こんにちは。
火曜の時点で、このブログがいきなりランキングの上位に登場していて嬉しい反面びっくりした美井(仮名)でございます。言葉を扱っている人間とは思えない拙い文章を読んでくださってありがとうございます。でも、くれぐれも、わたくしの意見イコール相撲ファンの総意とお考えにならないようにお願いいたします…。(弱いぞ。)
前回のブログをアップしてからたった1日の間にあまりにも多くのことが一度に起こってしまい驚いています。
非相撲ファンの方々にとっては、恐らく今回の事件まで四股名を知られなかったであろう彼ら(と言ってしまうのも失礼ですが)。一般的には悪い印象しか残さなかったと言っても過言ではありません。この前の「
大相撲版平家物語」にも書きましたが、今までの努力がこんな愚かなことで水の泡になってしまうなんて。ばかすぎる。(涙)

せめて、「いいときの彼ら」を知っている相撲ファンに対しては、これ以上いい思い出に泥を塗らないでほしいです…。
今はあまりにも悲しくて、いい思い出(と言っても私は直接話したことはありませんが)がかすんでしまいそうです。
ところで一連の報道にちょっと物言いさせてください。
大麻の入手ルートについて
「
六本木で黒人からもらった」
「
ロサンゼルスで黒人歌手からもらった」
って、やたら人種を強調するのはいただけません。そりゃ確かにくれた人の人種は「黒人」だったのかも知れませんが、もし他の人種だったら「白人からもらった」とか「黄色人種からもらった」とは言わないのではないかと。(「ガイジンからもらった」という言い方はあるかも知れないけど、これも感じいいものじゃありませんよね。)何だか人種偏見が見え隠れするというか…。
日本は「9割以上単一民族」の国だからか(勿論大和民族以外の人々がいるのは承知しています。念のため)そういう表現のデリカシーが今ひとつ欠けているような気がします。神経過敏になって
politically correct(直訳だと「政治的に正しい」。差別や偏見を助長しない状態のこと)の度が過ぎるのも考え物ですが…例えば「ブス」のことを
cosmetically challenged(美的な努力を必要とする)なんて表現するのは逆に慇懃無礼な気がしますからね〜。
でも、人種に関する表現は、気を遣うに越したことはないと思います。
例えば3年前、ハリケーン・カトリーナがアメリカ南部を直撃したときのこと。人が腰まで水に浸かった写真が2枚、報道に使用されました。
片方の写真には黒人男性。
「
ニューオーリンズのスーパーで略奪(万引き。原文はlootingという言葉が使われていました)
してから胸まで水に浸かって歩く男性」
というキャプションがついていました。
(余談ですが、私はその写真の男性がペプシコーラの瓶を抱えているのを見て、「極限状態でも、万引きするのはペプシ(水じゃなくて)なんだなあ。やっぱりアメリカ人って炭酸飲料好きな人多いんだな」と妙な感心の仕方をしていました。

)
もう1枚の写真には白人男性2人組。さっきの写真と同じように、袋を持って胸まで浸かっていました。ところが、この写真にはこういうキャプションがついていたんですね。
「
パンと炭酸飲料を見つけてから(原文はafter finding...となっていました)
胸まで水に浸かって歩く住民2人」
で、「何で黒人さんだとlootingになって、白人さんだとfindingになるんだ?これは偏見・人種差別じゃないのか?」と、アメリカのブロガーさんが声を上げ、大問題になったのです。
あるブログには、"It's not looting if you're white."(白人だったら略奪にはならない)なんて皮肉って書かれてました。また別のブログには、「どうして万引きかそうじゃないかって分かったんだ?泳いで訊ねに行ったのか?」とも書いてありました。
どうやら、こういう非常事態のときはとにかくいち早く写真を配信することが優先されるので、通信社ではキャプションのチェックなしに、提供者さんのコメントをそのまま載せてしまった というのがそもそもの始まりのようです。前者の写真の提供者さんは「略奪の現場を見た」らしいのでlootingで合っていて、後者の提供者さんは「現場を見ていないのでlootingとは書けない」とコメントしていたそうで。カメラマンも通信社も違うし、よってこれらのキャプションの違いはたまたまであって人種差別や偏見とは違うらしい という結論(?)なのですが、やはり誤解を招くということで、くだんの写真はニュースサイトのデータベースから削除されたらしいです。
そういうことがあったので、日本語の記事でもつい前述の表現には物言いをつけたくなってしまうのでした。(あ、「物言い」は相撲用語です。)
アメリカから帰国して随分経ちますが、この手の言葉遣いにはできるだけ気を遣って来たつもりです。でも私も知らず知らずのうちに差別的な書き方をしてしまうことがあるかも知れない。せっかくアメリカに住んで居たのだもの、少なくともこういうことに対する問題意識はこれからも持ち続けなければ、と改めて思うのでありました。
それにしても相撲からここまで話をこじつけるかね私?(汗)