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中学コースのヘルプサービス(質問回答サービス)に携わる学習アドバイザーとその周辺スタッフです。
日々、和気あいあいと楽しく、それでいて真摯に仕事に取り組んでいます。

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八王子東高校の入試問題(数学)

[2008年10月19日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。前回は、数学を好きになるための方法について書いてみましたが、どうでしたか? 大切なのは、「相手を知る」「できることから始める」「あきらめない」この3つでした。まだ読んでいない人で興味のある方は、10/12分をご覧ください。「お見合いと数学」というタイトルのユニークな内容です。

 さて、今回は都立の難関校八王子東高校について見ていきます。八王子東の数学の試験は、以前は1問だけ発想力を必要とする問題が混じっているという感じで、日比谷までの手ごわさは感じないけれども、満点を取りにくい試験だという感じで思っていました。もちろん試験で満点を取る必要はないですし、満点を取る人もほとんどいないことからとくに問題はないのですが、その問題だけを見て難しい学校だという印象をもつ人もいるのではないかと思っていました。しかし、今年の問題を見る限りでは、すごく難しい問題はなく、教科書と入試標準問題をきちんと解けるようにしておけば十分。そんな感想を持ちました。3番の〔1〕で接弦定理、4番の〔3〕で重心の性質を知っていると、少し得かなと思いましたが、知らなくても十分に解ける問題です。

 今日は、印象に残った3番の〔3〕と4番の〔3〕について感じたことを書いてみます。

3番〔3〕は、平行であることをどう表すかがポイントです。正攻法としては、
平行 ⇔ 2直線の同位角または錯角が等しい
ということを頭に叩き込んでおきましょう。すると、∠PSO=∠ROBを言えばよいことがわかりますね。
 その一方で、問題文の図を見たときに、3つの三角形
△PQOと△PROと△BRO
がすべて合同で、三角定規にある30°、60°の直角三角形になっていることを予想しながら考えます。すると、問題文から与えられた図と証明すべき事柄が結びついて、どのような道を通って証明すべきかがわかります。ポイントは、△PSOが正三角形になることを示せるかどうかということになりますね。

 証明問題は、迷路と似たような性質があります。基本的には、問題文で与えられた条件を整理して解き進めていくのですが、途中で道に迷ってしまうことがあります。このときに、証明問題の場合には、証明すべき結論を確認し、逆からたどってみるとうまくいくことがあります。スタートから進んでダメだったらゴールからも考えてみる、というわけですね。この点が迷路とそっくりです。ゴールからたどる場合には、これを示すためには、何がわかるとよいか、ということを順番に考えていくのです。勉強でも同じですよね。八王子東高校に受かるためには、何が必要か? ⇒ 数学の応用問題にも強くなっておく
⇒ とくに図形を強化しておこう ⇒ じゃあ、10月中に〜を仕上げよう、みたいな感じです。ゴールから逆算していますべきことまでを明らかにするというのは、日常でもやっていることですね。このゴールから考える、ゴールとのギャップを明らかにしていくという思考法は、難しい証明問題を学ぶようになると有用な考え方ですので使えるようにしておいてください。

 さて、この問題で別解を示しておきます。平行線の錯角を使わないとすると、対称性が有力です。つまり、
PSとABが平行 ⇒ 弧PAと弧SBの長さが等しい
     ⇒ ∠POA=∠SOB ⇒ △PQO≡△BRO
と考えるのです。それでも途中に△RPO≡△RBOを示さなければなりませんが、そうすると
∠POA=∠SOB=60°
を示すことができます。

 では、次に、4番〔3〕について見ていきます。この問題を解くためには、以下のことに気づかなければなりません。
・平面AMDと直線BCは垂直
・△AMDは二等辺三角形
・△DMTの面積が最大になるときは、MDを底辺とみると高さは3点B、C、Dを通る円の半径に等しい
・三角すいA-DMTの体積を求めるには、底面を△AMDとみて計算するとよい
この問題を解くには、正四面体を題材にした入試問題を数多く解き、慣れておくこと。慣れがないと相当に難しい問題になるはずです。また、できれば三角形の重心の知識があったほうが有利です。解くための引き出しがたくさんあったほうがAという方法で解けなかったときにBという方法を使えないからです。三角形の重心については、発展事項として教科書の巻末などにまとめられています。授業では習わないかもしれませんが、八王子東高校を受験するのであれば、教科書の発展事項もふくめて勉強しておくことをおすすめします。

今日は、ここまでで終わりです。では、また来週!

