ただいま添削中。 2

〜Z会東大マスターコースの教室から〜
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そして退院【ただいま点滴中。10で完】
[2008年09月26日(金) ]

「新・ただいま点滴中。」は、決して書きたくない。

ということで、
皆様にご迷惑をおかけして
人生初の入院をさせていただきました。

薬も飲む必要がなく
通院の必要もなく
しばらく無理しなければ
普通に過ごしてくださいとのこと。

つまり、
入院して
いろいろとわかったことや気がついたことがあったり、
まとめていろんなことを考える時間やゆっくりする時間があったり、
したのですが、

一回で十分でした。

健康に気を使います。

野菜をもっと食べます。

適度に運動します。

タバコは、当然吸わずに過ごしたので
一箱1000円になる前にこれを機会にやめます。

お酒は適度にします。
心身の健康のために適度に飲む必要を感じますので
飲めない体にならないようにする必要がありますので、
適度の定義について見直します。

お騒がせしました。
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世の中に適応するためのリハビリ【ただいま点滴中。9】
[2008年09月25日(木) ]

そういえば少し空気もひんやりして秋になったかも。

いよいよ明日退院だ。
朝退院、そして夜には授業。

一気に病人から脱出しなければなりません。

ということで、リハビリモード。

1.外出許可を得て徒歩10分ほどの自宅に行ってみる。


途中公園で見上げた空の広いこと広いこと。
緑のまぶしいことまぶしいこと。
家の中の落ち着くこと落ち着くこと。
普通の生活に戻れるのが楽しみになりました。
普通の生活や普通の空が、
どんなに気持ちのいいものかわかりました。

自分が退院できる喜びの一方で、
長い入院生活を強いられる人の気持ちを考えると、
なんだか切なくなりました。

2.鍛えるべく病院の階段を1階から6階まで5往復。

すれちがった看護師さんに不審な目で見られた。
うーーー、すぐに息があがっちまうじゃないか。
しばらくして、早くもふくらはぎに軽い張りが。
予想以上にカラダの退化は早い。
腹筋もやろうかと思ったが、
わき腹が痛んだら筋肉痛だか炎症反応だかわからなくなりそうで
勇気が出ませんでした。

3.コンビニに行ってみた。

夜中の空腹対策にアメを購入。
アブラものをほとんど抜いているせいか、
レジ付近のコロッケやから揚げのニオイに
ちょっとやられる。
コンビニって、外の世界の縮図だなって思う。
いろんなものが売っていて、
いろんな人が来ていて、
いろんなニオイがするし、
いろんな文字がある。

1週間の入院生活でも、
世間から離れすぎた気がして焦るのは、
なにかに毒されているのかもしれないなあ。

いよいよ明日、退院だ。

病院にいた人々【ただいま点滴中。8】
[2008年09月24日(水) ]

病室よりマンガ喫茶が快適だという現代の病巣を鋭くえぐる。

入院中、割と軽めの病状の人たちと同じ部屋でした。
みんないい人でした。

隣のベッドのおじさんは、野球ファン。
古くは東映フライヤーズファン(現北海道日本ハム)だったそうで、
阪急時代からのオリックスファンの自分にとって、
パ・リーグ昔話は楽しい限り。

毎日、スポーツ新聞をいただきました。
ありがとうございました。
おかえしに週刊ベースボールを。感謝されました。

そのおじさんのところに毎日訪ねてきていた
骨折で入院したという男性(たぶん同い年ぐらい)。
・看護師のいうことに反抗的
・夜中に脱走してマンガ喫茶に行った
・それで厳重注意受けたのに翌日またも脱走
とのことで、強制退院になってました。

「なんでこんな目に」とか言ってるその人に
おじさんに説教してました。
「出されて当たり前だろ、
病気のときぐらい我慢できなくてどうする」
と。
(ほんと、いいおじさんなんですよ。)

自分もマンガ喫茶は、あんまりだと思った。

そのほか、看護師さん、清掃の方など、
なんだかあったかい人が多かったのはよかったなあ。

ふりかけと綿棒【ただいま点滴中。7】
[2008年09月24日(水) ]

さすがに味道楽とのりたまを一袋ずつとまでの贅沢は言えなかったけど。

入院中、妻に頼んで
「ぜひ、これを持ってきて」と頼んだものが2つある。
(これ以外は本があれば、大丈夫だった。)

