェック。うう、目が疲れる。
 
午後、某新聞から依頼されている某原稿を1時間半ほどで書いて送稿。楽勝楽勝……と思ったら、折り返し書き直しを命じられる。うう、厳しい。雑文業もラクではない。
 

 
帰宅後、オヤツを食う。
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3メートル離れて見ればポッキーだけど、よーく見れば「ポリッキー」である。
 
でも、目をつぶって食えば、あ、ポッキーだ、という気がしなくもなくなくない。
 

 
オヤツを食いつつ、熟成させておいたアジを調理する。
 
半身はフライにする。
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もともとがでかいので、通常の形のアジフライではない。一口大に削ぎ切りにして揚げる。
 
でも味は、おお、アジだ。アジフライも久しぶりだけど、うまいな。
 
半身はタタキにする。
 
が、身の弾力がすごくて、なかなか細かくたたけない。
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粗タタキ、てことで食ってみる。どれどれ。
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おお、脂がのっとる。うまい。正直、マダイよりうまかったぜ。
 
これ、メシにのっけて食いたいよな。
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てことで、アジタタキ丼。
 
「アイスもつくったよ」
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金時豆と生クリームでこしらえた、和風のアイスである。
 
なかなかやるじゃん。
 

 
そして8月15日も仕事である。三島の街はすっかりお祭りモードであるが、我が家にも我が社にも何の関係もないわけである。
 
にしても、今年から「三島夏祭り」じゃなくて「三島大祭り」になったのには、何の意味があるんだろう。
 
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2017.08.19 12:50

8月13日、釣りから帰って魚をさばく。50UPとはいえ、アジだから楽勝である。
 
その後、昼飯。冷凍のアラ煮を具にしてチャーハンをこしらえる。
 
昼飯のあとは昼寝。2時間以上寝てしまった。疲れてるのか、おれ。
 
そして夕方、某所へ出かける。某打ち合わせがあったのである。
 
6時スタートで、終了は9時近くであった。この時間帯にシラフでいるとは、えらいぞ、おれ。
 
帰宅後、焼酎お茶割りをガブガブ飲む。ふだん10時前には寝ている人間にとっては、こういうタイムスケジュールはなかなか大変なのである。
 
だったら打ち合わせしながら飲めばいいじゃん、と思われたかもしれないが、そういうわけにもいかないのである。クルマで出かけてるしな。
 
晩飯にあまり手もかけられないので、この日はアジの中骨やらカマやらを焼いて食う。
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うむ、脂がのっていてうまい。
 
合間に、キュウリの塩昆布和えも食う。
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うむ、サッパリするのう。夏らしい。
 
さすがにこの日は、10時前に寝るのはムリであった。
 

 
晩飯を食いつつ、731部隊を扱った番組を観る。
 
たまたま、であったが(ほぼ寝る時間だからね)、これは観てよかった。
 
番組の最後に、おそらく良心の呵責に耐えかねてであろう、自殺した医師が紹介されていたが、一方で、戦後、大学のエライさんになった731部隊関係者もいる。
 
彼らは、どういうふうに自己を正当化したのだろう。
 
うまい酒を飲めたんだろうか、うまいメシを食えたんだろうか。
 
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2017.08.18 12:50

そんなこんなで、8月13日、少々出遅れてマリーナ到着。
 
ちゃっちゃと支度して、5時過ぎ、出航する。
 
しかし。
 
落とし込み仕掛けを入れてもサバ。タイラバを巻いてもサバ。ダイソージグをしゃくってもサバ。
 
目の前のエリアでもサバ、すぐ近くのエリアでもサバ、ちょっと西のエリアでもサバ。
 
うーん。コヅクラでも混じってくれりゃお土産になるんだけどなあ。
 
ここんとこ、水深40~50台をメインにしていたんであるが、浅場じゃサバしか釣れんか、てことで、ラスト1時間、久々に水深70~80台まで出てみる。
 
さすがにこの水深のボトムを攻めれば、サバは来ねえだろ。
 
と思ってタイラバを巻いていると、着底後巻上げ直後にバイト。ほっほー。狙いどおり。
 
慎重に慎重に巻いていく。おー、いい感じでライン出すなあ。50UPぐらいか?
 
