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関西の中高一貫校で
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旧暦3/12 アプライル

[2008年04月17日(木) ]

垂渓庵です。

むかしむかしあるところに、思いもよらず大学に合格できた青年がおりました。

彼は合格発表があってからというもの、ひたすら遊びほうけておりました。

遊びにもいろいろあります。彼の遊びは地味なものでした。

ずっと我慢していた読書をし、やはり我慢していたテレビを見ていたのです。

そうそう、旭○書店や紀伊国○書店などにもしょっちゅう出没していました。

どちらもそのころは大阪で指折りの大規模書店でした。

彼は書店を巡り歩いては本を買い込み、それを読む、という生活を送ったのです。

読書に疲れたときはテレビ。どちらも目によくありません。

その後、かれは眼精疲労が原因でとんでもない頭痛に見舞われることになります。

しかし、その話はいまは置いておきましょう。

とにかく彼は存分に羽根をのばしまくりました。

それはそれは楽しい毎日を送ったのです。

そんな彼にも大学生として授業を受ける日がやってきました。

その時……。

そう、その時、頭を便器で殴られたような衝撃的なできごとが起こったのです。

え、頭を便器で殴られたらどんな感じかですって?

さあ。何なら自分で試してみて下さい。

振り回せるような便器が回りにない?

仕様がありませんね。そんなに人に頼ってばかりではいけませんよ。

自分の頭を便器にぶつけてみてください。効果は同じです。

さて、そのできごとは、難しいことばで言うなら、驚天動地のできごとでした。

その日の最初の授業、英語の時間でのこと。

教材はノエル・カワアドの戯曲です。先生はクルミザワ先生。

最初の授業ということもあり、教材には入らず、しばらく雑談をされました。

その後、先生は黒板に大きく「April」と板書なさいました。

そして、この表題で自由に英作文をして下さい、とおっしゃいました。

青年は思いました。「アプライルって何や?」

わかりません。どう頭を絞ってもわかりません。

これでは作文の書きようがありません。

早い者はさらさらと鉛筆を走らせだしています。

青年は焦りました。そして隣の青年にこっそりと聞いてみました。

「アプライルって何?」

その青年も首をひねります。後ろの別の青年も同じような反応でした。

あぷらいるあぷらいるあぷらいるなにかなそれはそんなたんごしらんなあなんでしょっぱなのじゅぎょうでこんなことになるんやああのこもうかきだしてるわしかしあぷらいるってなんやうわあのこもかいてるなんでわかるんやどっかでみたようなきもするんやけどなあ……。

意識の流れという手法を使ってみました。読みにくいでしょう?

わたしの、いやその青年の混乱ぶりがわかってもらえたでしょうか。

と、その時、後ろの青年が言いました。

「おい、エイプリルやんけ!」

「!」

「!!」

「?……!!!」

そのことばに何人かの青年たちは激しく反応し、動揺しました。

そう、彼らは、もののみごとにごくあたりまえの単語を忘れていたのです。

彼らのやって来た受験勉強にはいったい何の意味があったのでしょう。

彼らはみんなorz状態でした。

しかし、彼らはめげませんでした。

不屈の闘志で立ち上がったのです。矢吹丈みたいに。

やはり受験勉強は無駄ではなかったのです。

その後彼らはそれぞれの専門の勉強を粘り強く続けたのです。

二十年後、彼らは…。

そう、彼らは四人とも教育関係の仕事に就き、活躍を続けています。

教訓 受験勉強で身につくのは根性です。知性ではありません、たぶん。
    身につけた根性がその後の人生で大きな力になってくれます。

どっとはらい。

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