(元)北大生編集者のキタラボ

キタラボには、大好きな北海道の魅力を探求していく「北の研究室」という意味と、クラシック音楽好きのあまり、学生時代にバイトしていたコンサートホールの愛称を組み合わせたものです。北海道のこと、音楽について、お仕事について、経済学修士の視点で(?)書いていきます。

     
経営学は誤解されている(2)
[2008年08月28日(木) ]

昨日の日経新聞の一面に、「従業員のやる気アップ」の成功例として、こんな事例が紹介されていました

目標管理評価では、個人個人で目標を掲げますが、その掲げられた個々人の目標を全社に公開してしまうのだそうです。これにより、周りの人を巻き込んで目標を達成する風土を作り上げることができたのだそうです

それが、画期的なサービスを驚くほどの短期間で制作できた理由なのだとか

キタラボは縁あってその企業を一度訪問したことがあるのですが、非常に明るい雰囲気でした。30分ほどフロアの端から見させていただいただけですが、非常に広々としていて、楽しく働ける職場のように感じました


さて、目標管理評価ですが、これを欧米式成果主義の採用ではなくて、従業員のやる気アップ施策の導入だとしたら、どうでしょう。

欧米式といわれる成果主義の制度でも、やりようによっては日本に定着するのです

これは、逆も言えるようです。
80年代には、欧米の企業がこぞって日本的経営を参考にしたようですし、トヨタ生産システムのカイゼンJITなどは、世界共通語となっています

日本的とか、欧米式で切り捨てるのではなく、功も罪もある制度の罪の部分をいかに改善して、よいものにしていくか…この蓄積が、経営学の成果となるのだと思っています
経営学は誤解されている(1)
[2008年08月27日(水) ]

経営学を学習したことってありますか?

4Pとかでしょ」

…間違いではありませんが、それは経営学(しかもマーケティング論)の切れ端を切り抜いただけの単なるクイズです


経営学にもう少し踏み込んでいくと、こんな2軸の対立にめぐり合います

日本的経営
アメリカ(欧米)式経営


両者がどんなものか、経営に少しでも興味がある人や、試験などで勉強させられた人はわかるはずです

キタラボが在学中、「国際経営論」という講義を受講していました

民間企業に在籍していたり、アメリカの大学で学ばれていた経験を持つ、柴田先生による講義で、主にアメリカの経営を紹介し、「目標管理評価」「360度評価」などを、最新の動向として紹介されていました

目標管理評価とは、「成果主義」の「成果」をいかに納得性のあるものにするか、という視点から開発されたものであり、成果を社員の業務から遠く離れた全社目標や部署目標とするのではなく、その人が達成可能な身近なものとすることで、個々人が明確な目的を持って職務を遂行できるようになる、ということでした。

欧米型の象徴とされる成果主義から派生したものです
日本の多くの企業にも普及してきているようです。


ところが、世の中には、
日本ではそれはうまくいかないよ
日本に欧米型の経営を押し付けても、価値観が違って合わないんだよ

もっと言えば、経営学なんて机上の空論。
学者が頭で考えたことなんで、現場では役に立たない

という人たちがいます。


んー、経営学ってなんなんでしょう。
みなさんは、どう思われるでしょうか
選好の推移性
[2008年08月26日(火) ]

経済学の多くの分野が前提としてるのが、
合理的な人間です

合理的な人間の特徴のひとつとして、
選好を表明できるというものがあります

選好とは、「AかBか、どちらがより好ましいか」というものです。

経済学では、人間の行動は選好に基づいているとされています。

この人間の行動を科学するためには、
個人の表明する選好は、
いくつか満たしていなければならないこと
があるのですが、
今日はそのひとつ、推移性について考えてみましょう

選好の推移性…
ある個人が、
みかんよりもりんごが好ましいと考えている。
さらに、りんごよりもブドウのほうが好ましい
と考えている場合、
その個人は、ブドウみかんよりも好ましい
と考えているといえる

確かに、A<B、B<Cならば、当然A<Cですよね。

どうでしょうか、当然でしょうか?


