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中学コースのヘルプサービス(質問回答サービス)に携わる学習アドバイザーとその周辺スタッフです。
日々、和気あいあいと楽しく、それでいて真摯に仕事に取り組んでいます。

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横浜すい嵐高校の入試問題(数学)

[2008年11月30日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。11月も終わり、いよいよ12月ですね。この時期になるといつも思うことですが、「1年の経つのがはやい」
歳をとればとるほど、ころげ落ちるように時は過ぎていきます。みなさんは、中学生ということですが、一瞬一瞬を大切にして過ごしてくださいね。

 さて、都内の独自入試をすべて見てきましたので、今回は神奈川県の入試について見ていきましょう。神奈川県も自校作成入試を行っていて、受験生にとっては対策に悩むところです。神奈川県については、横浜すい嵐高校と湘南高校の2校について見ていきます。確か来年度からは、自校作成入試の問題をそれぞれの学校ですべて一から作成するのではなくて、一部は自校作成入試の出題校のなかで共通の問題を入れていこう、ということになっていたかと思います。しかし、自校作成入試の出題校自体がその地域でレベルの高い学校ばかりなので、共通問題とはいっても県の入試よりは難しい問題が出されることが予想されます。

 それでは、今回は横浜すい嵐高校の問題で印象に残った問題を取り上げてみます。全体的にすごく難しい問題があるわけではありませんが、50分の試験時間で大問5題を解くのは大変なことだと思います。少しでもつっかえる問題があると時間が足りなくなりますので、その意味では高得点の取りにくいセットということが言えるでしょう。

〔大問1〕(カ)
 回文数などという言葉が出てきてとまどいますが、要は、「しんぶんし」「たけやぶやけた」などの回文の数字版ということです。45の倍数とあるので、5の倍数で9の倍数であるものと考え、5の倍数から一の位と百の位が5であることを見破れば簡単に解くことができます。ここでは、9の倍数の見分け方の知識が必要になります。各位の数字を足した数が9の倍数になればよかったのでしたね。

〔大問2〕(イ)
 面積が等しいという条件があるときの面積の和を求める問題では、それぞれ面積を求めてはいけません。片方を求めたら2倍して時間を節約しましょう。

〔大問3〕
 問題文が長くてあせってしまいますね。けっして難しいことを聞いているわけではないのですが、初めて見る問題でとまどいます。(イ)と(ウ)は、要するにどういう状況かを素早く見破る必要があります。(イ)は、大のさいころの目よりも小のさいころの目のほうが大きい場合、(ウ)は、2つのさいころの目の差が白い面になることを理解できればよいでしょう。黒い面が7枚または8枚ということは、白い面は2枚または3枚になります。

〔大問4〕
 これは受験生にとっては難しく感じたことでしょう。(ア)はやさしいものの、(イ)が空間における三平方の定理になっており、(ウ)が2つの折れ線の長さの和です。どちらも空間のことを頭のなかで考えなければならず、時間制限があるためつらい問題となっています。もちろん、時間が十分にあれば正解することのできた受験生はいると思いますが、制限時間を考えると解くのは大変です。

(イ)上から見たときに、2点B、Cは四角形DEGIのどこに位置するのか。空間における線分の長さの問題では、どこかの面にシルエットを写し出しましょう。この問題では、線分BCの影が平面DEGIにどう写るか。影の長さと線分BCの実際の長さと2点B、Cの平面DEGIまでの距離の差には、三平方の定理が成り立ちます。ここに直角三角形ができていることを確認しましょう。

(ウ)空間における2つの線分の和の最小値問題ということではよくあるものです。ただし、計算が煩雑なためていねいに解くことが要求されます。ここでは∠DIG=90°ですから、
∠AIG=90°、AI=IG=1
に着目し、△AGIが直角二等辺三角形であることを見破ると計算量を減らすことができます。

〔大問5〕
(イ)相似な三角形を見つけて、条件を整理すれば求めることができます。ここでは、△OAFと△BAE、△GODと△EBDです。OD:DB=2:1からGO:EB=2:1です。2つの三角形を直接比べるのではなく、△AFOと△AEB、△AEBと△AEDを比べて考えましょう。
日常でも、共通の友人を介して知り合うことってありますよね。数学の世界でも、直接比べることが困難なものは、共通に比べることができるものを利用することが大切です。ここでは△AEBがそれに当たります。

(ウ)30°が出てくる問題で線分の長さを求める問題が出てきたら、まずは、30°をひとつの角に持つ直角三角形を探しましょう。すると、この問題ではすぐに△GFEを見つけることができますね。ここで、線分FOをxとおくと線分FGは5xです。線分FEの長さもxで表すことができます。したがって、2点OとEを結んで直角三角形OFEに三平方の定理を使ってみましょう。xについての2次方程式を立てることができます。OE=2を利用することがポイントになります。

 こうしてみると50分では大変な試験でした。解いてみて時間が足りなかった人は、どの問題であれば正解できるかを分析し、優先順位を決めて解く練習もしてみましょう。大問すべてが難しいかというとそんなことはありませんので、最初の小問で得点できる問題はすべて得点するように時間配分するべきです。受けてみないとわからないのですが、ひとつの問題に時間をかけ過ぎないようにすることが本番の試験でも大切になってきます。みなさんの健闘を祈ります。

国分寺高校の入試問題(数学)

[2008年11月23日(日) ]