よしよし、リーダー入った……ところで横っ走りしやがった。
 
かーっ。この水深のボトムでもサバかよ。
 
その後も、ボトムでバイトがあるも、こいつは食い上げたんで明らかにサバ。
 
そして最後の一投。ボトムではバイトなし。結局お土産ナシかあ……と思って早巻きで回収していると、途中で何かが食いやがった。
 
まったく、最後の最後までサバかよ、いっちょまえにライン出しやがって、メンドくさいから外れちまえ、とばかりにさらにゴリ巻きで回収すると、あれ? あれれ?
 
浮かんできたのは、釣り番組ではギガを冠して呼んでいたけど我々は謙虚だからメガをつけて呼ぶ、50UPのアジじゃん!
 
あわててタモをつかんでランディングする。ふー、あんなゾンザイな巻きで外れなくてよかったよかった。
 
ナイフ入れてシメてる時間がないので、サバ折りにしてイケスに突っ込み、血抜きしつつ帰航する。
 
最後の最後で、なんとかお土産ができてよかったよかった。
 
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2017.08.17 12:50

8月12日、世間はお休みムードが漂っているが、我が家にも我が社にも何の関係もない。
 
普段どおり淡々と仕事をする。
 
新聞のルビ校正のような仕事がようやく終了。引き続き、某新聞から依頼されている某原稿も書かねば……と思ったんだけど、力尽きて帰る。
 

 
8月13日。さすがに日曜日はお休みである。仕事のことなんか、1ミリも考えてはいけない。なわけで、海に出る。
 
3時起床、4時に家を出て、あ、ガソリン買っとこう。半タンしかなかったからな。2ストオイルは、と。ガソリン4リッター分しかないか。じゃ、4リットルだけ買うか。数百円分、カードで買うのも申し訳ないよな。よし今回は現金で買うことにしよう。ええと、700円ぐらいあるから、これで大丈夫だろ。
 
4時15分、国1沿いの、基本セルフだけど店員さんもいて携行缶にガソリンを入れられるスタンドに寄る。
 
すんませーん、携行缶にガソリンほしいんすけど。4リットル。ごめんね少しで。
 
「お支払いは……」
 
あ、現金で。
 
「じゃ、前払いになってるので、最初に機械にお金入れてもらえますか」
 
はいはい、えーと、あれ? どこに入れるの?
 
「あー、お札しか入んないんですよ。小銭、両替しましょうか?」
 
両替っつーのは普通大きいお金を小さいお金に崩すことなんじゃないのかと一瞬思ったがまあそれはよかろう、そんなことはともかく両替しようにも700円ぐらいしかない、これをいったい何に両替しようというのか。
 
すんません小銭しかないんすよ。
 
「あー、そうなんですか。ちょっと待ってくださいね」
 
店員さん、事務所に入ってなにやら機械を操作し始めた。
 
そして戻ってきて給油。
 
さらに事務所へ行って精算。
 
500円ばっかしのガソリンを買うのに、ずいぶんと手間をとらせてしまった。スミマセヌスミマセヌ……。
 
オトナとして千円札1枚ぐらいは持って外出せねばならぬ、というのがこの日の教訓であった。
 
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2017.08.16 12:50

8月10日。すでに食う魚がない。
 
冷凍庫に山ほどあるトリムネ肉でも使うか。
 
ところでこいつ、スーパーカドイケで2キロ880円(一応、特売品)で買ったわけであるが、その数日後、680円で特売してやがっ……もとい、特売なさっていた。
 
こういうことがあるとさ、悩んだときは買い控えようって意識になるよな。
 
それはともかく、トリムネ肉である。
 
前日、皮を炒めたとき、大量の油が出た。そのときはスプーンですくって油は捨ててしまったのだが、ふと思いついた。
 
この油で、ジャガイモの拍子切りを揚げ焼きにすれば、つまりフライドポテト状にすればイケるのではないか。
 
早速、やってみる。
 
トリ皮をじっくり炒めて、大量の油が出たところに、拍子切りのジャガイモを投入。
 
ジャガイモがカリッとしたところで、トリ皮と一緒にいったん取り出し、余った油を捨てる。
 
タマネギピーマンを炒め、火が通ったところでトリ皮とジャガイモを戻し、クレイジーソルトで味つけ。
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なぜかパルメザンチーズを振ってみる。
 
