Z会中学コースには、日々、会員・保護者のみなさまから様々な学習相談や質問が届きます。
このブログは、そんな学習相談にお答えする「学習アドバイザー」の日々をつづったブログです。
(ブログの「コメント」からの学習に関する質問にはお答えできません。ご了承ください。
また、コメント・トラックバックは承認制となりますので、公開までお時間をいただきます。)
[2008年11月02日(日) ]
こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は青山高校について見ていきます。ここまで問題を解いてきて、かなり出題のネタは似通っているということを実感します。今回も、最後の問題で空間図形における線分の和の最短距離の問題が出ています。
ネタはすでによくあるものですから、やり方について迷うところはないのですが、今回の問題は解きにくい問題だったと言えるでしょう。
では、いつものように印象に残った4問についてコメントしていきます。
大問1〔6〕
円の中心Oを求めてから半径OAに垂直な直線をひくという出題意図の問題ですが、接線をひくだけであれば、円を求めなくても△ABCを移動することで求めることもできます。まず、△ABCを結びます。辺AC上にAD=BCとなるような点Dをとります。点Aから半径ABの長さの弧をかき、点Dから半径ACの長さの弧をかきます。そして2つの弧の交点をEとします(点Eは直線ACに関して点Bと反対にとります)。すると△ABC≡△EADとなりますが、このときの直線AEは、求める円の点Aでの接線になっています。接弦定理は高校で学ぶことになりますが、知っている人はその作図でも正しいことを確認しておくとよいでしょう。
大問2〔3〕
放物線の性質を題材にした問題で、問題文に沿って解けばよいでしょう。∠FSHの二等分線とあってとまどいますが、△SFHが二等辺三角形であることに気づけば辺FHの中点を求めればよいことになります。これも年度が同じで偶然ですが、武蔵高校の大問2のネタと同じです。出題者の先生も「より工夫した問題」「最近は出題されていない問題」ということでテーマを探しますから、似たようなところに考えがいくのかもしれません。青山の過去問題を解く受験生は、ぜひ武蔵高校の問題も合わせて解いてみてください。
ここで少し脱線します。関数と図形の融合問題で、角の二等分線が出てくることはあまりないのですが、出題者の立場で少しだけ裏話をします。
出題者が問題を作るときには、数値が複雑にならないように数値を工夫して出題します。その際、二等分線の問題ではいろいろと数値の調整をするのですが、ルートが出てきやすいのが悩みです。でも、できればルートの出てこない問題を作りたいと思うのが出題者の心理。実は、3:4:5の直角三角形の大きいほうの鋭角の二等分線によって作られる直角三角形は、直角をはさむ角の辺の比が1:2、小さいほうの鋭角の二等分線によって作られる直角三角形は、1:3になります。
そのようにしてみると、直線FSの傾きは3/4、∠FSHの二等分線の傾きは2になっています。出題者の先生は、受験生が要らぬところで迷わぬよう数値にも気を使ってくれているのですね。実は、関数のグラフでの二等分線の問題は、だいたいどちらかのパターンで問題を作っていることが多いのです。
大問3〔3〕
証明すべき事柄がAE=BFですから、AEとBFをふくむ三角形を探すとよいでしょう。したがって、すぐに解けたかどうかは、2点CとE、CとFを結んで考えられたかどうかに集約できます。ここで大切なことは、作業をしながら考えること。手を動かしながら考えることです。最初から答えがわかる人はいません。短い時間で解く人というのは、必ず手を動かしながら考えています。数学が苦手だと感じている人は、そのあたりを心がけるようにしてみてはいかがでしょうか。
辺CEとCFが書けたら、△AECと△BFCが合同になりそうだということに気づきます。EC=EFですから、∠CEFが60°であれば△CEFが正三角形になって、CE=CFがいえます。このときに、円に接する四角形の性質を知っていると有利であることは間違いありません。∠Aは60°であり、その相対する角である∠BECの外角も60°です。つまり、∠CEFは60°です。学習指導要領の範囲外で、知らなくても説明できるのは事実ですが、やはり合格するような受験生というのは、この程度の知識は持っていると考えたほうがよさそうです。
したがって、教科書の発展事項として扱われている内容については、すべてチェックして使いこなせるようにしておきましょう。図形の分野でとくに差がつきます。
大問4〔3〕
この問題はかなり難しい問題です。問題文の図もかなり小さいため見づらく、ていねいに解いていくことが必要な問題だからです。この問題をとくにあたり、気づくとよいことを順に示しておきましょう。
・対称性を意識して考えること。とくに、ORとOTが等しいことから、RT=STに気がつくと計算が楽になります。
・直角三角形STVに三平方の定理を用いると、TVの長さを求めることができます。SV=TVに気づけば、直角二等辺三角形であることがわかります。
・VW+WX+XUの長さの最小値を求めるところで、「展開図」がひらめかないといけません。
・四角すいS-ATCUの側面の三角形の角は、すべて点Sのまわりで45°となります。したがって、側面の三角形3つの展開図において、∠USVは135°になります。しかし、ここでは△STCをSTに関して対称に移したのが△STA、△STAをSAに関して対称に移したのが△SUAと考え、△VSTがどのように移るか考えてみるとよいです。∠STV=45°から、△VUTはUT=2VT、∠VTU=90°の直角三角形です。ぜひ、図をかいて確認してみてください。
この問題では、うまく△VUTが直角三角形になったのですが、△SUVに着目して解く方法もあります。その場合には、辺USをSの側に、点Vから直線USに垂線をひいて考えます。鈍角が135°や120°のときには、補角が45°や60°になるのでこの方法が使えます。よく出てくる解法ですので、別解として合わせて学習しておくとよいでしょう。
最後に一言。今回の青山の問題は難しい問題ですから、いまの時期にきちんと解けなくても大丈夫です。みな過去問題の難しさに驚いてあせっているはずです。大切なのは、合格点までにあとどのくらい足りないのかを確認し、学習計画を練り直すことです。あせってばかりで勉強が進まなければできるようにはなりません。こんなときにこそ、日頃の自分のがんばりを思い出してほしいものです。Z会は、受験生のみなさんを応援しています。