 こんにちは。学習アドバイザーのカズです。きょうで都立の独自入試問題も13校目となりました。もしかしたら、志望校の入試はこれからだという受験生も多いのではないかと思いますが、自分の受ける学校の入試問題に加え、他の12校の入試問題も解いておくと万全です。なかなか時間的に難しいのかもしれませんが、できる範囲で解く計画を立ててみてはいかがでしょうか。

 独自入試は、英語や国語に比べて差がつきやすい。どの科目も苦手な科目があってはいけないのですが、他の科目に比べて標準偏差が大きいのではないか、できる人とそうでない人の差がはっきりしやすいのではないか。そんな印象を持っています。それは、ある一線を越えるとわかるようになるのだけれども、教科書レベルと入試レベルにギャップがあり克服するのが容易ではないからでしょう。確かに教科書で習った知識を使って解いているのですが、どこでどういうふうに使ったらよいのか。これは経験が大きくものをいいます。そして、学校では習わないけれども入試にはよく出てくる内容もたくさんあります。したがって、知識としては教科書に書いてある内容で十分なのだけれども、入試問題が解けるようになるには、やはり入試の標準問題を十分に練習することが大切なのです。そのあたりが、十分に練習を積めないまま受験日を迎えてしまっている受験生も多いのではないか。そんなことを感じています。でも、いまからでも頑張れば大丈夫。学習計画がきちんと立てられていない人は、ここでのアドバイスをうまく活かすよう、勉強の計画を見直してみてください。

 さて、今回は都立校の最後のコメントになります。国分寺高校について見ていきます。ざっと、解いてみての感想ですが、特に難しいところはなく解きやすいセットだと思いました。最後の問題文が長いので少し用心して取り組みましたが、読んでみると平易な内容でわかりやすい問題だったのではないかと思います。

 今回は特にコメントする内容もないのですが、あえて気がついた点について触れておきます。

大問1〔5〕
 この形はよく出てくるもので、今年も立川高校、白おう高校に出題されていました。とくに迷うところはありませんが、合わせて確認しておくとよいでしょう。

大問1〔6〕
 二等辺三角形という条件から、辺BCの垂直二等分線をひけばよいことはわかると思います。したがって、あとは点Aを通り辺BCに平行な直線をどうひいたらよいかということだけですね。この場合は、辺AB、BCをふくむ平行四辺形か等脚台形をかくようにしましょう。複数のやり方を身につけておくと、応用力も付くはずです。

大問3〔3〕
 △PBCと△QCDの合同を〔1〕で証明しているでしょうから、PCとQDは直交しています。つまり、△PBCと△QRCは相似です。このことを念頭に解きすすめていけば、特に問題なく解けるでしょう。

 今回は以上です。入試問題を解いてみて思った以上に歯が立たず、ヘルプサービスに相談してくる会員さんは少なくないです。みな数学では、悩んでいる人は多いです。そんな会員さんにアドバイスしているのは、

「やるべきことをやって自信を持ってもらうこと」

会員さんひとり一人状況が異なるため、アドバイスの内容も多岐に渡りますが、会員さんの話を聞いてやる気になってもらうのが、アドバイザーの努め。Z会の会員であれば、ヘルプサービスを利用できますので、安心して勉強に打ち込んでくださいね。みなさんを最後まで応援しています。

武蔵高校の入試問題(数学)

[2008年11月16日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は武蔵高校の入試問題を見ていきます。最後の問題がややとっつきにくい感じがあるものの、青山高校の問題を小粒にした印象のあるセットです。放物線の性質や独自入試で頻出の最短距離の問題が入っているなど、都立独自入試の他校の問題をきちんと練習しておくと、確実に得点力アップが期待できます。その点では、難易度は高いものの対策のたてやすい問題ということもいえるでしょう。武蔵高校独自の特徴のある問題があるというわけではないということは、逆にいうと、武蔵高校以外を受験する受験生にもすすめたいセットということです。

 それでは、いつものように印象の残った問題についてコメントします。

大問2〔2〕
 放物線の性質を題材にした問題ということでは、青山高校と同じです。しかし、角の二等分線から説明している青山高校に対し、武蔵高校の場合は点Sが辺ARの中点になっていることがすぐにわかりますので、その点で考えやすい設問といえるでしょう。
 (2)では、△PARが二等辺三角形になることを証明する問題になっていますが、座標を使ってPAとPRの長さの2乗を比べてもよいですし、∠PSRが90°になることを示して△PASと△PRSの合同を示してもよいでしょう。計算で求めることもできるし、図形の合同を使って示すこともできますので、受験生の立場からすると解法の選択肢が複数あることでも解きやすいと言えます。
 (3)では、(1)を利用するとよいでしょう。△PARが正三角形のとき、△PSQは30°、60°の直角三角形ですから、直線SPの傾きはPQ/SQでルート3になることがわかります。他の解き方もあると思いますが、とくに計算を必要としないので(1)を利用する方法を確認しておいてください。

大問3〔2〕(2)
 落ち着いて解けば問題ないと思いますが、ここで出てくる△MANは辺の比に2:1が出てきます。三平方の定理は、中学数学で一番最後に出てくる章でもあり、問題を解き慣れていないと、
辺の比2:1の直角三角形 ⇔ 30°、60°の直角三角形
と早合点してしまいがちです。よくあるミスですので、気をつけましょう。ここは、30°、60°の直角三角形にはなりません。

大問4〔1〕(2)
 頻出の立体の側面を通る折れ線の長さの和を求める問題です。これまでにも他の学校で何度も出てきていますよね。折れ線の長さの和の最小値とあったら、即、展開図をかいて考えましょう。やや難しいタイプの問題ではあるけれども、これだけ頻出しているのですからきちんと練習してできるようにしておかなければなりません。青山高校の問題は難しい問題でしたのでできなくても仕方ないと思いましたが、こちらの問題は何とかがんばって解けるようにしておいてほしい問題です。