例えば、こんなものがあります。
石よりは、紙がいいです。
紙よりは、はさみがいいです。
はさみよりは、石がいいです。


これは、じゃんけんです
A<B、B<C、C<A…
と、ずーっと続いていって、
何が一番よいのかわからなくなってしまいます。


すべてのものに対し、はっきりと、A>Cと言えるかどうか…
みなさんの中でも、こんな選好のものってありませんか?
野球メダルを逃す…
[2008年08月25日(月) ]

とても残念な結果になってしまいました

原因とか、戦犯とかいろいろあるでしょうけれども、いい野球ができなかった。相手の方がいい野球をしていたということでしょう

でも、日本が下位に差をつけた世界の4強であるという結果が出ました。
予選リーグ日本は4勝3敗、次は2勝5敗です。

サッカーだって、ブラジルやオランダなどの強豪国ですらなかなか勝てない
世界レベルの大会とはこういうものだということなのでしょう。

日本の準決勝だって、3位決定戦だって、紙一重の試合
決勝戦の韓国対キューバの試合も本当に紙一重のところでした。


それよりも、こんなに高いレベルの野球を見れたことが、楽しくありませんでしたか?
抜群のコントロール、見たこともないキレのある変化球、強振してもぶれない打撃フォーム…
1球1球に、すごい緊張感が詰まっていました。
その中心に日本もいたのです

多くの人に、そんなすばらしい体験をできる喜びを感じてほしい


身内や、関係者、愛着のある人の挙動ばかりに関心が向かい、物事の持つ本当のすばらしさを見逃してしまうことはとても残念なことです。

特に、評論家(あらゆる分野の)といわれる人々に、この姿勢の欠如を感じています
音楽評論の世界ではそれが顕著です…


日本がメダルを逃した日の夜、韓国対キューバ戦をテレビで観る…
そんな風景が、日本中のさまざまな場所で見られることを願っています
音楽の冷戦
[2008年08月22日(金) ]

西側諸国と東側諸国の冷戦
実は、クラシック音楽の世界でもありました

東側の音楽家は、西側へは容易に演奏旅行をすることができず、鉄のカーテンの向こうで幻の存在となっていた人たちも数多くいました

旧ソ連の指揮者といえばこの人、
エフゲニー・ムラヴィンスキー

レニングラードフィルの音楽監督を長らく務め、旧ソ連の音楽界の象徴的な存在でした

そのムラヴィンスキー率いるレニングラードフィルが西ヨーロッパに客演したとき、西側の音楽家たちに衝撃を与えたそうです。西側の音楽とは一線を画すストイックな音楽作り、異常なまでのテンポの速さにピタリとついてくるアンサンブル

「東側のクレンペラー」とも呼ばれたそうです。
↑これ、わかる人は相当なマニアですね…


そのとき、西側のレコード会社である、ドイツ・グラモフォンに彼らが録音したチャイコフスキーの交響曲第4番・第5番・第6番「悲愴」は、録音技術が劣るため、まともな記録が残されていない東側の演奏を伝える貴重なものとなりました

長らく、名盤として語り継がれてきましたが、最近ようやく購入しました。
ドイツグラモフォンのリマスタリング盤である「オリジナルス」の輸入盤です。
(遅い…?)

1960年の録音です
かなり古い録音で、トランペットの1stとホルン(前列かな)の音を拾いすぎていてバランスが悪く(鋭さを出すために、意図してそうしているのかもしれませんが)、空間芸術としてのオーケストラ演奏を堪能することはできませんが、前述の急速なテンポや、陰鬱な表現など当時のムラヴィン+レニフィルの水準の高さを感じるには十分でした

ただ、プレイヤー個々人のレベルは、世間で言われているほど高くないかな…
オーボエを始めとして音程が悪い奏者が散見されるし、楽器が鳴っていない感じのパートも多いし、表現の引き出しもそれほど多くありません

この無骨な感じをロシア的ですばらしい
といってしまえばそれまでなんですが…

ちなみに、HMV(リンク先)のユーザーレビューでは大絶賛です…
市場の不思議(1)
[2008年08月21日(木) ]

最近、漁船の一斉休漁が新聞記事などをにぎわすことがあります
原油の高騰により、コストをまかないきれないためです
操業するだけで赤字を増やしてしまう状況と、
原油高騰に対する、抗議の意味もあるようです

漁業組合は、重油の値上がり分を補填するよう、政府に働きかけています


これを読んで、またしても「あれあれ」と思いませんでしたか?