西高校の入試問題(数学)

[2008年10月05日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今日は、都立の難関校である西高校について見ていきます。

 まず解いてみた感想ですが、大問4を除いては解きやすいように思いました。大問4以外のところではあまり差はつかないのではないかと思いましたので、合格のためには大問3までを確実に解けるようにしておくことが、最低条件です。では、今回は、大問3と大問4について感じたことを書いてみます。

 大問3は、〔問2〕が少しとまどうところです。∠AQP=∠PCBですから、点Pから辺BCに垂線をひくことに気がつけばよいのですが、その点では少し難しかったかもしれません。∠Aが直角ですから、相似な三角形を作るためには直角があるといいね、と考えられたかどうかが、ポイントになります。

 〔問3〕も少しとまどう問題でしょうか。それは、四角形APRQが円に内側で接するときに、円周角の性質から
∠QPR=∠QAR=45°、∠PQR=∠PAR=45°
が見えるからです。
でも、いろいろ試行錯誤するうちに、△APRと△CQRの合同を示さないとうまくいかないことに気づくでしょう。AP=CQの条件をそれでないとうまく利用できないからです。

 大問4は、〔問2〕(3)と〔問3〕が難しかったことでしょう。むしろ、この2題は抜かして他の問題に時間を費やしたほうがいいのかもしれません。
 〔問2〕(1)(2)は、まだ見当をつけながらでも答えが求まりそうです。(3)は、1周差がついて点Qが点Pに追いつく場合なのですが、これは計算でないとしんどいことになりそうです。(2)から、2点が点Dで出会うことがわかるので、基本的に1周するのに点Qのほうが速く進むことがわかります。そうであれば、1周するのにかかる時間を求めてみましょう。

点P…15(m)×4÷3(m)=20(秒)
点Q…15(m)×6÷5(m)=18(秒)

20と18の最小公倍数180に着目すると、180秒間で点Pは9周、点Qは10周しますから、ちょうど1周の差がつくのが180秒後であることがわかります。点Pが30m進むのと点Qが45m進むのとでは、点Qが45m進むほうが速いのでこのように結論づけることができるのですが、そのあたりを素早く見極めることができたかどうかが、できたかどうかの分かれ目になりそうです。

 〔問3〕は、簡単な整数に関する問題でした。点Pがa周して点Cに到着するのにかかる時間は
15×(4×a+2)÷3=20a+10
点Qがb周して点Cに到着するのにかかる時間は
15×(6×b+3)÷5=18b+9
かかった時間は同じことから、20a+10と18b+9が同じにはならないことを示せばいいわけです。
 内容としては難しくないのですが、日頃から記述の練習ができていないとうまく文章で説明することができません。その点では、得点率の低い問題だったかもしれません。

 このような記述問題の対策としては、やはり答案作成を実践することです。頭のなかでわかったつもりで終わりにしてしまうのではなく、自分で答案を作成し、専門の指導者に見てもらうという学習が必要不可欠です。その点では、会員のみなさんはそのような機会に恵まれているのですから、それを活用しない手はありません。みなさんからの力の入った答案が1枚でも多く届くことを願っています。

 自分の書いた答案を指導者に見てもらうことは、究極の個別指導です。答案を自分で書くことは楽ではないですが、それでも自分で答案を作ることが学力の血となり肉となるのです。継続は力なり。1回で身につけることのできるものではないですが、自分のがんばりが実を結ぶことを信じて、受験生はこれからもがんばっていきましょう。

両国高校の入試問題(数学)

[2008年09月28日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は、両国高校について見ていきます。