大問4〔2〕
 四角すいの体積は、基本的に高さがうまく求められないことが多いので、2つの三角すいに分けて考えるのが定石です。本問の場合には、立体E-JIFDを2つの三角すいJ-EIFとJ-DEFに分けて考えます。一応、これが最初に思いつくであろう解き方です。
 ここでは、ふつうに解くやり方は手元の入試問題集の解説にゆずって、少しテクニカルな方法を紹介しておきます。本番の試験で思いつけば、「やったー!!」と心のなかで叫びたくなるような解法です。(少し大げさか?)でも、時間を短縮できるのは間違いのないところですので、ぜひ確認してみてください。
 問題では、体積の比を求めるように書かれています。そして、三角柱ABC-DEFは2つの四角すいI-ABEJとE-JIFDに分けられます。三角柱の底面である△ABCは二等辺三角形ですから、点Iから平面ABEJに下ろした垂線の長さと点Eから平面JIFDに下ろした垂線の長さは同じです。このことは、2つの四角すいI-ABEJとE-JIFDの高さが等しいことを意味します。このことに気づくと、この問題は

(四角すいE-JIFDの体積):(三角柱ABC-DEFの体積)
   =(四角すいE-JIFDの体積):(四角すいI-ABEJの体積+四角すいE-JIFDの体積)
   =(四角形JIFDの面積):(四角形ABEJの面積+四角形JIFDの面積)
   =(JD+CF):(AJ+BE+JD+CF)
   =(JD+CF):(AD+BE+CF)
   =(1+3):(3+3+3)
   =4:9

台形の面積を求めるところでは、2つの台形の高さが等しいことも用いています。このようにすると、直接、図形の体積を求める必要はないですし、途中の過程をきちんと書いたので長くなりましたが、数を数えるようにスラスラと答えを求めることができるでしょう。正攻法の解法と合わせてこちらの解法も理解できるようにしておいてください。もしかしたら、何年後かに他校で同じような問題が出題されるかもしれませんよ。今回のセットでは一番難しかったのではないかとも思いましたので、これができればライバルに差をつけることができます。

今回は以上にします。寒くなってきましたが、夜が遅い人は暖かくして休んでくださいね。では、また来週。さよなら、さよなら、さよなら。

立川高校の入試問題(数学)

[2008年11月09日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。11月に入り、ずいぶんと肌寒くなってきました。受験生のみなさんは、風邪をひかないように十分に注意をして過ごしてくださいね。

 さて、きょうは立川高校の入試問題について見ていこうと思います。大問4題の構成ですが、ところどころに難しい問題もあり、油断できない内容です。また、知らなければ解けないだろうという問題も含まれていますので、やはり入試の標準問題に数多く触れる、他校の独自入試を練習しておくことが一番の対策になるかと思います。そして、とてつもなく難しい問題は除き、ある程度パターン化されている問題(今回でいうと、大問2〔3〕の折れ線の最小値など)は、単に解けるというだけでなく、考え方を整理したノートを自分で作っておくことをすすめます。数学の勉強というと、数多くの問題を解いて終わりの印象が強いですが、入試を前にしてそのような内容を整理しておくと受験会場でのお守りにもなりますし、何より試験場でスムーズに解法を思い浮かべることができます。

 よさそうじゃん! と思った人はぜひ自分だけの解法整理ノートを今日から用意しましょう。今日から強化、用意・ドン! やる気と行動が大切です。

大問1〔6〕
 大問1のなかにある問題ですのでやさしいだろうと思いがちですが、ところがどっこい、今年の立川高校の問題のなかで一番難しい問題かもしれません。したがって、少し考えて解法が思い浮かばない場合には、見切りをつけて次の問題に進むのがよいでしょう。
 円の問題で、すぐに解法が浮かばない場合には、まずやってほしいことは円の中心はどこかを明らかにすることです。すると、折り返すことで出てくる円は2つありますので、中心は2つあります。そして、もう一つは、
「部分で考えず、全体で考える」
これはお医者さんがよくやる考え方ですね。例えば、風邪をひいたとしましょう。普通はのどや鼻を診察しますが、お腹を見ることもありますよね。この問題も同じ。問題文で与えられた図だけ見ていても解法は浮かびません。それぞれの円の中心を明らかにするだけでなく、全体の円を書き足して考えてみましょう。
 そして、もう一つの定石は「主要な点と円の中心を結んでみる」です。本問の場合には、折り返した円の中心をIとして点Cと結んでみます。この円はABに接しているわけですから、ABとICは垂直です。2つの円は半径が等しい円であり、直線PQに関して対称な位置にあります(これも全体の図をかいて初めてわかることです)。したがって、点Iは、点Cを通りABに垂直な直線上にあり、OA=CIとなるようにとればよいわけです。この2つの条件を満たす点Iを作図できれば、線分PQは線分OIの垂直二等分線上にあるので答えの作図を完成することができます。

 この問題を通して
「部分で考えず、全体で考える」
「主要な点と円の中心を結んでみる」
この2つの考え方を身につけることができました。ぜひ、整理ノートにまとめておきましょう。