ふむ。酒のツマミにはなるな。
 
しかしメシのオカズとしては少々頼りない。
 
トリの身のほうを、チリソース炒めにして食う。
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レタスでもしいたほうが見栄えがするな。
 

 
8月11日は、山の日だそうである。しかし我が家にも我が社にも何の関係もない。普段どおり淡々と仕事をする。
 
古典の教材の校正をしているわけであるが、問題編はまだいい。解答解説編がツライ。何がツライかというと、字がちっちゃいのである。新聞のルビの校正をしているみたいだ。目が異様に疲れる。若い頃は大丈夫だったんだけどなあ。
 
かつてカトー社長が「年取った編集者なんてありえんでしょ」と言っていたが、なるほどこういうことだったか。
 
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2017.08.15 12:50

(承前)
 
釣りは人生に似ている。いや、人生が釣りに似ているのである。
 
なんてことを考えながら帰宅し、魚をさばく。ソコイトってサイズのわりにウロコでけえよなあ。
 
魚をさばいたあとは、昼飯を食って昼寝……となるところであるが、この日はそうはならない。
 
12時半、炎天下の中、徒歩で外出する。
 
銀行やら市役所やら、いろいろと用事があったのである。
 
まあいろいろと時間がかかって、結局帰宅したのは3時半であった。
 
あの酷暑の中、よく頑張った。
 
途中、多少クラクラしたが、これでまた一段、暑さに慣れたような気がする。
 

 
帰宅後に1時間ほど昼寝する。
 
起きてからはティータイム。
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プラリネ。甘いもんがカラダにしみるね。
 

 
さて晩飯はどうしよう。ソコイト1じゃ、オカズが足りん。
 
冷凍庫に山ほどあるトリムネ肉でも使うか。
 
皮をニンジンピーマンと炒めてみる。
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なんとなく、削り節を振りかけてみる。
 
身は茹でて冷まして裂いて、レタス豆腐と一緒にサラダにしてみる。タンパク質タンパク質。
 
ソコイトのアラは焼いてほぐしてぽん酢で食う。
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オツマミオツマミ。
 
ソコイトの身は、トリムネ肉と一緒にクレイジーソルトで下味をつけて、オリーブオイルで焼く。
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レモン汁かけて食えばいいかと思ったんであるが、試みにワサビ醤油で食ってみると、白いメシによく合った。
 
まあ、とりあえずバランス的には悪くない構成になったんではないか。
 
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2017.08.14 12:50

8月9日の天気予報も、風はないが波3メートル。またまたヤフーさん、まったくもう……てことで、9日はお休みにして海に出る。前の週はなんと6日も働いたからな。働き過ぎで倒れちまうぜ。
 
3時起床、4時に家を出て、5時過ぎ出航。ほれ、何が3メートルだよ。
 
ただ、荒れた天気の後では、川から流れてきたゴミが大量に浮いていることがあるので、西方面のエリアは避けておこう。
 
さーて、どこ行くかな。目の前のエリアでしばし思案したあと、久々に近くのポイント周りへ行ってみることにする。
 
イサキかアジでも釣れんかな、あわよくばそれをエサにしてカンパチでも……と考えたのである。
 
近くのポイントまではほんの数分である。到着後、魚探を見ると、何かの群れがいる。
 
試みにやっすいサビキ仕掛けを入れてみると、お。トーゴローっぽいけど、イワシいるじゃん。
 
やっすいサビキ仕掛けを落とし込み仕掛けにチェンジする。
 
ベイトをつけて中層に置いておくと、あ、食った。けど、こいつはあれである。釣り上げてハリを外そうとすると、マナーモード時のケータイのようにビビビビビビ、と震えるやつ。ソーダである。リリース。
 
ベイトをつけてボトム近くに置いておくと、うーん。全然暴れん。ボトムもベイト反応すごいんだけどな。なぜそれを食おうとする魚がおらんのか。出てこいや。
 
あれ?
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なんだか向こうで、海面がすごいことになってるぞ。何かがボイルしておる。鳥も殺到しておる。拡大してみよう。
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マグロか? カツオか?
 