魚の価格は、どこで決められるのでしょうか。

市場です

しかも、市場が具現化されている魚市場(いちば)です

複雑なそのほかの商品市場(しじょう)や製品市場(しじょう)があふれる中、もっとも単純で原始的な姿の「市場」で、魚は取引されているのです

市場メカニズムは、常に最適な資源配分を約束してくれます。
需要や供給の変化は価格により調整され、所得の変化は、需要曲線のシフトにより調整され、コスト構造の変化は供給曲線のシフトにより調整されるのです。


どうして、政府の助けが必要なのでしょう?


もっとも単純な市場で、市場メカニズムが機能していないのは、由々しき事態です
積丹のウニ丼
[2008年08月19日(火) ]

せっかくウニの話になったので。

年に一度の幸せな瞬間です。
一部で熱狂的に騒がれるウニですが、
ウニの採れない地域の人は、嫌いな人も多いのではないでしょうか。

食感はないし、なんかクサイし、後味苦いし

キタラボも静岡にいた頃はそうでした。
とはいっても、18年間で数回しか食べる機会はなかったのですが。
今ではとても信じられませんが、ウニイクラは好きではなかったのです。

北海道に来て、大学の授業の一環で行った天売島で、初めて北海道のウニを食べました。それから、ウニが私のハートをつかんで離してくれなくなってしました

臭みなんてないし、甘いんです


で、積丹のウニ丼
毎年食べている、余市のウニ丼も相当おいしいと思っていましたが、
さらに上をいく味。新鮮の塊を食べているような甘〜い後味に、感動しました

今回食べたお店は、地元ではかなり有名なお店「なぎさ」
ガイドブックにも載っている「ウニ丼の元祖」だそうです。
その名に違わぬ絶品を堪能させていただきました


エゾバフンウニのウニ丼は数量限定で、昼過ぎに行ったらもうありませんでした…
ムラサキウニでも大満足。来年はバフンウニを…



【イベント告知】
明日、20日に丸の内OAZOにある丸善丸の内店にて、Z会キャリア開発コースによるTOEIC学習相談会を開催します。
英語ができないキタラボは、ビラ配り要員(?)として参加します
ぜひ足をお運びください!
市場メカニズムの不思議
[2008年08月18日(月) ]

経済を勉強していて、「あれと思うことがあります。

今日は、そんなお話を。

市場メカニズムは、古典派経済学では神聖なる領域に達しており(有名な「見えざる手」に象徴されていますね)、市場メカニズムが機能すれば、経済は効率的になるというのが定説です

古典派に限らず、経済学においては、「市場メカニズムが正常に機能させるために、あらゆる手段を講じる」という理論が多く、市場メカニズムは打ち損じない4番バッターのように、ストライクゾーンにさえくれば、必ずいい結果を出してくれるような頼れる存在です

市場では、高いものはあまり売れず、安いものはよく売れます。
また、供給の少ないものは値段が高くなり、供給の多いものは値段が安くなります。
(需要は、この逆ですね)

一方で、市場では、品質のよいものは高く売れ、
品質の悪いものは安くしないと売れません。
ふむふむ、あたりまえじゃないか


でも、待ってください。
キタラボの大好きなウニですが、
夏場の一番おいしい時期に最も安くなり
時期が外れるとおいしくないのに高いです

価格と品質が一致していないのでは?


これは、ごく短い期間の需給関係で価格が決定してる、
ということで、一応説明がつきます。
ウニのシーズンという同じ時期であれば、市場メカニズムは成立しているのですね。
ウニは保存が利かないことも要因かもしれません


ですが、なんだか腑に落ちませんね。
ウニの気持ちになると、一番いいときほど高く買ってもらいたい気がします


ん、ちょっと待てよ。
同じ時期でも
東京で食べるよりも、札幌で食べた方が、
札幌で食べるよりも、利尻礼文や、天売焼尻、積丹、奥尻で食べた方が
安くておいしいんですけど…


市場メカニズムに、日本の4番は任せられないかもしれませんね
サイトウキネン・フェスティヴァル
[2008年08月15日(金) ]