大問2〔3〕
 これは入試によく出てくる頻出の考え方ですので、ぜひ身につけてもらいたい考え方です。その一方で入試問題を通じて類題を解いたことがなければ、まず試験時間のなかで解法を思いつくのは無理でしょう。経験したことがあるかどうか、が重要なポイントになります。見たことがないと思ったら、きちんと整理ノートに解法をまとめておきましょう。
「折れ線の長さの和の最小値は、対称な点を考えることで解決する」
この問題でいうと、点Aの直線nに関する対称点をCとします。すると、点PがどこにあってもAP=CPとなりますから
AP+PT=CP+PT
点Cから出発して、直線nを越えて点Tに着くときの最小値を求めなさい、というのですから、2点C,Tを直線で結んだときにできる道筋が最短になります。これは本当によく出てくる考え方ですので、初めて知ったという人は自分の力で解けるまで繰り返してもらいたいです。立川高校を目指す受験生であれば、当然、知っている知識として扱われます。

大問3〔2〕
 この問題は、5:12:13の辺の比の三角形が直角三角形であることを知っているいると見通しが明るいでしょう。3:4:5の三角形と合わせて覚えておいてください。
 △DAPに注目すると直角三角形になっており、AD=5、AP=13ですから、DP=12です。もちろん、知らなくても三平方の定理を使えば求めることができます。すると、CP=7がわかるので、△ABQと△PCQの相似からBQ:QC=5:7を求めることができます。求める面積は、△CBPの面積の7/12で計算することができます。

大問4〔3〕
 線分AB上に、x座標とy座標がともに自然数である点があるかないかを考える問題でした。このような点は、格子点と呼びます。関数のグラフの整数への応用問題としてよく出てくる題材です。ここでは、線分ABの端点を除く部分に格子点のある確率を求める問題でした。これは言い換えると、点Aのx座標と点Bのy座標が互いに素でない確率となります。このように、「この問題は言い換えると、つまりこういうことだ!」こういった要約力を試す問題にもなっています。グラフや図の問題を、数値の問題に置き換えて解く。つねにそういった問題ばかりが出題されるわけではありませんが、そういった発想の転換もできるようにしておきましょう。出題者は、まさにそういった柔軟な思考を試したいと思って問題を作っていると思います。

 これで都立の独自入試も11校目をコメントしてきました。来週は武蔵、再来週は国分寺を解いてみましょう。この13校を解き切るだけでも、だいぶ力は付くはずです。がんばれ、受験生。Z会は、最後まで応援するぞ!



青山高校の入試問題(数学)

[2008年11月02日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は青山高校について見ていきます。ここまで問題を解いてきて、かなり出題のネタは似通っているということを実感します。今回も、最後の問題で空間図形における線分の和の最短距離の問題が出ています。
 ネタはすでによくあるものですから、やり方について迷うところはないのですが、今回の問題は解きにくい問題だったと言えるでしょう。

 では、いつものように印象に残った4問についてコメントしていきます。

大問1〔6〕
 円の中心Oを求めてから半径OAに垂直な直線をひくという出題意図の問題ですが、接線をひくだけであれば、円を求めなくても△ABCを移動することで求めることもできます。まず、△ABCを結びます。辺AC上にAD=BCとなるような点Dをとります。点Aから半径ABの長さの弧をかき、点Dから半径ACの長さの弧をかきます。そして2つの弧の交点をEとします(点Eは直線ACに関して点Bと反対にとります)。すると△ABC≡△EADとなりますが、このときの直線AEは、求める円の点Aでの接線になっています。接弦定理は高校で学ぶことになりますが、知っている人はその作図でも正しいことを確認しておくとよいでしょう。

大問2〔3〕
 放物線の性質を題材にした問題で、問題文に沿って解けばよいでしょう。∠FSHの二等分線とあってとまどいますが、△SFHが二等辺三角形であることに気づけば辺FHの中点を求めればよいことになります。これも年度が同じで偶然ですが、武蔵高校の大問2のネタと同じです。出題者の先生も「より工夫した問題」「最近は出題されていない問題」ということでテーマを探しますから、似たようなところに考えがいくのかもしれません。青山の過去問題を解く受験生は、ぜひ武蔵高校の問題も合わせて解いてみてください。

 ここで少し脱線します。関数と図形の融合問題で、角の二等分線が出てくることはあまりないのですが、出題者の立場で少しだけ裏話をします。
 出題者が問題を作るときには、数値が複雑にならないように数値を工夫して出題します。その際、二等分線の問題ではいろいろと数値の調整をするのですが、ルートが出てきやすいのが悩みです。でも、できればルートの出てこない問題を作りたいと思うのが出題者の心理。実は、3:4:5の直角三角形の大きいほうの鋭角の二等分線によって作られる直角三角形は、直角をはさむ角の辺の比が1:2、小さいほうの鋭角の二等分線によって作られる直角三角形は、1:3になります。
 そのようにしてみると、直線FSの傾きは3/4、∠FSHの二等分線の傾きは2になっています。出題者の先生は、受験生が要らぬところで迷わぬよう数値にも気を使ってくれているのですね。実は、関数のグラフでの二等分線の問題は、だいたいどちらかのパターンで問題を作っていることが多いのです。