両国高校も大問4題の構成です。とくに難しい問題はないので、教科書をしっかり理解し、都立高校の同レベルの自校作成入試問題を数多く解いておくことが最良の対策となることでしょう。もちろん、そうはいっても学習してから間もない三平方の定理などがしっかり出ているわけですから、最初は難しく感じるかもしれません。ある程度余裕をもって教科書の内容をすべて学習し終わっていることが大切です。差がつくとしたら、2番の〔問3〕で求める直線が正方形の中心を通ることに気づけたかどうか。3番で三平方の定理の空間での応用問題でしょうか。ただし、これでも入試問題としてはやさしい部類に属します。

では、このレベルの入試問題ではどこで差がつくのか。または、どうしたら人よりいい点を取れるのかについて、今回は考えてみます。まず、一つめは年間の学習計画がしっかりしていて、教科書内容をできるだけはやくに終らせ、入試問題を解く時間を十分にとったかどうかということです。学校では、年を越しても教科書の学習を行うことと思いますが、両国高校を目指す人は少なくとも年内を目標に教科書をすべて終えてほしいところです。

それであれば、冬休みや直前期は、入試問題を中心に演習することができます。都立の自校作成問題には、問題数やボリューム、形式など、出題者の先生方が互いに他校の入試問題を参考にして問題を作っていますので、他県の問題をやるよりずっと効率よく傾向を知ることができます。言ってみれば、他校の問題が、すべて直前予想問題になるのです。その意味で、学習計画をしっかり立てて3年分程度いろいろな学校の問題にチャレンジしてみることを勧めます。

なお、入試の過去問の解き方ですが、キッチンタイマー勉強法を取り入れてください。私も中学生の頃はキッチンタイマーを手元において勉強していましたが、要は、時間を計って時間配分の感覚を養ってほしということです。今年の両国高校の問題であれば、全部の問題を解き切ることが望ましいですが、なかには時間内では絶対に手がつかないボリュームの問題を出題する高校もあります。そのようなときにつく差というのは、学力が同じであれば時間配分です。自分の力で解ける問題なのか、そうでないのか。または解けたとしてどのくらいの時間がかかりそうか。きっちりと当てることは難しいとしても、多くの問題を解くことで得られる勘が働きます。その勘を養うためにも入試の過去問は有効なのです。そして、解けそうな問題に時間をかけ、できる問題を確実に得点できる人が合格できるのです。その点では、数学に苦手意識のある人により効果があるかも。苦手である自分を受け入れ、自分をよく知ることで効率的な時間の使い方ができるのです。ぜひ、できるところから実行してみてください。健闘を祈ります。

墨田川高校の入試問題(数学)

[2008年09月21日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は、墨田川高校について見ていきます。

 墨田川高校も大問が4題で、標準的な問題が多いです。しかし、今年の問題に限っては、1問だけ超難問が混じっていましたので、その問題にどれだけ時間を費やしたかで数学の得意な受験生の得点も大きく変わってきたことでしょう。全体としては素直な問題が多いため、満点をねらって張り切って試験問題に臨んだ受験生もいたのではないかと思いますが、3番の〔問3〕を除いて十分な時間を使えた受験生が有利に試験に臨めたのではないでしょうか。

 墨田川の問題に関しては、もっとも印象に残ったのが3番の〔問3〕ですので、今日はこの問題について書いてみます。

3番〔問3〕
たまに出てくるタイプの難問なのですが、特徴的なのは3つの角度が45°、60°、75°の三角形が出てくる点です。愛知県の2006年度入試問題Bグループの3番の〔問5〕もそのタイプでした。
受験生は、補助線の引き方に慣れていないせいで苦戦することになるのですが、コツは2つあります。
・困難は分割せよ
・あればいいのに
です。前者は75°の角度を30°と45°の三角形に分けることを考えます。そのようにすると、三角定規にあるような30°、60°の直角三角形と直角二等辺三角形に分かれます。すると、いろいろと辺の長さを求めることができるんですね。本問では、それによってPRの長さを求めることができます。
 後者は、何かを加えることによってわかりやすいものに変えて考える方法です。三角形PQRは30°、15°、135°の三角形です。15°が出てくる場合には、この方法が使えます。30°を加えると45°に、45°を加えると60°になります。この場合には、角PQRの補角が45°ですから、辺QRを斜辺とする直角二等辺三角形を書き足してみましょう。これを三角形QRHとすれば、PQを底辺、RHを高さとして計算することができます。