今年も開幕しました
サイトウキネン・フェスティヴァル松本

もはや世界の音楽ファンの誰もが認める指揮者、小澤征爾が提唱して創設された日本が世界に誇るクラシックの音楽祭です

毎年、8月中旬から9月上旬まで、長野県松本市にて
オーケストラから室内楽、そしてオペラや宗教曲の公演が多数行われます

この音楽祭の主役は、なんといってもこの時期だけに結成されるサイトウキネン・オーケストラ
小澤征爾を含む、日本のクラシック音楽教育の礎を築き上げた斉藤秀雄さんの教え子たちが中心となって、世界各国から名手たちが集う、スーパーオーケストラです

どんな人たちがいるかというと…
カール・ライスターさん(クラリネット):カラヤン時代のベルリンフィルの首席奏者
ヨハン・ストレッカーさん(トロンボーン):ウィーンフィルのバストロンボーン奏者
工藤重典さん(フルート):ランパルの弟子で、世界的にも有名なソリスト
ライナー・ゼーガスさん(ティンパニ):ベルリンフィルのティンパニスト

そのほかにも、超有名人がひょこっと出演していたります。
現在、世界一のホルンニストといってもよい、ラデク・バボラークが数年前に出演したこともあります。普通にいて、ビックリしました

このオーケストラ、まずアンサンブルがすばらしい。これは斉藤秀雄さんの遺産かもしれませんね。全体的に規律正しく、そしてよく鳴ります。(個人的な感想ですが)


これまでの演奏の中でキタラボのお気に入りは、
マーラー交響曲第2番「復活」(1999年1月・東京文化会館/ソニーよりCD化)
バルトーク管弦楽のための協奏曲(2005年・松本文化会館/フィリップスよりCD化)
ベルリオーズ幻想交響曲(2007年・松本文化会館/フィリップスよりCDとDVD化)

遠慮しなくなったのか、熟練のなせる技なのか、最近の小澤のタクトからは、名演が多く誕生しています

今年は、マーラー交響曲第1番「巨人」です。
圧倒的なフィナーレを持つこの名曲を、どのように描いていくのか、今から楽しみで仕方ありません

コントロールの重要性
[2008年08月14日(木) ]

昨日のオリンピックの野球キューバ戦、観てしまいました

キューバのバッターの対応力はすごかったですね。
スイングスピードも速い
ダルビッシュも普段よりもコントロールが悪く
調子は悪かったように見えましたが、いつもなら振ってくれるコースを見逃されたり、空振りしてくれる球をカットされたり、むしろキューバ打線を賞賛したくなる内容でした

成瀬高めのストレート(かなりボール球)にキリキリ舞だったり、
マー君スライダーとストレートのコンビネーションについて来れなかったり、
探せば、いろいろ弱点はありそうなキューバ打線ですが、
弱点を突くにしても、コントロールが重要になるということを再認識しました

私も、大学時代のソフトボールで、ピッチャーをしていました。
一応、球速には自信があったので、「指にかかるいい球を投げよう」としていました。
相手もびびるような速い球で三振の山…ピッチャーの憧れの姿ですよね

ですが、結構打たれてしまいます。
いい球を投げようと意識するあまり、
コントロールがおろそかになり、
ど真ん中の球が多くなっていたのです

逆に、8割くらいの力で、コースを狙って投げたときの方が、よく抑えられました


最近、日本経済の先行きが暗くなってきたからといって、
そんなことは、かなり前から分かっていたことですが…
急に、多彩な変化球をいろんなコースに投げ分けさせようとするリードが声高に叫ばれるようになりました
…選挙目当てなのでしょうか?

経済指標の鈍化は、財政出動の号砲ではありません

変化球の投げすぎは、ひじを疲弊させますし、
投球フォームを崩してしまいます
そもそも、投げる側にコントロールがないと、
明らかなボール球や、打ちごろのボールばかりになってしまいます
昨日のダルビッシュも、投げた瞬間にボール球と判るストレートでカウントを悪くし、
抜けたスライダーを痛打されていました。

三振で試合を終わらせるには、最低でも3球×27アウト=81球必要です
全員に凡打の山を築かせれば、最低1球×27アウト=27球で済みます
いいのは、どちらでしょう。


今度こそ投げるべき球を見極め、
しっかりとコントロールしてほしいものです。
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