1、ふりかけ

人間とはぜいたくなものです。
あんなに感動したおかゆに、
2日めですでに飽きるなんて、
罪深い存在です。

ご飯に何かかけないと気がすまない性分なもので、
「ふりかけ」を所望。
「おとなのふりかけ」のミニパックを
妻が届けてくれる。



5種類のバリエーションで飽きたらず、
「さけたらこ=親子ふりかけ」とか、
「わさびおかか」など、
2種類をまぜて新しい味を試してみる。
これによって5種類から10種類にバリエーションが増える。
「さけわさび」が、なんかいまひとつだった。

2、綿棒

綿棒での耳かきが、実は、すごく、好きなんです。
2日に一回は必要なんです。


たとえば乗っている船が難破して
無人島にたどりついたとしたら、
綿棒をやはり欲するのだろうなと思った。

この日、金曜日の退院が決まる。
炎症反応が順調に治まっているようだ。

あと2日となった。
回復に向かいながら考えたこと【ただいま点滴中。6】
[2008年09月22日(月) ]

この1週間は、ふだん考えないことを考えたという点では、貴重だった。

この日、点滴が外れた。

食事が取れるようになったことで
抗生物質の投与以外は、点滴は必要ない。

点滴棒が必要なくなり、
二足歩行を取り戻した。
軽やかに歩けることも幸せに感じる。

不思議なことに。

自分のことに一生懸命な時期を過ぎて、
今まで目に入らなかったものが目に入る。

寝たきりの患者さん。

車椅子の患者さん。

つまり今の自分より、
不自由な状態を余儀なくされている人たち。
多くはお年寄り。

なぜ、視野が広くなって、
彼らのことが目に入るようになったのだろう。

自分の気持ちに、
余裕が出たから?
自分が少し苦しんだ分、
優しい気持ちになれるようになったから?

それとも、

自分が回復に向かっていることで生じた、
同情のような顔をした優越感?

すごく大事なことが答えになっているような気がするから、
けっこう時間をかけて何度か考えてみたけど、
わからなかった。
忘れじのフルーツポンチ【ただいま添削中。5】
[2008年09月22日(月) ]

とにかくお口の中が宝石箱やー。

入院生活5日目。
点滴だけの毎日から新展開となった。

朝の血液検査で炎症反応が
金曜日の半分まで下がっており
昼から食事のOKが出る。

すげーうれしー。

退院の見込みを
主治医の先生(ドリカム中村先生似)に聞く。
金曜日に授業があるので、
それに間に合わせたい旨、伝える。
おそらく大丈夫だという返事。

なんもいえねー。

なんとか週末には退院できそうだ。

さて、その昼の食事でございますけどね。
まあ、そりゃ久々にですね、
口から食べ物を摂取できるわけですから
そわそわしてるわけですよ。

何が出るかな、何が出るかな
ごきげんような気分ですよ。

来ました。


おかゆ
麻婆豆腐(辛子抜き)
菜っ葉のおひたし
フルーツポンチ


の4点です。

実食。

タカバタケはご飯固め派で
おかゆはそれほど得意ではないのですが、
うーーーん、お米って甘いんですね。(涙)

麻婆豆腐。
薄味でも濃ゆく感じます。
辛くなくても構いません。
豆腐をゆっくり噛んで味わうなんてはじめてかも。

おひたしもさっぱりとおいしゅうございます。

そして、フルーツポンチ。
ほのかな甘みが口の中に広がりまして、
幸せな気持ちが広がります。

ゆっくり噛んで味わいました。
20分近くかけて食べました。

完食。

いつもより少ない量のはずなのに
おなかいっぱい。

食べられることの幸せも、
噛み締めました。
健康であることのありがたみも、
噛み締めました。

5日間、噛むという行為ができなかったので、
なんでも噛み締めてやろうという気持ちです。

不思議なことに
カレーやラーメンや焼肉を食べたい!
という気持ち、退院までほとんど出なかったな。
(退院直後は、一日5食、食べたくなりましたが。)

食べることのありがたさが
身に沁みた5日間だったのでしょう。

ゆっくり見たもの【ただいま点滴中。4】
[2008年09月21日(日) ]