 実際に問題を見た人でないと理解できない内容かと思いますが、受験生で墨田川の問題を解いた人は参考にしてください。なお、この問題は〔問2〕の内容からすると、出題者はPRを底辺として考える方法を想定しています。AQとPRの交点をそれぞれSとすると、AQ=AR、三角形ARSが30°、60°の直角三角形から、QSの長さをAQ−ASで求めることができます。いろいろと別解を考えることで解答力は高まっていきますので、意欲のある受験生はぜひ考えてみてください。

 今回は、これで終わりにしますが、数学の得意な受験生には、ぜひじっくり考えてもらいたい1問です。

白おう高校の入試問題(数学)

[2008年09月14日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は、白おう高校について見ていきます。

白おう高校も大問4題の構成であり、作図問題の入った都立の自校作成入試の問題としてはふつうの形式です。とくに難問があるわけではないので、これも対策としては、教科書の理解+入試標準問題を演習することで対応できるでしょう。

 それでは、今回もそれぞれの問題を見ながら、特筆すべきことをいくつか拾ってみます。

1番〔問8〕
 都立の入試では作図の問題が必ず出るので十分な練習を積んでおいてほしいと思いますが、垂直二等分線、角の二等分線、正三角形の作図を知っているだけでは十分ではないです。
角の移動 ⇒ ひし形(平行四辺形)を作る
線の移動(平行線をひく) ⇒ 平行四辺形を作る
おそらく、問題を解くときには上記のように考えて作図していると思いますが、問題を見たときに、ぱっ、ぱっと書き方を思いついて手が動いているでしょうか。もしかしたら、少し考えてから手が動くという人も少なくないはず。作図が出題されることがわかっているのですから、反射的に手が動くというようにしておきたいものです。

2番〔問2〕
 線分EFといったときに、端点EとFは含まれるのか? その端点が曲線kにちょうどぶつかったときを交わっていると言ってよいのか? ちょっと迷ったりしますが、どちらもOKですね。日本語的感覚からいうと、「交わる」とは線どうしの場合、「交差する」という感じがするのですが、ここでの解釈は「1点で交わる」は「1点を共有する」という意味です。こうした問題文の解釈で受験生が迷うことのないように、出題者は細心の注意を払うものですが、もし迷ったときには、「出題者は、どう解かせたいのだろう」といった出題者の気持ちになって考えてみてください。
 試験は、出題者と受験生のコミュニケーションです。ヘルプサービスの現場でも、会員さんは、何が知りたかったんだろう。出題の先生は、どういう解答を予想して問題を作っているんだろう。そんなことを考えながら、質問の回答に取り組んでいるのです。

 日頃の友だちどうしの会話、そして、好きな人との会話。相手が何を思っているのか、きちんと理解して返事をすること。また、相手の言葉が足りないときに、どうしてほしいんだろう。そのことに心をくだける人は、コミュニケーションの達人だと思います。

3番〔問2〕
 なかなか工夫されたよい問題だと思いました。三角形ADPをAPを折り目にして折る問題なのですが、三角形ECPもEPを折り目にして折るときれいに直角三角形ができるのですね。点Pが辺CDの中点だからそのようになるのですが、問題を解いていてそのことに気づいた人は、思わずうれしくなってしまったことでしょう。数学には、こうした美しさがたくさん詰まっています。高校入試の問題ではあるのですが、問題を解きながらそのような喜びを感じることができる人は、数学的感性にすぐれた人です。高校に入ってからも数学が好きになって伸びるタイプだと思いますよ。

 最後に一言。ブログは好きなことが書けるのがいいですね。全部の問題にコメントする必要もないし、字数制限があるわけでもなく、その日の気分で好きに書ける。晴れの日にはたくさん書いて、雨の日にはちょっとだけにすることも可。主観的な感想になってしまっているかもしれませんが、それでも他にはない情報を提供できているのではないかと思っています。

新宿高校の入試問題(数学)

[2008年09月07日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は、新宿高校について見ていきます。