大問3〔3〕
 証明すべき事柄がAE=BFですから、AEとBFをふくむ三角形を探すとよいでしょう。したがって、すぐに解けたかどうかは、2点CとE、CとFを結んで考えられたかどうかに集約できます。ここで大切なことは、作業をしながら考えること。手を動かしながら考えることです。最初から答えがわかる人はいません。短い時間で解く人というのは、必ず手を動かしながら考えています。数学が苦手だと感じている人は、そのあたりを心がけるようにしてみてはいかがでしょうか。
 辺CEとCFが書けたら、△AECと△BFCが合同になりそうだということに気づきます。EC=EFですから、∠CEFが60°であれば△CEFが正三角形になって、CE=CFがいえます。このときに、円に接する四角形の性質を知っていると有利であることは間違いありません。∠Aは60°であり、その相対する角である∠BECの外角も60°です。つまり、∠CEFは60°です。学習指導要領の範囲外で、知らなくても説明できるのは事実ですが、やはり合格するような受験生というのは、この程度の知識は持っていると考えたほうがよさそうです。
 したがって、教科書の発展事項として扱われている内容については、すべてチェックして使いこなせるようにしておきましょう。図形の分野でとくに差がつきます。

大問4〔3〕
 この問題はかなり難しい問題です。問題文の図もかなり小さいため見づらく、ていねいに解いていくことが必要な問題だからです。この問題をとくにあたり、気づくとよいことを順に示しておきましょう。
・対称性を意識して考えること。とくに、ORとOTが等しいことから、RT=STに気がつくと計算が楽になります。
・直角三角形STVに三平方の定理を用いると、TVの長さを求めることができます。SV=TVに気づけば、直角二等辺三角形であることがわかります。
・VW+WX+XUの長さの最小値を求めるところで、「展開図」がひらめかないといけません。
・四角すいS-ATCUの側面の三角形の角は、すべて点Sのまわりで45°となります。したがって、側面の三角形3つの展開図において、∠USVは135°になります。しかし、ここでは△STCをSTに関して対称に移したのが△STA、△STAをSAに関して対称に移したのが△SUAと考え、△VSTがどのように移るか考えてみるとよいです。∠STV=45°から、△VUTはUT=2VT、∠VTU=90°の直角三角形です。ぜひ、図をかいて確認してみてください。

 この問題では、うまく△VUTが直角三角形になったのですが、△SUVに着目して解く方法もあります。その場合には、辺USをSの側に、点Vから直線USに垂線をひいて考えます。鈍角が135°や120°のときには、補角が45°や60°になるのでこの方法が使えます。よく出てくる解法ですので、別解として合わせて学習しておくとよいでしょう。

 最後に一言。今回の青山の問題は難しい問題ですから、いまの時期にきちんと解けなくても大丈夫です。みな過去問題の難しさに驚いてあせっているはずです。大切なのは、合格点までにあとどのくらい足りないのかを確認し、学習計画を練り直すことです。あせってばかりで勉強が進まなければできるようにはなりません。こんなときにこそ、日頃の自分のがんばりを思い出してほしいものです。Z会は、受験生のみなさんを応援しています。

国立高校の入試問題(数学)

[2008年10月26日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は、都立国立高校について見ていきます。国立高校というと、甲子園にも出たことがある学校で、尾藤監督の率いる箕島高校と対戦したのでした。かなり昔のことですが、鮮明に覚えています。確か市川投手だったと思いますが、浪人後に東京大学に入学したのではなかったでしょうか。文武両道ということで、箕島高校には敗れましたが、当時、さわやか旋風を巻き起こしたのでした。

 それでは、早速ですが問題について見ていきます。
 大問は4題ですが、問題文を見て「げっ」と思った人は多かったのではないでしょうか。出題者の立場から言えば工夫された問題ですが、解答者の立場からしたら、「なんでこんなに問題文長いの?」といった問題です。よく読んでみると難しいことを書いているわけではないのですが、数学が苦手な人にとっては問題文が長いだけでひいてしまいそうです。他の学校と比べてすごく難しい問題というわけでもないのですが(最後の問題は別格かも?)、文章が長いだけで意味を読み取れずうまく解けない人も出てくることでしょう。したがって、受験生の得点はそんなに高くなかったのではないかという印象を持ちました。

 それでは、今回も気になった問題についてコメントしていきます。

大問1〔5〕
 小問ですから、できて当然の問題ではあるのですが、やや難しい部類に入るのではないかと思いました。AH=2cmとなるような点Hを辺AB上にとって、立体A-FGHも正四面体であることを利用して考えるとスッキリします。

大問2〔2〕
  平行 ⇔ 2直線の同位角または錯角が等しい
ですから、∠AEB=∠EBDをいえばよいことはすぐにわかるでしょう。また、気分的に
△ABD≡△EDB
が目につきますが、それを使わなくても示せます。∠BAD=∠DEBから、4点A,B,D,Eは同じ円周上にあります。そうであれば同じ弦の長さのAB、EDの円周角が等しく、∠ADB=∠EBDがいえます。また、弦ABに関する円周角から∠AEB=∠ADBです。すなわち、∠AEB=∠EBDがいえます。よって、2直線の錯角が等しいことからAEとBDは平行です。ここでは、教科書にない「円周角の定理の逆」を使っていますが、Z会で国立高校を目指して勉強する場合、この内容についても2年生で扱います。こうして見ると、都立の独自入試の問題は、教科書の範囲内の知識で解けるように問題が作られていますが、発展事項や高校の内容に踏み込んだ知識があると試験に有利なことがわかります。そういったわけでZ会で勉強してきたみなさんは、自信をもって試験に臨んでほしいと思います。

大問2〔3〕
 この問題は、「xの値をすべて求めなさい」とあるので、答えが複数あることに気づきます。考えられるのは3通りあり、BG=BHのときは∠GBD=∠HBD、HB=HGのときは∠HBG=∠HGB、GB=GHのときは∠GBH=∠GHBとなるときを考えます。∠Hは直接求めることが難しいので、180°から∠HBGと∠HGBを引いて求めます。