用意してきたダイソージグを活躍させるべく、現場に急行しようかと一瞬考えたんであるが、あまりのボイルの激しさに、やっぱりよしておく。ヘタレだ。
 
そんなこんなで1時間近くやったあと、見切りをつけてごく近くのエリアへ移動。
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しかし、うーん、ベイト反応がイマイチだ。たまーに出る反応にあてようとすると、その前にサバやソーダが食ってくるし。
 
思っていたよりゴミも浮いてないし、西のエリアに行ってみるか、てことで移動。
 
しかし、河口を越えたあたりから、かなりのウネリである。これはおっかない、てことで再びごく近くのエリアへ移動。途中、単体っぽい反応にタイラバあててみるんだけど、食わんなあ。
 
ごく近くのエリアもパッとしないので、再び朝イチのエリアに移動。
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完全に迷走ってやつである。
 
ダメだ、今日もお土産ナシか。タイラバロッドを置き竿にし、落とし込み仕掛けを片付け、さあタイラバも回収して上がるか……と思ったら、あれ? 何か重いな。引き重りか? いやいや何かついてるぞ、これ。
 
上げてみると、30センチほどのソコイトであった。
 
リリースしても浮いちゃうしな、これ。キープしとくか。1人前のオカズにしかならんけど。
 
てことで、ソコイト1をお土産にして帰る。
 

 
帰航後、ごく近くのエリアでジグを投げていたレンタルボートの人に様子を聞く。
 
「いやあ、入れ食いでしたよ! ほら」
 
ワカシ以上、イナダ未満のやつが大漁である。
 
ほー、これならいいなあ。やっぱダイソージグ、登板させるべきだったか。
 
後悔と悩みは尽きない。
 
それが釣りである。
 
(続く)
 
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2017.08.13 12:50

スティーブン・R・バウン『最後のヴァイキング――ローアル・アムンセンの生涯』(国書刊行会)読了。
 
まずは「訳者あとがき」から。
 
《現在の若い人たちはアムンセンを知らない人が多いようですが、五十代以上の人たちでは小学校の頃に南極点を初到達した人物として覚えた記憶のある方々が多いのではないでしょうか。》(p363)
 
まさにそのとおり。超有名人。でも、アムン「セ」ンじゃなくて、アムン「ゼ」ンだったんじゃないかな。にしても、若い人は知らんのかー。それを知らんかった。生まれた年によって常識も異なるんだなってことを実感した次第。
 
にしても、たかだか100年前である。北極点や南極点到達に躍起になっていたのは。
 
それが現在はツアーで行けるようになっちゃってるもんね。
 
喜ぶべきことなのか、なんだかつまんないねと言うべきなのか。
 
でもさすがにエベレストとかは……と思って調べてみると、これもすでに、そんなに敷居が高いってわけでもないみたいですね。カネと体力があれば登れる由。
 
冒険家にはやりにくい時代だ。
 
アムンゼンの言葉から、一箇所だけ引用しときましょう。
 
《「完全な準備のあるところに勝利がある。人はそれを幸運と呼ぶ。準備を怠った者には敗北が待っている。人はそれを不幸と呼ぶ」》(p169)
 
なんてことを言いつつ、晩年、おれはもう少し報いられてもいいんじゃないか、と感じていたっていうのが人間くさい。
 
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2017.08.12 12:50

ピーター・アーリンダー、薄井雅子『えひめ丸事件――語られざる真実を追う』(新日本出版社)読了。
 
えひめ丸事件のニュースを観たのは、クドーさんたちと仙台駅で牛タン食ってるときだったか。あの頃は年に数回、仕事で仙台行ってたな。萩の月の簡易包装版をお土産に買って帰ったもんだ。凍らせて食うとまた美味いんだよな、萩の月。
 
なんてことはどうでもよろしい。
 
この本、『舷窓百話』で知って読んだわけであるが、読まれるべき本である。米海軍も、愛媛県(当然、国の意をうけているんだろうが)も、ひでえな。さらに言えば、米海軍のほうが後ろめたさを感じているようである分、まだマシで、愛媛県(当然、国の意をうけているんだろうが)は、しゃあしゃあとやっているという印象を受ける。被害者のみなさんが気の毒でしょうがない。
 