新宿高校は、日比谷高校を解いたあとに取り組んだので、だいぶ楽な感じがしました。しかし、日比谷の問題が受験生にはきついのであって、こちらのほうが良心的な試験問題のように思えます。受験生を必要以上に不安にさせない学力を測るのに適切な難易度と言えるでしょう。対策としては、基本的には、教科書+入試標準問題を演習することで対応できると思います。

 それぞれの問題を見ながら、特筆すべきことをいくつか拾ってみます。

1番の〔問5〕で、日比谷が2a+bが素数になる確率で新宿が3a+bが素数になる確率を求めさせていたのは、偶然とはいえ興味深かったです。もちろん、目新しい問題というわけではなく、簡単に作れる問題で頻出のものだからたまたま似た問題が出たのでしょうが、推測すると、どちらも前年度の墨田川の問題に出てきた10a+bをヒントにして作ったのだろうと思います。そしてこのことから、私だったら次年度の問題は、24/2a+bが整数になるときの確率を予想問題としてみたいです。

日比谷では、前年度もさいころの問題を出題しているのでとくに驚くことではないですが、出題者は間違いなく自校および他校の問題に目を通して問題を作成しています。これは、2003年度の八王子東の1番〔問6〕と2005年度の両国高校の3番の〔問3〕のネタが類似していると思ったときにも感じたことでもあります。しかし、そうでなくても容易に想像がつくでしょう。

そのようなことから、入試標準問題の演習は、都立の自校作成問題を中心にやっていくのがお得です。作図の問題が必ず入っているなど、傾向や元ネタが同じになることがあると思いますので絶対にオススメです。都立の自校作成入試を受ける受験生は、時間の許す範囲で多くの問題に取り組んでみてください。

最後に、1番〔問6〕、3番〔問1〕にもあるように、円と直径を斜辺とする直角三角形の関係は、知っているだけでなく使えるようにすることが大事です。すぐに思いつくまで練習しておきましょう。ここで考えていたのでは、時間内に問題を解き終えることはできません。

戸山高校の入試問題(数学)

[2008年09月05日(金) ]

 こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は、都立の難関校である戸山高校の昨年度の入試問題について見ていきます。全体的に難易度が高く、それなりに時間はかかるため、他校に比べてより綿密な戦略が必要でしょう。戦略とは、解く問題に優先順位をつけて得点が最大になるための時間配分、解く順番を考えて取り組むことです。おそらく50分では、いかにできる受験生でも全部をパーフェクトに解き切ることは無理でしょう。実力はあっても時間制限があるために、まず無理と思って差し支えありません。

きょうは、印象に残った4題についてコメントします。

1番〔問4〕
 小問集合のなかの1問ですので、解いたことのある人であれば問題なく解けたことでしょう。しかし、整数の問題は学校ではやらないと思いますので、過去問で解いたことがある、または塾や通信教育などの校外学習で出題されたことがなければ、手がつかない問題といえます。したがって、その意味でも過去問演習は十分に取り組んでおくべきでしょう。
〔問5〕
 円の中心が与えられていないので、円の中心を求めてから点Pと結び、点Pを通る垂線をひけばよいことはわかるでしょう。したがって、試験でこの問題を解くときにはその方針に沿って作図をしてください。変にきれいな解法を考えようとすると、後の問題を解く時間がなくなります。
 ここでは、試験ではオススメしないけれども、もっとも手間を省く書き方を紹介しておきます。過去問題を解くときの参考にしてください。
 
 点Pを通り、与えられた円と2点が交わるような円をかきます。2つの交点をA,Bとします。これから線分AB、APがとなり合う辺になる平行四辺形をかくことを考えます。
点Aを中心にし、先ほどの長さで弧をえがきます。また、点Pを中心とし、線分ABの長さの半径をもつ弧をえがきます。この2つの交点をCとします。
 2点P,Cを結んだ直線が条件をみたす直線になります。