大問3〔2〕
 問題文が長く戸惑いますが、問題数をたくさんこなしていると、出題者がどんな問題にしようとしているのか図から想像することができます。それは、ある一定の操作を繰り返しているからです。したがって、こういう場合に限り、問題文を読み飛ばして解き進めることができます(ただし、要所は確認するようにしましょう)。
 最後の問題では、4点A,B,E,Hのx座標がそれぞれa,2a,4a,8aになっていること、それぞれ作る長方形において、横は2倍ずつ、縦が4倍ずつ変化していることに気づけば見通しがよくなるでしょう。長方形の面積は、8倍ずつ変化していきます。全体として、時間がたくさんあまる試験ではありませんから、こういったところで規則性に気がついて時間を節約できたかどうかは大きな差になったのではなかったかと思います。

大問4〔2〕
 これはやや難しい問題です。しかし、PQとACが平行な場合は、AP=xとおいたときに、3つの辺PD、DQ、PQの長さが比較的容易にxで表すことができます。点Dから2辺ABとBCに垂線を下ろして考えるとよいでしょう。3つの辺がxで表せたら、△PQDが直角三角形であることから三平方の定理で方程式を作りましょう。
 辺の長さに関する問題では、三平方の定理を使うことが増えてきます。このようなときの補助線のコツは、垂線を引いて直角三角形を作ることです。逆に、角の大きさに関する問題では、相似や円の性質を使うことが増えてきます。このようなときの補助線のコツは、どこかの直線に平行な直線を引くことです。そのようにすると同位角や錯角が等しいことで、相似な三角形が出てきます。だまされたと思って、こんど問題を解くときに試してみてください。

大問4〔3〕
 この問題は、軌跡といって高校の内容です。中学生にわかるように表現されていますが、問題を解くことに慣れていないので、相当に難しく感じたのではないでしょうか。今回のセットのなかでもっとも正答率の低い問題ではないかと思いました。
 まず気づいてほしいのが、「直角である円周角に対する弦は円の直径である」ということ。つまり、線分PQを直径とする円上に2点BとDがあることがわかります。2点BとDは決まった点で、2点PとQが動きます。したがって、そのときの円の中心Mは2点BとDからの距離が等しいので、線分BDの垂直二等分線上にあることがわかります。これだけでもわかった人は偉いと思います。
 次に、点PがBについたとき、点Mは辺BC上にあることがわかります。では、点PがAにいたときには、点Mはどこにいるでしょうか。点Mは線分PQの中点です。したがって、このときの点Mから辺BCに平行な直線をひくと、中点連結定理から辺ABの中点にぶつかります。すなわち、線分ABの垂直二等分線上にあることがわかります。作図はこの2つの条件からかくことができます。
 このような問題を解いたことがある人は、すごく難しいということでもないのかもしれませんが、やったことがない人にとってはお手上げでしょう。これができたかどうかは、頭の良し悪しよりはやったことがあるかどうかが大きかったのではないかと思います。正直いって初めて解く問題だったら、他の問題の見直しをしたほうがよいのではないかと思います。

今回のコメントは長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか。きっと過去問題に手をつけた人は、全然解けなくてあせったはず。でも、今の時点でこのレベルを完璧に解くことはまず無理。できなくて当たりまえと思ってもらって構いません。でも、相当に難しい試験であることはわかってもらえたでしょうから、国立高校を受験する人は、心して学習計画を立ててもらいたいと思います。

いまできなくても大丈夫!
でも、受験までにはできるようになるのだ

Z会は、受験生のみなさんを応援しています。

八王子東高校の入試問題(数学)

[2008年10月19日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。前回は、数学を好きになるための方法について書いてみましたが、どうでしたか? 大切なのは、「相手を知る」「できることから始める」「あきらめない」この3つでした。まだ読んでいない人で興味のある方は、10/12分をご覧ください。「お見合いと数学」というタイトルのユニークな内容です。

 さて、今回は都立の難関校八王子東高校について見ていきます。八王子東の数学の試験は、以前は1問だけ発想力を必要とする問題が混じっているという感じで、日比谷までの手ごわさは感じないけれども、満点を取りにくい試験だという感じで思っていました。もちろん試験で満点を取る必要はないですし、満点を取る人もほとんどいないことからとくに問題はないのですが、その問題だけを見て難しい学校だという印象をもつ人もいるのではないかと思っていました。しかし、今年の問題を見る限りでは、すごく難しい問題はなく、教科書と入試標準問題をきちんと解けるようにしておけば十分。そんな感想を持ちました。3番の〔1〕で接弦定理、4番の〔3〕で重心の性質を知っていると、少し得かなと思いましたが、知らなくても十分に解ける問題です。

 今日は、印象に残った3番の〔3〕と4番の〔3〕について感じたことを書いてみます。

3番〔3〕は、平行であることをどう表すかがポイントです。正攻法としては、
平行 ⇔ 2直線の同位角または錯角が等しい
ということを頭に叩き込んでおきましょう。すると、∠PSO=∠ROBを言えばよいことがわかりますね。
 その一方で、問題文の図を見たときに、3つの三角形
△PQOと△PROと△BRO
がすべて合同で、三角定規にある30°、60°の直角三角形になっていることを予想しながら考えます。すると、問題文から与えられた図と証明すべき事柄が結びついて、どのような道を通って証明すべきかがわかります。ポイントは、△PSOが正三角形になることを示せるかどうかということになりますね。