せっかくの時間だ。ぜいたくに使おう。
と思うようにした。


点滴棒と一緒に移動の三足歩行。

基本、ベッドで寝ている時間が多くなる。

入院中、ゆっくり見たものが3つある。
時間ができてゆっくり見るものは、
おそらく本当に好きなものなのかなあと思う。


ひとつ。
大相撲。

ちょうど秋場所の真っ只中。
十両からゆったりと見続ける。
その昔、力士志望だったほどの無類の相撲好きである。
毎日の夕方が楽しみになる。

豪栄道ってのはいいねえ。
朝青龍、うん。一連の所作を見てるとやっぱり品がないなあ。
大関陣は成績は今ひとつながらそれなりにキャラが立ってると思う。
立ちあい問題に気を遣い過ぎたマジメな力士が今場所はダメですね。
などなど、日に日に詳しくなる。

夜の大相撲ダイジェストは、取り組みの面白さは伝わっても、
大相撲の持つ心地よい時間の感覚は伝えてないと実感。

同じく巨人−阪神3連戦を毎日見た。
スポーツ新聞は(毎日同じ病室の方にいただいたりもして)
毎日二誌、読んでいた。

スポーツばっかり、見ている老後が垣間見えた。


ふたつ。
文庫本。

夏休み、時間もないくせに買いあさってしまい、
たまっていた本を消費していく。

病室では評論や新書より
小説が読みたくなる。
やや情緒的になっているせいなのかなあ、
ノウミソがゆるくなってるせいなのかなあ。

面白かったもの。
「魔王」伊坂幸太郎
「ララピポ」奥田英朗
「みぞれ」重松清
「昔のはなし」三浦しをん

途切れ途切れではなく、
一冊の本を最初から最後まで通して読んだのは
久しぶりだなと思った。

みっつ
空。



夏っぽい空、秋の青空、
台風が近づいた空、青空の中のうろこ雲、
都会で自然に囲まれることはないけれど、
空を見てればそれなりに大きな気持ちになれることが
わかったことは収穫だ。


こんなものを見ながら過ごしてました。

ふだん見る時間が少なくて、
欲求不満を感じているせいだろうか。
元来、ぐうたらしているのが性分なのだろうか。

不思議と退屈しなかった。

でも、それは1週間程度だったからそう言えるんだろうな。
ずっと病院に入ったままの人は
空の見え方も違うんだろうな。



※この記事は入院中のあれこれを退院後に綴っています。
主食点滴【ただいま点滴中。3】
[2008年09月20日(土) ]

彦磨呂を見て幸せになれるのは健康の証し。

ということで、金曜から月曜まで4日間。

タカバタケの食事はテンテキオンリー。
腕から摂取。

入院3日目の土曜日は
熱も上がってちょっと痛みも強くなり、
入院しているという気持ちの↓↓傾向もあって、
ぐったりしてたが、
それでも食欲は衰えないようでけっこう空腹に苦しんだ。
(日曜日は慣れたせいか、空腹感はなくなった。)

強制ダイエット。
あなたも間違いなくやせます。

それにしても点滴って不思議だ。
こんなものが食事の代わりになってる仕組みが
いまひとつわからない。



不思議だと思いながら、
じっと見つめていた。
ポトン、ポトン。

体もだるく、動くと余計に空腹になるので、
テレビを飽きるほど見続けた。
改編期間にあたるため、
けっこう長丁場の特番が多かった。

実感。

ニッポンのテレビの土曜日は
なぜにこんなにグルメ番組が多い!


味覚の秋。地雷がいたるところに、どのチャンネルにも。

空腹にこたえた。

彦磨呂なんか出てきたら、
抗議の電話をしていたかもしれない。

必然的にスポーツ番組やクイズ番組を探してみることになる。

テレビをたくさん見たことで、芸能人に詳しくなる。

たとえば、
黒木メイサと加藤ローサの区別がつくようになった。


奪われた自由【ただいま点滴中。2】
[2008年09月19日(金) ]

自由を奪われた瞬間に、
自由から遠くなっている自分をはじめて実感する。
そのときには、もう自由はない。



診察が始まった。

この日の夜間外来の医師は、
若くてきれそうな感じの医者。
名探偵コナンのような風貌。

症状を説明する。
どーーーーも、いつも、
医者への、この「症状の説明」が苦手だ。

痛みの様子が、うまく説明できない。

キューーっと痛む。(うーーん、そんな長くないな。)
シクシク痛む。(もうちょい激しいかな。)
ズキズキ痛む。(そんなに鼓動してる感じでもなくてー。)
ジジジグージジグーと痛む。(これ、近いんだけど、言ったらびっくりするよな。)


と、いろいろ候補が出ては消えて、
結果、「なんか痛いんです」と「なんか」で処理する。

床屋で「どうしますか」と聞かれて、
「あ、全体に短い感じで」と答えるときと同じ。

自分のことを説明するのがヘタだ。

さて、診察。
痛みの原因を知るための血液検査と尿検査。
⇒血液検査で「炎症」の反応が正常値の30倍以上と判明。
⇒より詳細を見るにはCT検査が必要。
⇒医師の説明により同意。
⇒CT検査を行う。

あれーーー、薬もらって帰るだけのはずが、
オオゴトになってないか?