いくつか引用。
 
米海軍は潜水艦のワドル艦長を軍法会議にかけなかった。
 
《ファーゴが自分の裁量でワドルを名誉除隊処分にし、自分たちの将来の災のもとをさっさと追い払ったのは当然といえば当然だった。アメリカの軍隊内部の「裁き」とはこういうものだ。上官の責任にまで及びそうなときは、下級兵士たちをお払い箱にして自分たちを守る。》(p146)
 
事故当時、潜水艦には民間企業のエライ人たちが乗っていた。軍のエライ人たちは、そこにまで突っ込まれるのを避けたわけです。
 
そして愛媛県は、県が依頼した弁護団を被害者と家族のみなさんに紹介した。「よかれと思って」というフリをして。
 
《県と県の弁護士たちは、家族たちに会う前に、次の点をよく知っていたはずだ。①えひめ丸事件の徹底調査は、海軍の責任のみならず船主である愛媛県の責任を提起するかもしれず、②弁護士が、県と被害者双方を代理することは「利益相反」である、ということを――。》(p186)
 
《県はえひめ丸の安全性に問題があることを知っており、将来の責任追及の芽をことごとく摘み取ろうとしたのだとしか考えられない。》(p198)
 
米海軍がワドル艦長を軍法会議にかけなかったことは、結果として愛媛県をアシストすることにもなった。
 
《もしワドルが軍法会議にかけられたら、ギティンズ弁護士は、えひめ丸の船体の安全性の問題、生徒や乗員がなぜ逃げ遅れたかを詳しく追及しただろう。そうなれば、船の持ち主である県の責任も俎上にのぼった可能性がある。》(p211)
 
どう考えても、被害者ファーストではない。
 
《愛媛県は、直接・間接に、被害者・家族にたいして“県との相乗り示談での解決”が好ましいという圧力をかけ続けた。/知事のほのめかしばかりでなく、行政側からさまざまな“直接的圧力”が家族にたいしてかかってきたという。》(p225)
 
ちなみに「知事」とは、先日の国会での閉会中審査にも登場していた、あの、なかなかキャラの立った知事さん。そう思うと、なんだか味わい深い。
 
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2017.08.11 12:50

鈴木邦裕『舷窓百話』(海文堂)読了。
 
以前のように頻繁には海に出られないので、代わりにこんな本を読んでみる。
 
主に海や船や航海にまつわるコラムを100編集めたものである。
 
なんだか割とアベさんに近い思想の人のような気もしたが、そんなことは気にしないでおこう。
 
こういう本は、収められている文章のいくつかが面白ければアタリとすべきであって、全編「こりゃおもしれーや」というのはまずありえない。
 
その意味では、ハズレではなかったと言えるだろう。
 
ただ、2級船舶免許ぐらいじゃ(1級でも?)歯が立たないところもあって、まあ、そんなところはすっ飛ばせばよろしい。
 
ボートなんかに乗らない人にも役に立ちそうなところから、少し引用しておきましょう。
 
第十二話、「世渡りと淮陰侯韓信の逸話」から。世渡りのコツです。
 
《次の権力者は誰かを見極めて嫌われないようにするのも一法だろうが、敵をつくらないことが一番だろう。讒言は世の習いだ。また、男性は女性よりも嫉妬心が強いことを決して忘れてはならない。》(p42)
 
若いみなさん、頑張ってくださいね。
 
第二十三話、「運の良し悪し」から。ミッドウェーでの敗戦後の話です。そして同じ過ちを繰り返し、先の戦争はああいう結末を迎えた……というくだり。
 
《このとき、大敗した原因を解明するための軍法会議や査問委員会は行われなかったのである。理由はこうだ。/「敗れたことについて、当事者は十分反省していることであり、いまさら屍を責めても仕方がない。つつけば上層部にも類が及ぶから原因の究明を行わなかった」。》(p83)
 
あと、「敗れたけど現場は頑張った」という言い方もあるよね。しかし、頑張っただけで褒められるのは、せいぜい小学校までではなかったか。
 
ありゃ。
 
だとすると、先の「頑張ってくださいね」はダメか。
 
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