 この方法だと4回の操作で作図することができ、最短の作図になります。この問題を解いた人には、ぜひ確認しておいてもらいたい解法です。

3番〔問2〕
 △FBEの面積は、△ABCの面積の1/2ですが、直接比べるのは難しいですから、間に△ABEを入れて考えてみましょう。△ABEの面積は、△ABCの面積の2/3ですから、これを利用して△FBEの面積は△ABEの面積のどれだけかを考えるといいですね。
 後半は、△PDEと△PGFが相似になりますので、そのことからDP:PGを求めます。そうすると、とくに補助線を必要とせずに解くことができます。

4番〔問3〕
 立体をどう見るかの目のつけどころを問われる問題です。問題を読むとゲロゲロっと思ってしまいますが、底面を△OQEとみて三角すいC−OAEとの比較で考えると考えやすいでしょう。そうすると、OQの長さはOAの長さの1/3ですので、△OQEの面積は△OAEの面積の1/3であり、三角すいC−OQEの体積は三角すいC−OAEの体積の1/3であることがわかります。このように図形を見ることができるかどうかができたかどうかの分かれ目になったような気がします。

 こうしてみると、十分に難しいセットだという気が改めてしてきました。今年度はきっともう少しやさしくなるのではないでしょうか。いや、やさしくなってほしいですね。

日比谷高校の入試問題(数学)

[2008年08月31日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今日から、何回かにわたって自校作成入試の問題について、感じたことを書きこみます。みなさんも志望校だったら最新の入試問題くらいは解くことと思いますが、対策の一助としてご活用ください。

 今日は、まず、都立の星。日比谷高校の入試問題です。日比谷は、都立で自校作成入試を始めた2001年度入試が最初だったかな。初期の頃は、絶対に時間内に解けないだろうと思うくらいてんこ盛りの問題群でしたが、そのころに比べるとずいぶんと平易になり解きやすくなりました。しかし、それでもできる生徒が時間ぎりぎりで解ききるかどうかといったボリュームで、高得点を取るためにはレベルの高い演習が必要です。

 問題ごとに見ていくと、1番の小問集合は10分程度で解き進めなければいけません。〔問4〕が少し迷うところかと思いますが

直角三角形の斜辺は、外側に接する円の直径である

つまり、辺FDが円の半径になっていることに気づくかどうかがポイントでした。それ以外は難しいところはありませんので、できるだけ短い時間で解き切り、あとの問題に時間を残すようにしましょう。

 2番は、〔問2〕が楽しい問題です。この問題も1番の〔問4〕と共通点があり、点Aが三角形DCOにとってどのような点になっているのかがわかればよい問題です。その意味では、2番の〔問2〕は1番の〔問4〕のヒントになっていなくもないので、ポイント部分に気がつかなかった場合には、飛ばしてこちらから解くとよかったかもしれません。

 3番は、問題文が長いわりには題意の取りやすい問題でした。とくに難しいところはありませんが、証明を書かせる問題になっていますので、それなりに時間はかかると思います。ここでも、直角三角形QABが出てきており、もしかしたら出題者は3題とも同じではないかと思いました。3題とも円と内接する直角三角形が出てくる問題で、ここに気づくかどうかが全体を通してのカギになったかもしれません。

 4番は、受験生にとっては難しく感じる問題です。それは、空間で動く点を扱うからです。これは入試問題を通じて慣れておくしかありません。ただ、すごく難しいというほどではないので、時間の許す範囲で取り組むようにしたいものです。なお、〔問3〕は、公式を知っていれば答えを求められるのですが、指導要領の範囲外ですから受験生にとっては苦慮するところです。実際、出題者の意向も指導要領の範囲内で説明することを求める問題だったと思いますので、受験生にとっては難問だったことでしょう。

 このように書くと、日比谷の問題もそれほど難しくないのでは? と思ってしまうかもしれませんが、50分という制限時間のなかで高得点を取るのはやはり至難の業です。合格のための条件としては、

 ・比較的簡単な小問をできるだけ速く正確に解く。ケアレスミスを最小限に!
 ・問題文を速く読んで正確に題意を把握する(今年の問題は、その意味ではわかりやすかった)
 ・解ける問題に時間をかけ、時間のかかる問題は後回しにする

純粋な数学の実力以外に、時間配分に慣れておく必要がありますので、過去問題を通して時間をかけない問題を見極める力を養っておくとよいでしょう。

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