 証明問題は、迷路と似たような性質があります。基本的には、問題文で与えられた条件を整理して解き進めていくのですが、途中で道に迷ってしまうことがあります。このときに、証明問題の場合には、証明すべき結論を確認し、逆からたどってみるとうまくいくことがあります。スタートから進んでダメだったらゴールからも考えてみる、というわけですね。この点が迷路とそっくりです。ゴールからたどる場合には、これを示すためには、何がわかるとよいか、ということを順番に考えていくのです。勉強でも同じですよね。八王子東高校に受かるためには、何が必要か? ⇒ 数学の応用問題にも強くなっておく
⇒ とくに図形を強化しておこう ⇒ じゃあ、10月中に〜を仕上げよう、みたいな感じです。ゴールから逆算していますべきことまでを明らかにするというのは、日常でもやっていることですね。このゴールから考える、ゴールとのギャップを明らかにしていくという思考法は、難しい証明問題を学ぶようになると有用な考え方ですので使えるようにしておいてください。

 さて、この問題で別解を示しておきます。平行線の錯角を使わないとすると、対称性が有力です。つまり、
PSとABが平行 ⇒ 弧PAと弧SBの長さが等しい
     ⇒ ∠POA=∠SOB ⇒ △PQO≡△BRO
と考えるのです。それでも途中に△RPO≡△RBOを示さなければなりませんが、そうすると
∠POA=∠SOB=60°
を示すことができます。

 では、次に、4番〔3〕について見ていきます。この問題を解くためには、以下のことに気づかなければなりません。
・平面AMDと直線BCは垂直
・△AMDは二等辺三角形
・△DMTの面積が最大になるときは、MDを底辺とみると高さは3点B、C、Dを通る円の半径に等しい
・三角すいA-DMTの体積を求めるには、底面を△AMDとみて計算するとよい
この問題を解くには、正四面体を題材にした入試問題を数多く解き、慣れておくこと。慣れがないと相当に難しい問題になるはずです。また、できれば三角形の重心の知識があったほうが有利です。解くための引き出しがたくさんあったほうがAという方法で解けなかったときにBという方法を使えないからです。三角形の重心については、発展事項として教科書の巻末などにまとめられています。授業では習わないかもしれませんが、八王子東高校を受験するのであれば、教科書の発展事項もふくめて勉強しておくことをおすすめします。

今日は、ここまでで終わりです。では、また来週!

西高校の入試問題(数学)

[2008年10月05日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今日は、都立の難関校である西高校について見ていきます。

 まず解いてみた感想ですが、大問4を除いては解きやすいように思いました。大問4以外のところではあまり差はつかないのではないかと思いましたので、合格のためには大問3までを確実に解けるようにしておくことが、最低条件です。では、今回は、大問3と大問4について感じたことを書いてみます。

 大問3は、〔問2〕が少しとまどうところです。∠AQP=∠PCBですから、点Pから辺BCに垂線をひくことに気がつけばよいのですが、その点では少し難しかったかもしれません。∠Aが直角ですから、相似な三角形を作るためには直角があるといいね、と考えられたかどうかが、ポイントになります。

 〔問3〕も少しとまどう問題でしょうか。それは、四角形APRQが円に内側で接するときに、円周角の性質から
∠QPR=∠QAR=45°、∠PQR=∠PAR=45°
が見えるからです。
でも、いろいろ試行錯誤するうちに、△APRと△CQRの合同を示さないとうまくいかないことに気づくでしょう。AP=CQの条件をそれでないとうまく利用できないからです。

 大問4は、〔問2〕(3)と〔問3〕が難しかったことでしょう。むしろ、この2題は抜かして他の問題に時間を費やしたほうがいいのかもしれません。
 〔問2〕(1)(2)は、まだ見当をつけながらでも答えが求まりそうです。(3)は、1周差がついて点Qが点Pに追いつく場合なのですが、これは計算でないとしんどいことになりそうです。(2)から、2点が点Dで出会うことがわかるので、基本的に1周するのに点Qのほうが速く進むことがわかります。そうであれば、1周するのにかかる時間を求めてみましょう。

点P…15(m)×4÷3(m)=20(秒)
点Q…15(m)×6÷5(m)=18(秒)

20と18の最小公倍数180に着目すると、180秒間で点Pは9周、点Qは10周しますから、ちょうど1周の差がつくのが180秒後であることがわかります。点Pが30m進むのと点Qが45m進むのとでは、点Qが45m進むほうが速いのでこのように結論づけることができるのですが、そのあたりを素早く見極めることができたかどうかが、できたかどうかの分かれ目になりそうです。

 〔問3〕は、簡単な整数に関する問題でした。点Pがa周して点Cに到着するのにかかる時間は
15×(4×a+2)÷3=20a+10
点Qがb周して点Cに到着するのにかかる時間は
15×(6×b+3)÷5=18b+9
かかった時間は同じことから、20a+10と18b+9が同じにはならないことを示せばいいわけです。
 内容としては難しくないのですが、日頃から記述の練習ができていないとうまく文章で説明することができません。その点では、得点率の低い問題だったかもしれません。

 このような記述問題の対策としては、やはり答案作成を実践することです。頭のなかでわかったつもりで終わりにしてしまうのではなく、自分で答案を作成し、専門の指導者に見てもらうという学習が必要不可欠です。その点では、会員のみなさんはそのような機会に恵まれているのですから、それを活用しない手はありません。みなさんからの力の入った答案が1枚でも多く届くことを願っています。