ここですでに未知の領域。

CT検査の結果、
輪切りにされた内蔵の写真がペタペタと貼られる。
コナン、写真をじっと見る。推理。
じっちゃんの名に賭けて(それは金田一だよっ)。

説明が始まる。

「上から順に見て行きます。(中略)肝臓には特に異常がなさそうです。」

この瞬間、めちゃくちゃほっとしたことを覚えている。
「には」だから、
普通は他に異常のある部位があると察して緊張するところ。

どうやら腸に「ケイシツ」というものがあるらしく、
そこが炎症を起こしているらしく、
その炎症がハンパなレベルじゃないらしく、
でも薬で散らせば大丈夫だということらしく、
でも薬が効かないと手術しなくてはいけないらしく、

コナン曰く「ニュウインしたほうがいいですね」

え?
ニュウインですか?

「あのー、塾で教えてて明日授業なんですけど、
無理ですか?」
「無理ですね。より悪化します。お勧めできません。」

コナンの決断は早い。

わずかな隙を見てZ会に電話。
国語担当のKさんにつないでもらう。

「いやーーー、まいったよ、ニュウインだよーーー。」

しばらくして連絡が有り、
代講は伊藤先生にお願いできるとのこと。ほっとした。

塾で教えて20年目で、初めて穴をあけることになった。
悔しい。悔しすぎる。

でも、まだ、
「いやーーー、まいったなーーー、ニュウインだってさーーー」
事態が飲み込めない。

そんな深刻じゃない気持ちのまま、
病院パジャマに着替えさせられ、
病室に連れて行かれ、
針を刺され、ベッドにつながれ、
「テンテキ」が食事になると説明される。
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入院へのカウントダウン【ただいま点滴中。1】
[2008年09月18日(木) ]

入院なんてのは、
激痛に顔をゆがめてするものだと思っていた。


前日からのわき腹の痛み、
このブログにあるように呑気に
「筋肉痛かなあ、寝違えたかなあ」と
過ごしていた木曜日。

夕方から熱。
熱?

風邪の症状は、ない。

1時間後、もう一度検温。
38.0℃。


外科的症状から内科的症状に振り子が振れる。

やべえなあ、明日、授業だよーーー。
熱はまずいなあ。

妻が帰ってくる。
夜でも救急外来で病院に行けという。
妻は今は現役ではないが、
看護師の資格を持っている。
その道のプロの意見は聞いておこうと思う。

昔は、医者に「めんどくさくて」行かない性質だったが、
母を亡くした時に、
「もっと早く病院行ってれば」の思いを少し残していたこともあり、
体のサインには素直に従うことに決めてもいる。

ということで、夕食の後、
近所の総合病院に行く。

このとき食べた
トマトとチキンのパスタ(バジル風味)
を最後に、
舌で味わう食事をしばらく楽しめないなどと、
誰が想像しただろうかいやしない。

このときかけたタバスコは
確実に炎症を悪化させていたと今思う。
@

幸いなことに健康診断を翌日に控えており、
この日は禁酒していた。

ふだんの自分ならパスタの茹で上がりに合わせて
髭男爵よろしくワイングラスでルネッサーンスとワインをちびり、
その後、焼酎をソーダでわってグビグビやってるはずである。

このとき飲んでなかったことで
炎症の不要な悪化を避けられたと今思う。
A

@Aをはじめとして、
さまざまな要素が体の具合を決めていたのだね、
あのときの自分。

いずれにせよ、まったく入院すると思ってなかった入院直前。

それを証拠に、救急車に乗って運ばれてくるケガの患者を見て
「腹痛ぐらいで来ちゃって悪かったかなあ・・・」と
待合室で、申し訳なくなっていたのだった。


自分を揺るがすような大きなことって、
いつのまにか渦中にあるものなのかもしれない。


*このシリーズは、入院生活を退院後に書き記しています。