 自分の書いた答案を指導者に見てもらうことは、究極の個別指導です。答案を自分で書くことは楽ではないですが、それでも自分で答案を作ることが学力の血となり肉となるのです。継続は力なり。1回で身につけることのできるものではないですが、自分のがんばりが実を結ぶことを信じて、受験生はこれからもがんばっていきましょう。

両国高校の入試問題(数学)

[2008年09月28日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は、両国高校について見ていきます。

両国高校も大問4題の構成です。とくに難しい問題はないので、教科書をしっかり理解し、都立高校の同レベルの自校作成入試問題を数多く解いておくことが最良の対策となることでしょう。もちろん、そうはいっても学習してから間もない三平方の定理などがしっかり出ているわけですから、最初は難しく感じるかもしれません。ある程度余裕をもって教科書の内容をすべて学習し終わっていることが大切です。差がつくとしたら、2番の〔問3〕で求める直線が正方形の中心を通ることに気づけたかどうか。3番で三平方の定理の空間での応用問題でしょうか。ただし、これでも入試問題としてはやさしい部類に属します。

では、このレベルの入試問題ではどこで差がつくのか。または、どうしたら人よりいい点を取れるのかについて、今回は考えてみます。まず、一つめは年間の学習計画がしっかりしていて、教科書内容をできるだけはやくに終らせ、入試問題を解く時間を十分にとったかどうかということです。学校では、年を越しても教科書の学習を行うことと思いますが、両国高校を目指す人は少なくとも年内を目標に教科書をすべて終えてほしいところです。

それであれば、冬休みや直前期は、入試問題を中心に演習することができます。都立の自校作成問題には、問題数やボリューム、形式など、出題者の先生方が互いに他校の入試問題を参考にして問題を作っていますので、他県の問題をやるよりずっと効率よく傾向を知ることができます。言ってみれば、他校の問題が、すべて直前予想問題になるのです。その意味で、学習計画をしっかり立てて3年分程度いろいろな学校の問題にチャレンジしてみることを勧めます。

なお、入試の過去問の解き方ですが、キッチンタイマー勉強法を取り入れてください。私も中学生の頃はキッチンタイマーを手元において勉強していましたが、要は、時間を計って時間配分の感覚を養ってほしということです。今年の両国高校の問題であれば、全部の問題を解き切ることが望ましいですが、なかには時間内では絶対に手がつかないボリュームの問題を出題する高校もあります。そのようなときにつく差というのは、学力が同じであれば時間配分です。自分の力で解ける問題なのか、そうでないのか。または解けたとしてどのくらいの時間がかかりそうか。きっちりと当てることは難しいとしても、多くの問題を解くことで得られる勘が働きます。その勘を養うためにも入試の過去問は有効なのです。そして、解けそうな問題に時間をかけ、できる問題を確実に得点できる人が合格できるのです。その点では、数学に苦手意識のある人により効果があるかも。苦手である自分を受け入れ、自分をよく知ることで効率的な時間の使い方ができるのです。ぜひ、できるところから実行してみてください。健闘を祈ります。

墨田川高校の入試問題(数学)

[2008年09月21日(日) ]

こんにちは。学習アドバイザーのカズです。今回は、墨田川高校について見ていきます。

 墨田川高校も大問が4題で、標準的な問題が多いです。しかし、今年の問題に限っては、1問だけ超難問が混じっていましたので、その問題にどれだけ時間を費やしたかで数学の得意な受験生の得点も大きく変わってきたことでしょう。全体としては素直な問題が多いため、満点をねらって張り切って試験問題に臨んだ受験生もいたのではないかと思いますが、3番の〔問3〕を除いて十分な時間を使えた受験生が有利に試験に臨めたのではないでしょうか。

 墨田川の問題に関しては、もっとも印象に残ったのが3番の〔問3〕ですので、今日はこの問題について書いてみます。

3番〔問3〕
たまに出てくるタイプの難問なのですが、特徴的なのは3つの角度が45°、60°、75°の三角形が出てくる点です。愛知県の2006年度入試問題Bグループの3番の〔問5〕もそのタイプでした。
受験生は、補助線の引き方に慣れていないせいで苦戦することになるのですが、コツは2つあります。
・困難は分割せよ
・あればいいのに
です。前者は75°の角度を30°と45°の三角形に分けることを考えます。そのようにすると、三角定規にあるような30°、60°の直角三角形と直角二等辺三角形に分かれます。すると、いろいろと辺の長さを求めることができるんですね。本問では、それによってPRの長さを求めることができます。
 後者は、何かを加えることによってわかりやすいものに変えて考える方法です。三角形PQRは30°、15°、135°の三角形です。15°が出てくる場合には、この方法が使えます。30°を加えると45°に、45°を加えると60°になります。この場合には、角PQRの補角が45°ですから、辺QRを斜辺とする直角二等辺三角形を書き足してみましょう。これを三角形QRHとすれば、PQを底辺、RHを高さとして計算することができます。

 実際に問題を見た人でないと理解できない内容かと思いますが、受験生で墨田川の問題を解いた人は参考にしてください。なお、この問題は〔問2〕の内容からすると、出題者はPRを底辺として考える方法を想定しています。AQとPRの交点をそれぞれSとすると、AQ=AR、三角形ARSが30°、60°の直角三角形から、QSの長さをAQ−ASで求めることができます。いろいろと別解を考えることで解答力は高まっていきますので、意欲のある受験生はぜひ考えてみてください。

 今回は、これで終わりにしますが、数学の得意な受験生には、ぜひじっくり考えてもらいたい1問です。

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